国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和5年11月9日(木)11:14~11:18

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。松村委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、キャッシュレス社会の安全・安心の確保に関する検討会の開催などがございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。ただ今ありました検討会の関係ですが、インターネットバンキング不正送金、それからクレジットカードの不正利用、こういった問題への対策について検討していくための検討会とのことです。こうした問題についてこれまで対策を色々取ってきたところでありますが、今回の検討会の設置の狙い、どうやって対策を進めていくかお考えをお願いします。

答 (長官)キャッシュレス決済を支える重要なインフラであるクレジットカード、それからネットバンキング、これが今、犯罪者のターゲットになっているという状況があります。
 直近の統計で申しますと、令和5年上半期のクレジットカードの不正利用、それからインターネットバンキングの不正送金の被害額は、過去最多に迫るペースで増加をしております。
 特に、クレジットカードの不正利用の被害額につきましては、これは令和4年の数字で申し上げますと436.7億円、これを更に今上回るという勢いで増加をしております。特殊詐欺の被害額が同じ令和4年で370.8億円でしたので、これをも上回る可能性があるということであります。一日当たりにならしますと1億円以上の被害がクレジットカードの不正利用によって生じているという計算になります。
 これらは、いわゆるフィッシングサイトによってクレジットカード番号や個人情報を盗み取る手口によるものが大半を占めています。
 こうしたフィッシングサイトの情報をウイルス対策ソフト事業者等に随時提供することなどによって、対策を講じてまいりましたが、被害の増加が止まらないという状況に鑑みまして、官民連携を更に進めて、一歩踏み込んだ対策が必要であるというふうに考えております。
 今回の検討会では、これまでの取組と課題を整理した上で、今申し上げたような更に一歩踏み込んだ効果的な対策について多様な観点から議論をしていただきたいというふうに考えております。
  例えば、生成AIを活用したフィッシングサイトの判別技術の導入といった方策も議論の一つであると考えております。こうした議論を踏まえつつ、早期にキャッシュレス社会の安全・安心を確保できるような取組を進めてまいりたいと考えております。