国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和5年9月21日(木)11:06~11:11

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  おはようございます。本日の国家公安委員会定例会議の状況について御報告申し上げます。案件につきましては、「全国犯罪被害者支援フォーラム2023」の開催などがございました。私からは以上でございます。

問  大臣にお伺いします。今お話ありましたけれども、10月13日に「犯罪被害者支援フォーラム」が開かれるということですけれども、今回の特徴と、大臣の犯罪被害者支援に対するご所感をお伺いできればと思います。

答 (大臣)今回のフォーラムにつきましては、「被害にあった児童・生徒をどう支援するか~学校と関係機関連携」をテーマに開催するものと承知をしております。このフォーラムの中で、御尽力をいただいた支援団体でありますとか、個人の方々に私からも敬意と感謝を申し上げ、表彰させていただく予定でございます。こういったフォーラムを契機といたしまして、学校と関係機関の連携がしっかり進むことを大いに期待いたしますし、犯罪被害者を支援する方々が一層連携をとって支援が充実していくことを期待をしているところでございます。
 施策等についてはですね、基本法や基本計画に沿って、関係府省庁、それから自治体、民間支援団体が連携をしながら、推進・充実を図ることが重要だと改めて認識をしているところでございます。
 今後とも、犯罪被害者等の視点に立った施策を推進してまいりたいとこのように考えております。

問  長官にお尋ねします。今年上半期のサイバー空間の脅威をめぐる情勢がまとまったところです。ノーウェアランサムという新たな手口が確認されているということですが、今回の情勢の特徴、警察としてどう取り組んでいくかお考えをお願いします。

答 (長官)今年上半期のサイバー脅威情勢について取りまとめて公表をいたしました。私からは、ここで三つほど、その特徴を申し上げたいと思います。
 一つ目は、DDoS攻撃であります。今年G7広島サミットがございましたけれども、サミットに関連するものも含め、政府機関や重要インフラ事業者等のウェブサイトの閲覧障害が複数確認をされました。
 一部で、親ロシア派ハッカー集団等が犯行をほのめかしております。今後とも関係機関・事業者と連携をしつつ、効果的な注意喚起や共同対処訓練を実施をしてまいりたいと考えております。
 二つ目が、いわゆるフィッシングによる「クレジットカードの不正利用」や「インターネットバンキングの不正送金」の被害が非常に増加をしているということであります。
 いずれの被害額も、過去最多に迫るペースで増加をしております。特に「クレジットカードの不正利用」は、昨年の被害額ベースで約437億円ということでありまして、特殊詐欺の被害額が昨年約371億円でしたので、それを上回っているという状況であり、その傾向が更にこの上半期で拡大をしているということが窺えます。
 国民の皆様への注意喚起はもちろんでありますけれども、関連の事業者の方々にも、「なりすましメール防止技術」の導入等の対策を講じていただくなど、対策強化のための連携などに努めてまいりたいと考えております。
 三つ目が、今お話ございましたけれども、いわゆる「ノーウェアランサム」による恐喝被害が新たに確認をされたということであります。
 これは、盗み取った機密データを公にするなどとして金銭等を脅し取る手口であります。通常のランサムウェアによるものとは異なりまして、データを暗号化する手間を省いて、容易に、そして短時間に犯行を実行できるという点に脅威があります。
 ランサムウェアの被害が高水準で推移をしております。この新たな手口についても、今後の状況を注視してまいりたいと考えております。以上です。