国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和6年9月19日(木)11:20~11:27

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件につきましては、「特定小型原動機付自転車に関する規定の施行状況について」、こういったものがございました。私からは以上です。

問  大臣にお伺いいたします。冒頭ありました電動キックボードに関する新しい制度が、去年7月から施行されて1年間の状況がとりまとまりました。その特徴と、今週末から始まる秋の全国交通安全運動で重点的に取り組む項目について教えてください。

答 (大臣)御指摘のように、特定小型原動機付自転車につきましては、新制度が施行されて令和5年7月から本年6月までの1年間、特定小型原動機付自転車に関する事故につきましては、219件発生したところであります。
 これらの事故の特徴を分析いたしますと、まず単独の転倒事故が多いこと、また、特定小型原動機付自転車が原因となる事故の相手方は、歩行者、また、自転車の順で多いことが認められました。また、四輪車との事故では、四輪車の左折の時や出会い頭での事故が多いこと、また、自転車と比べて飲酒ありの状態での事故の比率が高かった、こういったことが挙げられております。
 また、警察では、同期間中に2万5千件を超える交通違反を検挙しているところでございます。その状況を見てみますと、歩道走行や逆走といった通行区分違反が半数以上を占めておりまして、次いで信号無視が約3割を占めております。
 こうした状況も踏まえまして、今週末の21日土曜日から始まります秋の交通安全運動におきましては、「自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底」を運動重点の一つに挙げているところでございます。
 特定小型原動機付自転車は、転倒事故や他の自動車との事故に遭うことが非常に多く、自らをしっかり守っていただくためにヘルメットの着用が重要であると考えております。シェアリング事業者への今後の働きかけを含めまして、ヘルメットの着用促進に向け取組を強化するよう、警察を指導してまいりたいと考えております。
 また、歩行者との事故や飲酒運転が目立つことから、交通ルールの遵守が徹底されることも重要であると考えておりますので、シェアリング事業者や販売事業者には安全教育を充実していただくとともに、飲酒運転といった悪質な違反の取締りを強化するよう、警察を指導してまいりたいと思っております。

問  長官にお尋ねします。上半期のサイバー空間の脅威情勢がまとまったところです。今回の情勢の特徴をどう見てらっしゃるか、情勢を踏まえて警察としてどう取組を進めていくか、お考えをお願いします。

答 (長官)今期のサイバー脅威情勢について、特徴を私からは3つほど申し上げたいと思います。
 1つ目は、ランサムウェア等によるサイバー攻撃の被害が依然として深刻な状況にあるということであります。
 さらに、生成AIを犯罪に悪用する事案も、遂に発生を見ました。
 2つ目といたしましては、フィッシングによる不正送金、SNS型投資・ロマンス詐欺、暗号資産を悪用した犯罪収益の移転、こうした特徴的な犯罪に見られますように、組織的詐欺等の犯行の入口や出口が、サイバー空間を介在させることによって、瞬時に甚大な被害をもたらしているということが挙げられると思います。
 3つ目の特徴でありますが、詐欺、窃盗、強盗等の犯罪実行者を募集する情報がSNS上に氾濫をしていて、匿名・流動型犯罪グループの台頭を招く温床となっているという点が挙げられると思います。
 このほか、能登半島地震に際しましては、偽の救助要請情報が拡散したという事案も見られました。
 ちょうど昨日、サイバー特別捜査部に足を運んで、捜査員の督励をしてまいりました。
 佐藤特捜部長からは、治安上の重要課題となっている犯罪の多くがサイバー空間と関わりがあるという現在の犯罪情勢を踏まえますと、警察庁直轄の執行機関として、警察捜査の幅広い分野でこれを支えるという、そういう重要な役割をこれからも果たしていきたいという説明を受けたところであります。サイバー特別捜査部設置の趣旨に沿った活躍をしてくれていると実感をいたしました。
 今年上半期の情勢等を踏まえた上で、今後とも、サイバー特別捜査部を中心にサイバー部門の捜査体制の充実強化を図るとともに、関係機関・団体等ともしっかりと連携しつつ、サイバー空間の安全・安心の確保に向けて、引き続き、諸対策を強力に推進してまいりたいと考えております。