国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和6年6月20日(木)11:25~11:32

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件につきましては、「天皇皇后両陛下の英国御訪問に伴う警衛について」などがございました。私からは以上でございます。

問  大臣にお尋ねします。今週火曜日ですが、犯罪対策閣僚会議で「国民を詐欺から守るための総合対策」が決定されたところです。閣議後会見で概要、概略を御説明いただきましたが、改めまして、今回の総合対策について、警察として、特にどういった点に力を入れて取組を進めていくべきか、お考えをお願いします。

答 (大臣)御指摘のように、今週の火曜日、犯罪対策閣僚会議が開催されたところでございます。それについての所見ということで、まず、昨今、詐欺被害が大変増加をしております。特にSNS型投資・ロマンス詐欺、フィッシング及び特殊詐欺は、いずれもやはり科学技術を悪用してその手口を巧妙化させ、国民に大きな被害をもたらしているものだと思っております。
  警察といたしましては、まずもって取締りを強力に推進していく所存であります。犯罪に直接加担する者や幇助する者、その背後にいる首謀者であるとか指示役を含めまして、これらの詐欺への関与が疑われる「匿名・流動型犯罪グループ」に対して、警察庁におきまして、4月に新設された長官官房参事官を中心に実態解明を進めるとともに、特殊詐欺連合捜査班、通称TAITも運用し、一層強力に検挙を推進してまいります。
   その上で、詐欺の手口の変化のスピードに立ち後れることなく対処をいたしまして、被害を食い止め、国民の安全・安心を守るため、関係省庁と緊密に連携をし、総合対策に盛り込まれている対策を確実に実施することが重要であると考えてございます。
  その中で特に、国民への注意喚起や偽広告の削除をはじめとする被害にまず遭わせないための対策、闇バイト情報に関するサイバーパトロールをはじめとする犯行に加担させないための対策、電子マネーや暗号資産、実態のない法人の口座が犯行に悪用されることを防止するための犯罪者のツールを奪うための対策、こういったことを迅速かつ的確に講じるよう、警察を指導してまいりたいと考えております。

問  長官に伺います。7月3日より新紙幣が発行されます。警察では通貨偽造犯罪に対して、取締りに加え、日銀や財務省と連携した注意喚起を進めてきました。通貨偽造犯罪そのものの悪質性や近年の同種犯罪動向についての認識、新紙幣の発行に向けて警察としてどのように取り組んでいくか、お考えをお聞かせください。

答 (長官)今お話ございましたとおり、来月3日から、20年ぶりに新しい日本銀行券が発行されます。
  私自身、国立印刷局の東京工場の視察をしてまいりました。この新紙幣に、極めて高度な偽造防止技術が施されている状況等説明を受けてまいりました。
  昨年、偽造された日本銀行券は約700枚発見をされております。これは世界的に見てかなり少ない水準であると承知はしておりますが、偽造された日本銀行券が海外から持ち込まれる事案も発生しているところでありまして、引き続き、警戒をしていかなければならないと考えております。
  言うまでもないことでありますが、我が国の社会や経済の安定を維持するためには、通貨に対する公共の信用が極めて重要であります。
  私ども警察といたしましては、引き続き、関係機関と連携しながら、国民の皆様に対しまして、「不審な通貨を見つけた場合には、直ちに警察や日本銀行に届け出をしていただく」ということを改めてお願いをしたいと思います。なお、偽造通貨を発見してこれを警察に届け出ていただいた場合には、必要に応じて、謝金を交付するという制度もございます。
  また、通貨の信用を損ない、経済取引の安全を害する通貨偽造罪等に対しては、法と証拠に基づいて厳正に対処をしてまいります。
  あわせて、今回の新しい日本銀行券の発行に便乗して、「従来の紙幣は使えなくなる」などとうそをついて、新紙幣との交換名目に紙幣を騙し取ろうとする詐欺等が発生するおそれもあります。従来の紙幣が今後使えなくなるということはありえません。
  警察では、関係当局とも連携しながら、このような詐欺被害も防止するために、引き続き広報啓発等に努めてまいりたいと考えております。