国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和6年7月4日(木)11:06~11:12

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件につきましては、「令和5年における行方不明者の状況について」などがございました。私からは以上でございます。

問  大臣にお伺いします。今冒頭にありましたが、令和5年における行方不明者の状況についてとりまとめられたということで、今回の全体についての特徴と、特に認知症に係る行方不明者が年々増加しているということでしたので、こちらの大臣の受け止めと、警察の今後の対応についてお聞かせください。

答 (大臣)まず、令和5年中の行方不明者の届出受理数につきましては、9万144人でございました。これは過去最少を記録した令和2年から3年連続で増加を続けております。
 また、お尋ねの認知症による行方不明者の届出受理数につきましては、統計をとり始めました平成24年以降、増加を続けておりまして、過去最多となる1万9,039人となったところでございます。
 このような中、GPS機器を活用いたしました捜索を行いまして、行方不明者の早期発見につながった事例もあります。今後も増加が見込まれる認知症による行方不明者の発見活動につきましては、このGPS機器が有用であると考えております。
 自治体等で貸し出しを実施しているところもございますので、認知症の方の御家族には、これらをぜひ御活用いただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、警察といたしましては、行方不明者の早期発見に努めているところでございますので、今後とも、地域における認知症高齢者の見守りネットワークを効果的に活用するなど、関係機関・関係団体と緊密に連携をいたしまして、行方不明者の発見・保護活動が迅速かつ適切に行われるよう、警察を指導してまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。安倍元総理の銃撃事件から今月8日で2年が経つところです。事件を受けまして、警察庁では警護要則を改正しまして、警護計画案について警察庁が事前に審査するといった新しい取組を進めているところですが、これまでのこうした対応の状況、それから、今後の取組の方針も含めまして、お考えをお願いします。

答 (長官)今お話がございましたが、安倍元総理銃撃事件から、早や2年が経過しようとしております。私にとりましては、つい昨日の出来事のように脳裏に強く焼き付いております。まさに痛恨の極みでありました。
 また、そのわずか1年足らずのうちに、昨年4月でありますが、未遂ではありましたが、岸田総理に対する爆発物使用襲撃事件の発生も許してしまいました。これについても大変重く受け止めております。
 こうした警護中の要人に対する襲撃を許すというようなことは、もはやあってはなりません。そういう認識の下で、これまで様々な対策を講じてまいりました。
 例えば、全国の都道府県警察における警護専従員を300人以上増員するなど警護体制の拡充を進めてまいりました。また、演説会場等の主催者との協力関係を構築した上で、聴衆の方々に対する手荷物検査・金属探知検査、あるいは警護対象者と聴衆の方々との間隔の確保等の安全確保措置の徹底に向けて、主催者の方、そして警護対象者御本人の御理解と御協力をいただくような働き掛けを丁寧に進めてまいりました。
 さらに、銃の自作方法を紹介するサイト等がインターネット上にみだりに上げられているという状況に対処するために、銃の不法所持を公然とあおり・唆す行為を処罰の対象とするなどの銃刀法の改正を行い、ローン・オフェンダー対策の強化にも努めてまいりました。
 また、現在東京都知事選挙が行われております。来年には参議院の通常選挙も予定されておりますが、選挙運動に伴う警護については、通常の警護に比べて格段に危険度が増す現場となります。
 選挙の自由妨害等選挙を取り巻く情勢の変化にも十分対応をする必要があると考えております。
 新たな警護要則制定後に、これまでに警察庁では約6,300件の警護計画案の審査をしてまいりました。一つとして同じ警護はございません。日々積み重ねている一つ一つのこうした事例から得られる教訓を踏まえて、警護の在り方について不断の見直しを行っているところであります。今後とも、更なる警護の高度化を図ってまいりたいと考えております。