国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨
1 日時 令和6年5月16日(木)11:24~11:28
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。松村委員長が欠席のため、私が代理いたします。案件については、「道路交通法施行規則及び警備業法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等に対する意見の募集についてなどがございました。以上です。
問 長官にお伺いいたします。去年1年間に警察に届けられた落とし物の数がまとまり、過去最多だったことが分かりました。落とし物が持ち主の元に戻るということは、日本の長所としてよく紹介されますが、一方で、拾得物として届けられる犬や猫等の動物への対応は、警察の現場業務の負担になっていると思われます。この落とし物についての取組の実施状況や課題点等、長官の御所感をお聞かせください。
答 (長官)昨年、全国の警察に提出をされました拾得物は、物品が約2,979万点、通貨が約228億円でありました。いずれも過去最多であります。都道府県警察の第一線では、こうした拾得物の取扱いの窓口の業務、あるいは保管等についての負担が、かなり増加をしているというのが実情であります。
このうち、動物の拾得の届出は約2万5,500点でありました。この動物、もちろん命のあるものであります。取扱いに当たる警察職員は愛護の精神を持ち、管理の責任を自覚して、一定期間餌やり等に当たっております。しかしながら、警察施設には専用の設備が必ずしもあるわけではありませんし、警察職員も専門の知識が必ずしもあるわけではありません。動物の健康・安全を保持する上で、警察職員に大きな負担がかかっているということも否めない事実であります。
こうした状況については、動物愛護の観点からも、必ずしも好ましいとは言えない状況であると思います。また、この業務の負担というものは警察の他の業務へのしわ寄せになっているというところもございます。こうしたことから、私どもにおいては、遺失届のオンラインでの提出、拾得物情報の全国一括検索等を可能とするシステムの拡充を進めているなど、こうした業務の効率化を図っております。また、動物については、その取扱いに関連する行政機関・団体との連携の強化にも努めているところでありまして、今後一層こうした取組を加速化させていきたいと思っております。
動物については、飼い主の方も心を痛めておられることと思います。責任を持って管理を行っていただくことについて、改めて私からもお願いをしたいと思います。