国家公安委員会委員長記者会見要旨(関連部分のみ)

1 日時 令和6年2月20日(火)9:52~9:59

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要

問   女性に性的暴行をしたとして逮捕・起訴されていた中国四国管区警察学校の警視正が2月17日に、勾留先の広島中央署で自殺を図ったとされ、その後死亡が確認されました。留置場をめぐっては、一昨年に大阪や愛知でも不適正事案が明らかになりまして、再発防止策を講じてきたところだと思いますが、改めて今回の事案について国家公安委員長としての受け止め、広島の事案の現状についてと、県警や警察庁の対応についてお聞かせいただければと思います。

答  愛知の件はちょっと事例的には違うと思いますが、2月17日に、広島県広島中央警察署の留置施設におきまして、御指摘のとおり男性被留置者1名が、意識不明の状態で発見をされまして、救急搬送先の病院で死亡が確認されたと報告を受けております。
 令和4年9月の大阪府警察における自殺事案を受けまして、警察庁から全国警察に対し、自殺等のおそれがある被留置者への対策を指示し、広島県警察においても取組を進めていたものと承知をいたしております。
 こうした中で、今回の事案が発生したことは、誠に遺憾であると思っております。
 広島県警察では、再発防止に向けて調査を進めているところであり、警察庁では、全国警察に対して、自殺等のおそれがある被留置者への対策を更に徹底するよう指示したものと承知をいたしております。
 被留置者の自殺等の各種事故を防止するため、留置管理業務の徹底を図るよう、警察を指導してまいりたいとこのように考えています。

問   アメリカのOpenAI社が発表しました、動画の生成AI「Sora」が作る動画のクオリティが高いと話題になっています。文字情報を入力するだけで、本物のような動画が作れるようになると、詐欺などの犯罪に悪用されるリスクもあると思われます。AIの進化によって、どのようなリスクが想定されまして、どのような程度の危機感を抱いておりますでしょうか。またどのような対策が考えられますでしょうか。よろしくお願いします。

答  まず生成AIの利用には、大きなメリットがあると考えております。ただ、その一方で、例えば詐欺に悪用され得るなどのリスクもあると考えております。
 警察におきましては、生成AIの犯罪行為への悪用リスクを注視いたしておりますし、犯罪に当たる行為があれば、適切に取り締まりを行うほか、広く注意喚起を図るなど、被害の拡大や未然防止をまず図ることとしているものと承知をいたしております。
 あわせて、このような悪用のリスクについては、国内に留まらないことから、そのリスクの最小化に向けては、海外の関係機関との連携が必要不可欠というふうに考えております。昨年12月のG7内務・安全担当閣僚会議におきましても、生成AIのリスクについて認識を共有したところでもございますし、私から次の議長国イタリアにも、是非次回のG7でも、このことへの議論を深めてまいりましょうと御提案をさせていただき、了承を得たところでもございます。
 海外の関係機関や関係省庁とも連携をして悪用リスクに適切に対応し、国民の安心・安全を確保していくよう、今後とも警察を指導してまいりたいと考えております。