国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和6年8月29日(木)10:40~10:46

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件につきましては、「令和6年度の政策評価について」などがございました。私からは以上でございます。

問  大臣にお尋ねします。台風10号ですが、九州に上陸したということで、今回の台風、勢力が強くて速度が遅いということで、今後大きな被害も懸念されるところですが、今回の台風に対する、特に警察としての対応についてのお考えをお願いします。

答 (大臣)警察におきましては、警察庁に特定災害警備本部を設置するとともに、鹿児島県警察等、関係警察において災害警備本部等を設置いたしまして、被害情報の収集に当たっていると報告を受けております。
 27日に愛知県蒲郡市で発生した土砂崩れに5名の方が巻き込まれた事案につきましては、愛知県警察が消防や自衛隊といった関係機関と連携をいたしまして、救出救助活動を行ったと、あわせて報告を受けているところでございます。
 また、今回の台風に伴いまして特別警報が発表されたことも踏まえまして、昨日28日に、警察庁から全国警察に対しまして、被害発生前の事前避難の呼び掛けや迅速な部隊派遣に備えた態勢の構築を指示したと、こうした報告を受けております。
 引き続き、警察官の、まず安全の確保にも配慮をしながら、他機関とも連携をして、災害対応に万全を期すよう警察を指導してまいりたいと、このように考えております。

問  長官にお尋ねします。令和7年度の予算の概算要求が示されたところであります。今回のとりまとめで、特にポイントや、今後進めていきたい施策等ありましたら教えてください。

答 (長官)来年度予算概算要求におきましては、警察庁からの要求額は、総額3,285億円となりました。また、定員につきましては、国家公務員136人、地方公務員たる警察官476人の増員も要求することとしております。地方公務員たる警察官の増員は、東日本大震災関連や国境離島警備隊関連を除きますと、8年振りとなります。
 今回の概算要求のポイントとして、3つ申し上げたいと思います。
 1つ目は、サイバー犯罪対策であります。高度化・複雑化するサイバー事案に的確かつ機動的に対応することができるように、今年の4月に関東管区警察局サイバー特別捜査部を新設いたしましたが、この体制を更に充実・強化してまいりたいと考えております。捜査員の増員や捜査用資機材の整備等に必要な経費を積んでいるところであります。
 2つ目は、災害対策であります。大臣からもお話がございましたが、令和6年能登半島地震に対応する中で様々な課題を把握しました。こうしたことを踏まえまして、悪路走行が可能で大型資機材を積載可能なバン型四輪駆動車の整備や、ヘリコプター等の空路輸送を想定した小型・軽量の電動ノコギリ等の資機材の整備等を考えております。
 3つ目は、組織犯罪対策、とりわけ匿名・流動型犯罪グループや、特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺への対策についての経費であります。こうした組織犯罪に対する戦略的な取締りを強化するために、マネー・ローンダリングに利用されている暗号資産を分析するためのシステムの整備や、都道府県警察における捜査員の増員等、捜査体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 治安上の重要課題に的確に対応して、国民の安全安心を確保するための必要な予算であります。財政当局等から十分な理解が得られるように努めてまいりたいと考えております。