国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和6年4月4日(木)10:59~11:03

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。松村委員長が欠席のため、私が代理いたします。案件については、「令和5年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について」などがございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。ただ今ございました風俗関係、昨年の状況がまとまったところですが、悪質なホストクラブに対する取締りの状況等も出てきているところです。風俗関係事犯には匿名・流動型犯罪グループも関与しているという見方で、取締りを進めているところですが、現状への受け止め、それから、今後の取締り対策の取組についてのお考えをお願いします。

答 (長官)今お尋ねのございました、最近の風俗関係事犯については、「悪質なホストクラブ」、それから「オンラインカジノ」、この2点に特に注意を要するというふうに考えております。
 いずれも背後に治安上の脅威である「匿名・流動型犯罪グループ」、「トクリュウ」の存在、この疑いを視野に入れて対策を進める必要があると考えております。
 風俗関係事犯の取締りは、この「トクリュウ」対策の要の一つであると言ってもいいと考えております。
 まず、悪質なホストクラブにつきましては、昨年11月、全国に取締りの強化を指示したところであります。それに基づいて、これまでに全国のホストクラブの70%以上の店舗に立入りを行いました。
 また、ホストによって女性客が売春に追い込まれる、こういった事案について、売春防止法、職業安定法等の各種法令を適用して、取締りを進めております。また、こうした違法行為に関わった店舗については営業停止等の行政処分、こういった厳正な措置を講じているところであります。
 一方、オンラインカジノでありますけれども、昨年来、国内で決済システムを運用していた者を検挙するという、新しい切り口からの取締りを進めております。こうした取締りを通じて、実態解明をさらに進める必要があると考えております。
 「トクリュウ」対策には部門の壁を取り払った取締体制の構築が必要であります。こうした観点から、警察庁では、今月、この「トクリュウ」対策の長官官房参事官、これを専任参事官として新設をいたしました。
 また、都市部を管轄する都道府県警察においても、組織犯罪対策部門、保安部門等から成る専従の取締体制を構築しているところであります。
 この「匿名・流動型犯罪グループ」が特殊詐欺をはじめ様々な犯罪によって得た犯罪収益を基に、風俗営業等の事業活動に進出をしている、こうした疑いを持って実態解明を進める必要があると考えております。こうした解明を通じて、全国警察を挙げて引き続き戦略的な取締りを進めていく所存であります。