国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和6年12月5日(木)11:14~11:20

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。坂井委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件につきましては、「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議の結果について」などがございました。以上です。

 

問  長官にお伺いいたします。闇バイト強盗への加担防止を呼び掛けて以降、1か月以上が経過しました。昨日、石破総理の答弁で、先月までに保護件数が125件あったと明らかになりましたが、これについての受け止めと、分析結果等をお聞かせいただけますでしょうか。

答 (長官)今お話がございましたように、この約1か月半の間で、全国都道府県警察が保護措置をとりました件数は125件となっております。現在、日々増加をしている状況であります。
 これはSNSをはじめ様々な媒体で積極的に呼び掛けを行ってまいりました。その結果、警察に相談すれば、いわゆる闇バイトから抜け出せるということが周知されつつあるのではないかと思っております。
 これまでに保護措置をとりました方を年代別に申し上げますと、10代が全体の約3割、20代が約4割、30代、40代、50代以上がそれぞれ約1割ずつとなっております。やはり若年層が大部分を占めている状況でありますが、中高年層も一定数いるという状況であります。
 相談者の多くは、まずX等のSNSを通じて、高額、即日即金、ホワイト案件等の言葉に釣られて応募してしまい、シグナルやテレグラムに誘導され、そして、顔写真や住所等の個人情報を送信させられた上で、具体的な指示を受けている状況であります。その過程で、仕事内容が判然とせず不審に感じたり、脅かされて恐怖を覚えたりして、警察に相談をしていただいているというケースが大半であります。
 犯人から指示を受けた内容といたしましては、まず若年層の方に対しては、不審な荷物の運搬や物品の処分等、強盗等の実行行為の一部ともいえる行為であります。中高年層の方に対しては、銀行口座や携帯電話の提供等、犯行手段の提供に関わる行為が多い傾向にあると分析をしています。
 犯罪者に個人情報を知られたからといって、脅しには屈しないでください。警察は、しっかりと保護いたします。今後もこうした呼びかけを通じて、1人でも多くの方に、犯罪に加担することがないよう、引き返せるように、効果的な対策を講じてまいりたいと考えています。

問  長官にお尋ねします。先週の補正予算案が閣議決定されたところですけれども、警察庁は今回、闇バイト対策、それから、災害対策等を盛り込んでいるところです。今回の補正予算の重点、ねらい、関係の施策をどう進めていくか、お考えをお願いします。

答 (長官)令和6年度補正予算案には、国民の安全・安心を確保するために早急に進めるべき取組として総額約411億円を計上しております。そのうち3点の重点項目について申し上げたいと思います。
 1点目は、今お話がございましたように、いわゆる闇バイトによる強盗事件等への対策であります。匿名・流動型犯罪グループ等の実態解明・取締り強化に必要な装備資機材の整備等に必要な経費として約6億6千万円を計上しております。
 このほか、地方創生の交付金の活用といたしまして、防犯カメラの設置、いわゆる青パトの整備、防犯ボランティアの方々の活動拠点の整備等、地域防犯力の強化への支援等も盛り込んでおります。
 2点目は、サイバーセキュリティ対策であります。サイバー事案に係る情報を収集・分析する資機材等の整備に必要な経費として約88億8千万円を計上しております。
 3点目は、災害対策であります。空路輸送を想定した小型・軽量の電動のこぎり等の救助用資機材等の整備、救命胴衣、いわゆるライフジャケットの整備等に必要な経費として約177億9千万円を計上しております。
 今回の経済対策においては、治安対策が重要施策の1つとして取り上げられております。これは近年、例がありません。国会において補正予算が成立すれば、これを早急に活用して、目下の治安課題に的確に対応してまいりたいと考えております。