国家公安委員会委員長離任記者会見要旨(関連部分のみ)
1 日時 令和6年10月1日(火)10:46~11:18
2 場所 警察庁第1会議室
3 概要 皆様、こんにちは。まずは離任会見にお集まりいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。先ほどの閣議におきまして、内閣総辞職について決定がなされました。
昨年の9月の13日に就任をさせていただいた職でございますが、全身全霊を懸けて取り組んできたところでございます。しかしながら、あいにく浅学非才の身でございまして、職員の皆様、秘書官の皆様方、たくさんの方に支えていただいたことに、まずもって心から感謝を申し上げたいと思っております。
役職につきましては、国家公安委員会委員長、防災、国土強靱化、海洋政策、領土問題、多岐に渡って担わせていただいたところでございます。この1年間は、やはり、災害も発生いたしましたから、大変緊張感のある日々を過ごしてきたところであります。一瞬たりとも気が抜けないと。防災にしても、国家公安委員会委員長にしても、国や国民の皆様方の生命・財産・身体を守る大切な役割だと考えておりましたので、私ながら全身全霊を懸けて頑張ってきたところでございます。
この一年間、記者の皆様方にも緊張感のある中で、非常に鋭い質問をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。大変お世話になりました。ありがとうございました。
全てを語ることはできませんが、離任に際して、いくつかお話をさせていただければと思っております。
まず、国家公安委員会委員長についてでございますが、冒頭申し上げましたとおり、この職というのは、国、そして国民の安全・安心を守る、治安を守る、大変重要な役割であると思っております。そんな思いで、全身全霊を懸けてやってきたところでございます。
まず、就任直後、昨年の12月でございますが、G7がございました。私、議長を務めさせていただきながら、非常に中味の濃い議論をさせていただいたところでございます。その中でも、G7の中で話題に取り上げさせていただいたのが、「国境を越える組織的詐欺との闘い」、こういったものをG7が一致協力して、今後議論してまいりましょうということで、一致をさせていただき、G7宣言の中に成果として取り入れることができました。
また、3日から始まりますイタリアでのG7、当時御出席いただいたイタリアのピアンテドージ大臣と直接お話をいたしまして、懇親の中でぜひ、このイタリアでも今度議論をやりましょうというお願いをいたしまして、残念ながら私は出席できませんが、この議論がまた、今後続いていくと。議論することが大事ではなく、やはり国境を越える組織的犯罪は複雑化しておりますので、これをいかに対処していくか、またいかにいろんな国と連携をしていくか、このG7が中心になってやっていくことが重要であろうと思っております。
この議論をきっかけに国内におきましても、我が警察庁の中においても、様々な議論が起こりまして、その対処・検討を開始しているところでございます。引き続き、次の大臣にも推進をしていただきたいと期待をしているところでございます。
また、1月に発生をいたしました能登半島地震に際しましては、被災者の皆様の命を救うべく、捜索・救命救助、初動から迅速に動いていただきました。延べ13万人の警察官の諸君が、被災者のため、能登のため、石川のためと、こういう思いで全国から集まってきていただきました。
熊本地震を経験した私にとっては、やはり、他県のパトカーを見ることは非常に心強く、安心感が生まれました。今回も初動で動いていただいた皆様、また、今なお救命救助・捜索に当たってくれている警察官の諸君、こういった方々が、地元の方々へ与える安心感というのは、非常に大きいものがあると思います。その行動に心から敬意を表したいと思っております。
この初動で課題になりましたのは、資機材の問題でございました。地理的制約のある中で、なかなか陸路からアタックすることができませんでしたので、空路にてアタックをいたしましたが、この中で資機材について、若干減らさなければならないような状況もございました。したがって、引き続き、警察の初動、あるいは防災力の強化のために、次年度の予算要望の中で様々な検討をし、思考停止することなく、あらゆる災害に対応できる対応を取ろうということで、指示をさせていただき、検討を進めているところでございます。
残念なことに山形では、水害で2名の若い優秀な警察官が命を落としました。決して今後このようなことがあってはならないと考えております。引き続き充実を図っていただくことに期待をしたいと思っております。
