国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 令和6年5月30日(木)11:20~11:25
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件につきましては、「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」等に対する意見の募集についてなどがございました。本日は以上でございます。
問 大臣にお尋ねします。ただ今ございました道路交通法令の改正の関係ですが、今回いわゆる生活道路に法定速度30km/hを新たに設定するということなどの方針で、パブリックコメントを行うということです。生活道路の速度規制の話ということを踏まえて、国民の生活や安全にも大きく影響する話だと思います。今回の方針についての背景事情等も含めまして、受け止め、それから、今後施行に向けてどうやって警察として取り組んでいくかも含めまして、お考えをお願いします。
答 (大臣)御指摘の制度改正につきましては、道幅が狭いなど、センターラインや中央分離帯等が設けられておりません生活道路の自動車の法定速度を、2年後を目途に30km/hにする案として公表するものでございます。明日から意見募集を行うこととしております。
これは、生活道路において歩行者等が被害者となる交通事故を防止するためには、自動車の速度抑制を行うことが重要であると、こうした認識を踏まえたものでございます。
これによりまして、交通実態に合わせた、より安全な道路交通環境を確保することが可能になると考えております。国民の皆様の御意見も踏まえまして今回の見直しを行うとともに、これまで取り組んできた「ゾーン30」、こういった各種生活道路の交通安全対策についても国土交通省などとしっかりと連携を取りまして進めてまいりたいと考えておりますし、そのように警察を指導してまいりたいと考えております。
問 長官にお伺いいたします。指定暴力団の六代目山口組と絆會について、兵庫県や大阪府等の6つの府県の公安委員会が特定抗争指定暴力団に指定する手続きを進めています。六代目山口組を巡っては、神戸山口組や池田組との間でも特定抗争指定暴力団に指定されていますが、六代目山口組を取り巻く、これらの対立抗争について、長官の受け止めと今後の取組についてお聞かせください。
答 (長官)山口組の分裂についてでありますが、さかのぼりますと平成27年8月末に六代目山口組が分裂をいたしました。その後、再分裂を繰り返して、これまで合計113件の対立抗争事件が発生をしております。こうした情勢に対処するために、私ども警察では、六代目山口組と、そこから分裂をしました神戸山口組、そして池田組を特定抗争指定暴力団等に指定の上取締りを強化してまいりました。それによってこれまで98件、326人を検挙しております。
また、この平成27年8月の分裂以前には、六代目山口組の勢力は約2万3,400人でございました。昨年末現在は、六代目山口組と、分裂をした神戸山口組池田組、絆會を合わせても約8,130人にまで減少しております。
こうした中で先月、絆會の幹部暴力団員を、六代目山口組との対立抗争に起因する拳銃使用殺人事件の被疑者として逮捕したところであります。今後、六代目山口組と絆會の間における対立抗争が激化するおそれがあると判断いたしまして、今般、関係府県の公安委員会におきまして、両団体を特定抗争指定暴力団等として指定するための手続を始めたところであります。
これらの対立抗争に一般市民が巻き込まれることは決してあってはなりません。関係府県はもちろんでありますが、全国警察を挙げて、暴力団対策法を的確に運用するとともに、取締りを強化いたしまして、市民生活の安全確保を図り、対立抗争の早期鎮圧に努めてまいりたいと考えております。