国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 令和6年10月10日(木)11:21~11:25
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件につきましては、「G7内務・安全担当大臣会合の開催結果について」などがございました。以上でございます。
問 大臣に質問です。冒頭でありましたG7の内務・安全担当大臣会合ですが、先週、イタリアで行われたということで、昨年の12月に水戸市で同じ会合が開かれまして、このときからの進展と、今回話し合われた議論や今後の展開について教えてください。
答 (大臣)御指摘のG7の大臣会合には、私が出席できず、次長が代理出席をいたしております。
会合では、我が国が議長国を務めた、今御指摘のあった昨年の本会合で成果文書を取りまとめた「国境を越える組織的詐欺」、これが引き続き活発に議論されたほか、新たに「合成薬物」、それから、「人身売買」といったテーマが取り上げられ、今後の会合において議論が更に進展することが期待されております。
今般の会合での成果も踏まえ、G7を含む国際社会との間で治安分野における一層の連携強化を図るよう警察を指導してまいりたいと思います。
問 長官にお尋ねします。静岡県の一家4人殺害事件の関係ですが、袴田巌さんに対して、静岡地裁は再審無罪を言い渡したところです。検察当局は今回控訴を断念しまして、無罪が確定したところです。今回の再審判決では、証拠のねつ造、そういった捜査の問題というのが指摘されています。そういった点も踏まえまして、今回の無罪確定についての長官としての御所感をお願いします。
答 (長官)お尋ねの判決につきましては、刑事裁判の当事者である検察当局によりますと、5点の衣類が捜査機関のねつ造であると断定はされておりますが、何ら具体的な証拠や根拠が示されていないなど、その判決理由中に多くの問題を含む到底承服できないものであるとする一方で、袴田さんが、結果として長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことを考慮した結果、控訴しないこととし、上訴権を放棄する手続をしたものであると承知をしております。
これにより、今お話がございましたように、袴田さんに対する無罪判決が確定をいたしました。これを受け、昨日、静岡県警察本部長は「袴田さんが長きにわたって法的地位が不安定な状況に置かれてきたことについて申し訳なく思っている」旨をコメントしており、警察庁としても重く受け止めているところであります。
今後、最高検察庁において、本件の再審請求手続が長期間に及んだことなどについて所要の検証を行う予定であると承知をしており、静岡県警察においても、可能な範囲で改めて事実確認を行うと報告を受けております。警察庁としても今後の教訓とする事項があればしっかりこれを受け止めて、より一層緻密かつ適正な捜査に取り組んでまいりたいと考えております。