国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和6年6月27日(木)11:00~11:10

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について御報告を申し上げます。案件につきましては、「道路交通法施行令の一部を改正する政令案に対する意見の募集について」などがございました。私からは以上でございます。

問  大臣にお尋ねします。ただ今ありました道交法の改正の関係ですが、今国会で成立した道交法で、自転車についていわゆる酒気帯び運転、それから、スマホ等のいわゆるながら運転が新たに罰則の対象になりました。今回、11月1日から、自転車の違反者講習の対象にするということの案について、パブリックコメントを行うことになりました。あわせて、いわゆる自転車に係る安全教育について、官民協議会を立てて、交通安全教育のあり方も検討するということです。こうした一連の自転車の安全な利用についての取組への大臣のお考えをお願いします。

答 (大臣)御指摘のように、道交法につきましては、今国会で成立をさせていただきました。御指摘の自転車の安全利用に向けては、改正内容や自転車の交通ルールの周知を図り、その遵守を促す取組が極めて重要であると考えております。
 新たに罰則規定が設けられた自転車の酒気帯び運転や自転車の運転中における携帯電話の使用、いわゆるながらスマホでございますが、これの禁止については、11月1日の施行を予定してございます。
 これらの行為の危険性について、都道府県警察とも連携をいたしまして広報啓発を強化するとともに、危険な違反行為に対しては、厳正な取締りを推進してまいりたいと考えております。
 また、2年後に施行予定の自転車への交通反則通告制度の導入に向けましては、今般、警察庁におきまして、官民連携協議会を設置いたしまして、ライフステージに応じた安全教育のガイドラインの策定や、効果的な広報啓発の手法について検討を行うこととしております。
 自転車を通学で利用する機会の多い中学生や高校生をはじめ、国民の皆様への自転車の安全教育について、官民が連携して強化してまいりたいと思っております。
 今後とも、自転車の安全利用に向けた各種取組について、積極的かつ丁寧に進め、自転車の交通事故防止を図るように、警察を指導してまいります。

問  大臣にお尋ねしたいと思います。昨夜大臣が歌舞伎町を視察されまして、その際の取材の場で、「風営法の改正も含めて、更なる対策の検討を指示したい」と御発言されました。改めまして、可能な範囲でその具体的な内容やスケジュール感を伺えればと思います。

 答 (大臣)御指摘のとおり、昨日歌舞伎町を視察させていただきました。この件につきましては、昨年の11月、露木長官が視察をされ、強い問題意識がございましたので、取締りの強化を図ってきたところでもございます。国会でもたびたび質問もいただき、私自身も大変強い問題意識を持っておりました。
 実際、現場に行かせていただいて、悪質な営業がやはり根絶されなければならないと認識を新たにいたしまして、風営法の改正も含めた更なる対策を、もう一歩踏み込んだ検討をしなければならないと感じたところであります。
 具体的な内容についての御質問でございますが、今後、まず有識者会議を設置するなどして検討を開始したいと考えております。
 また、ホストクラブの営業に関して、女性がホストクラブの売掛の返済のために売春することがないように、効果的なものとすることが重要であるとと考えておりますので、スピード感を持って検討を進め、対策をとりまとめるよう、警察を指導してまいりたいと考えております。

問  大臣にお伺いいたします。鹿児島県警で非違事案が相次いでいることを受けて、先週末、鹿児島県警本部長を長官訓戒にするなどの処分が行われました。また、鹿児島県公安委員会は本部長が隠蔽を指示したと判断する事実は認められなかったとしています。この件について、国家公安委員会ではこれまでどのような検討をされてきたのでしょうか。また、今後どのように警察を指導していくのか、大臣のお考えをお聞かせください。

答 (大臣)まず鹿児島県警察におきまして、警察職員の模範となるべき立場にあった前生活安全部長が国家公務員法違反で逮捕、起訴されたほか、同県警で不適正事案が続いていることは、極めて遺憾であり、国家公安委員会といたしましても、これまでの間、警察庁から随時報告を受けているところでございます。
 御指摘の本部長に対する処分につきましては、先週の国家公安委員会において、警察庁から鹿児島県警察による調査に加え、警察庁においても本部長から事実関係を聴取するなど必要な調査を行った結果、客観的に見て、本部長による隠蔽はなかったことが明らかとなった一方で、同県枕崎警察署管内で発生をいたしました盗撮事件に関し、迅速適確に行われなければならないという捜査の基本に欠けるところがあったことが判明し、このことから同本部長を、警察庁長官訓戒としたいとの報告を受けております。国家公安委員会におきましても、これを了承したものでございます。
 また、警察庁から、鹿児島県警察に対して特別監察を実施するとの報告があり、これらに関し、各委員から、本部長による隠蔽はなかったものの、本部長に対する処分に係る調査で判明をした事実については、できる限り公表すべきとの意見や、鹿児島県警察に対する監察を通じて、本部長の捜査指揮や組織管理のあり方を含めて、原因分析と再発防止策の検討をしっかり行うべきであると、このような意見等がございました。
 私といたしましても、社会の安全を支える警察活動というのは、何にもまして国民の皆様の信頼があって成り立つものだと思っております。信頼がやはり必要不可欠でございます。そのような観点から、鹿児島県警察における再発防止対策が確実に実施されるよう、引き続き警察を指導してまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。同じく、今の大臣の発言を受けてですが、鹿児島県警の問題で、月曜日から特別監察に入っているところです。今回の特別監察で、警察庁としてどういった点について重点的に調べていくのか。それから、今後県警の方で再発防止策をまとめることになっておりますが、防止策への警察庁としてどういった指導、点検をしていくか。その点も含めましてお考えをお願いします。

答 (長官)今松村大臣からもお話がございました。今週月曜日、24日から、鹿児島県警察に対する、私ども警察庁による特別監察を実施しているところであります。
 この特別監察は、鹿児島県警察において、前生活安全部長による個人情報漏洩事件をはじめとして非違事案が続いているということを受けて行うものであります。
 具体的には、まず第一にそれぞれの事案の発生状況と原因の分析をしっかりと行うということ。第二に全国でこれまで様々な非違事案防止対策に取り組んできたところであり、その知見が警察庁に蓄積されております。そうした事例を基にして、現在の鹿児島県警察における非違事案対策を検証するということ。そして第三にそれによって足らざるところを、鹿児島県警察における非違事案対策の足らざるところを抽出した上で、その非違事案対策のバージョンアップを図ること、こうしたことを行っていく予定としております。
 鹿児島県警察に対する信頼回復のための道筋を、一日も早く明らかにすることが重要であると考えております。先ほど申し上げたような作業が、スピード感をもって行われるように、警察庁の監察担当の職員を鹿児島県警察に常駐させて、厳正な監察を実施してまいる所存であります。