国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 令和6年11月28日(木)11:51~11:56
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件につきましては、「犯罪収益移転危険度調査書」の作成・公表についてなどがございました。私からは以上でございます。
問 大臣に犯罪被害者週間についてお伺いいたします。政府は、11月25日から12月1日までを犯罪被害者週間と設定し、期間中、イベントも開催すると承知しています。あらためまして、この犯罪被害者週間の意義と、イベントの開催趣旨についてお聞かせください。
答 (大臣)この犯罪被害者週間は、期間中の集中的な広報啓発活動を通じて、被害者やその御家族、御遺族に対する国民の理解を増進することを目的としております。この期間を中心に、全国各地で様々な広報啓発活動が行われております。
明日、開催する犯罪被害者週間中央イベントにおいては、御遺族による講演や有識者によるパネルディスカッション等が行われる予定となっておりますが、本イベントを通じて被害者の方々の置かれている状況でありますとか、支援の必要性につきまして、理解を深めていただくとともに、自分に何ができるかということを考える機会としていただきたいと思っております。
被害者の方々が平穏な生活を取り戻すためには、関係府省庁、地方公共団体、また、民間の支援団体等による切れ目のない支援に加え、国民の皆様が被害者の方々の気持ちを理解し、寄り添っていただくことが不可欠で大事だと思っております。
国民の皆様に、本週間をはじめとした被害者支援の取組に関心を寄せていただいて、社会全体で被害者の方々を支える気運が更に高まっていくということを期待したいと思います。
問 長官にお尋ねします。ただ今大臣からございました犯罪収益移転危険度調査書ですけど、今回SNS型投資・ロマンス詐欺で法人口座が悪用されている実態もあります。今回の調査書ではこうした件にも記載がありますけれども、その点どのように評価・分析されてきたのか。こうした状況を踏まえまして、犯罪収益移転の対策をどう進めていくか、お考えをお願いします。
答 (長官)今般の犯罪収益移転危険度調査書におきましては、今お話がございましたとおり、いわゆるペーパーカンパニーの法人口座が、犯罪収益の隠匿先でありますとか、犯罪収益を経由させるトンネル口座として悪用されている実態を一つの着眼点として、そのリスクの評価・分析を行っております。令和6年中には、いわゆる闇バイトのような手法等によって、ペーパーカンパニーの代表者となる者をSNS等で募集して、多数の法人の設立や法人口座の開設をさせて、そうした口座を利用してマネー・ローンダリングを行った匿名・流動型犯罪グループを検挙している例もございます。
こうした実体のない法人の口座を、あたかも実体があるかのように装って開設をすること自体犯罪であります。警察といたしましては、このような法人口座が犯罪に悪用されることのないように、口座の不正開設や不正譲渡の取締りを強化していくとともに、金融庁とも連携しながら各金融機関に対しまして、口座の開設時に、顧客である法人の実態を厳格に確認をしていただくということ、また、犯行に利用された口座については凍結措置を迅速に行っていただくこと、こうしたことを要請しております。預貯金口座の不正利用防止の徹底を図っていくことが必要であると考えます。
今後とも、こうした不正利用防止対策の取組みを関係省庁、あるいは関係機関と連携しながら推進していくとともに、いわゆる闇バイト対策をはじめとするトクリュウ対策を強化することによりまして、お話のございましたSNS型投資・ロマンス詐欺のみならず、法人口座を悪用するマネー・ローンダリング犯罪に的確に対処してまいる所存であります。