また、国会では、2本の法律を成立させることができました。銃刀法、道交法、いずれも国民の皆様の生活にとって、非常に重要な法案でございました。これもやはり担当部局の皆様方が、大変な御尽力をいただいたことで、全会一致で成立をみたものと、感謝を申し上げたいと思っております。
また、歌舞伎町にも視察に行かせていただきました。国会の中でも議論がございましたが、悪質ホストクラブへの対策、視察の上、法改正も視野に入れてと申し上げ、現実、今、法改正を進めるべく、検討会を設置し、いろんな議論を、有識者を交えてやっていただいているところでございます。ぜひ、次の大臣におかれましては、風営法の改正、これを踏まえて、期待をしたいと思っております。
また、犯罪が多様化する、複雑化する中で、サイバー部隊を隊から部へ昇格することができましたし、人員も増員することができました。幹部の皆様と話す中で、これは、今後警察にとって非常に重要な分野になってくる。したがって、ここの充実、人材の育成、このことを図る必要があるというような考えの下で、ますます充実をさせていく必要があると思っておりますので、今後期待をしたいと思っております。
国家公安委員長をやらせていただきまして、やはり、国民の皆様方の、警察に対する期待というのは非常に大きいと、改めて感じたところでございます。そういう意味では、その期待に応えるべく、さらにさらに全身全霊を懸けて、現場の警察官の皆様をはじめ、警察庁、全国の警察が一体となって、国民の期待に応えていただくことを、期待申し上げたいと思っております。
語り出すと2時間位しゃべりそうでございますので、この辺で止めておきますが、何と言っても、冒頭申し上げたとおり、国や国民の皆様の生命・財産を守っていく貴重な仕事をさせていただいたことは、私にとっても大変意義あることでしたし、支えていただいた皆様がいたからこそ、勤め上げることができたと思っております。そのことは本当に心から感謝をしているところであります。いろんな意味で御厚誼を賜ったこと、心から御礼を申し上げたいと思っております。
私は離任をいたしますが、隙間を作ることなく、先ほど申し上げた様々な課題、それから、何より国民の皆様方への安心、こういったものを途切れさせるわけにはまいりません。現場の皆様方には、さらにさらに、そのことを強く意識し、頑張っていただくことを期待申し上げて、私の挨拶に代えさせていただきます。1年間大変お世話になりました。ありがとうございました。
問 1年間お疲れ様でございました。引き続き防災絡みになります。国家公安委員長としても災害対応の場面が非常に多い1年間だったと思います。能登を受けましてお話がございましたが、装備資機材の充実等を図ってきているところですが、現在の警察の災害対処能力について、どう評価されていらっしゃるか。制度、装備資機材、体制、他機関との連携、いろいろあろうかと思いますが、どう評価され、どういった点が課題であって、今後どういうふうに充実させていくことが望まれるというふうにお考えなのか、お願いします。
答 資機材については、指示をいたしまして、いろんな検討が始まったところです。やはり、全国それぞれで起きる災害というのは、なかなか一様ではないと思っております。ですから、その県の警察で起こりうる災害、この想定、また財源が県からでございますので、例えば、山形県については、ライフジャケットを予算要望し、3分の1位そろえていらっしゃいましたが、残念ながら、全員分ということではございませんでした。その後、陳情においでになったときに、県議会に私の方から陳情いたしましたら、すぐに対応いただいて、しっかりと整備をしていくということでございました。こういったことを考えますと、今の警察での資機材についての状況というのは、それぞれの県によって誤差があるなと。したがって、あらゆる災害を想定し、そのことについての備えを充実をしていく必要があるのだろうと。
今回の能登でも、なかなか道路啓開が進まずに、現場までたどり着くことができませんでしたし、空路から現地に入った方々は、徒歩で2時間以上かけて、被災現場に行かれたりというようなことがございました。こういったものをできる限り想定をし、備えていくことが必要ではないかなと思っております。
それから、何より最前線の現場で活躍いただく警察官の皆様方の服装、これについては、猛暑であったり厳冬であったり、いろんなシチュエーションが考えられます。ケガをしないということを最優先しながら、いろんな視点で、体力を消耗しないような対応が必要ではないかなと。現実、内閣府防災のユニフォームも非常に暑くて、夏は本当にこれで良いのかなと思っておりまして、まわりを見ますと、SPの皆様方もワンシーズンの、冬も夏も一緒の制服でございましたので、ぜひこれは、現場の皆様が活動しやすいように変えてほしいというようなお願いもしたところで、すぐ変わったところであります。やはり、現場最優先で、現場の声を大事にしながら、今後やっていく必要があると思っております。