国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和5年11月16日(木)11:55~11:59

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。松村委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、犯罪被害者等給付金の審査請求事案の裁決などがございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。先週10日、今年度補正予算案が閣議決定されたところです。警察庁においては、来年度当初予算案に盛り込んでいるものの前倒しも含めて、早期措置すべきものを盛り込んだものと思いますが、今回の補正予算案の狙い、重点についてお尋ねします。

答 (長官)令和5年度の補正予算案でありますが、第一線の警察活動を支える車両、航空機、通信網の更新が相当程度盛り込まれておりますし、警護の強化等、当面の重要課題に取り組むための経費を計上させていただいております。いずれも国民の安全・安心を確保するために早急に進めるべき取組に必要な経費でありますので、いずれも甲乙付け難いというところでありますが、その上であえて2点強調しておきたいと思います。
 1つ目は、サイバーセキュリティ対策の強化であります。
 サイバー事案の被疑者を検挙するためには、情報の収集・分析が鍵になってくるわけでありますが、今回の補正予算案では、犯罪収益の流れ、あるいは関係する者の関係性を網羅的かつ自動的に分析する資機材を整備いたしまして、上位被疑者の検挙に繋げる、こういうものを今回措置をしていきたいと考えております。
 もう1つが、匿名・流動型犯罪グループの取締りの強化ということであります。
 組織犯罪については、現在、広域的な捜査連携の強化を推進しているところでありますが、今回の補正予算案で、防犯カメラ映像のリレー捜査を効率化するための資機材でありますとか、犯行に利用された携帯電話等の端末情報を保全する資機材を全国に追加配備して、戦略的な取締りに役立てていこうと、このように考えております。
 こうした資機材を早期に第一線に届けて、目下の治安課題に的確に対処してまいりたいと考えております。

問  長官にお伺いします。若い女性がホストクラブで高額な借金を背負わされ、売春や犯罪などをそそのかされる悪質ホストクラブの問題が国会でも取り上げられ、話題になっています。これまでの警察の対応や今後の取締りの方針について、お聞かせください。

答 (長官)今お尋ねのありました、いわゆるホストクラブの利用客が、高額な料金を請求をされて、その支払いの資金を捻出するために売春をさせられるといった事案が発生をしております。
 私ども警察では、これまで、ホストクラブの従業員が、女性客を風俗店に紹介して売春をさせた事案や、女性客に売春の客待ちをさせた事案については、売春防止法や職業安定法違反として検挙をしているものがございます。また、風営適正化法に基づいて、ホストクラブに行政上の立入り検査を実施するといった取組を行っているところであります。
 また、先ほど申し上げましたが、現在、匿名・流動型犯罪グループの取締りについて治安上の重要課題の1つであると位置づけて取り組んでいるところであります。こうしたグループが悪質ホストクラブの背後で不当に利益を得ている可能性も視野に入れて、対策を強化しているところであります。
 引き続き、法と証拠に基づいて、悪質なホストクラブの取締りを強化してまいりたいと考えております。