国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和6年12月12日(木)11:00~11:04

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。坂井委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、「日中韓警察局長級会議、日中警察協議及び日韓警察協議の開催結果について」などがございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会が、昨日、官邸への緊急提言を渡したところです。闇バイト対策が柱ですけれども、警察としての対策が求められているところですが、今回の提言を踏まえまして、警察としてどのように取組を進めていくか、お考えをお願いします。

答 (長官)今お話がございましたように、昨日、自民党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会から、官邸で直接、石破総理に緊急提言の申し入れが行われました。
 いわゆる闇バイトによる強盗等への対策につきましては、今年の6月、すでに犯罪対策閣僚会議において、総合的な対策が取りまとめられております。私ども警察では、この対策等に基づきまして、これまでに匿名・流動型犯罪グループ等に対する取締りや実態把握の強化、そして、SNSにおける闇バイト情報の削除や取締り、さらに、犯行に加担しようとする者への呼び掛けや犯行に手を染めずに引き返した者の適切な保護等の各種対策に取り組んでまいりました。
 今般、石破総理の御指示によりまして、関係省庁とともに、先ほど申し上げた総合対策の緊急フォローアップを行いまして、その強化・拡充についての検討を、今早急に進めているところであります。近く、犯罪対策閣僚会議において、その取りまとめが行われるものと聞いております。
 私ども警察といたしましては、引き続き、自民党からの緊急提言ですとか、あるいは、近く取りまとめが行われる犯罪対策閣僚会議の結果を踏まえて、いわゆる闇バイト対策を、取締りと犯罪抑止の両面から、さらに前進をさせていきたいと考えております。

問  長官にお伺いします。今の提言の中で、仮装身分捜査について盛り込まれたということで、警察庁の方でも検討を進めているという報道もありますけれども、もし導入する場合の今後の課題ですとか、今後の展望、今の検討状況等について教えてください。

答 (長官)X等のSNSを通じて、強盗等の犯罪実行者を募集することは、職業安定法違反等の犯罪行為であります。決してアルバイトの募集等ではありません。
 こうした犯罪の取締りや抑止を図る上では、捜査員がその身分を秘して募集に応じ、検挙につなげる雇われたふり作戦が効果的であり、実際に検挙例もございます。
 しかしながら、最近の実情を申し上げますと、闇バイト募集が応募者に本人確認のためと称して身分証明書の画像等を送信させるという手口が多いということがございます。したがいまして、雇われたふり作戦を実施するためには、捜査員が架空の身分証明書の画像等を送信する仮装身分捜査を行うことが必要となってまいります。
 先ほど申し上げたとおりでございますが、今後、犯罪対策閣僚会議において、その点も含めて取りまとめが行われるものと聞いております。そうした取りまとめの結果を踏まえつつ、仮装身分捜査についても、効果的な活用の在り方の検討を進めてまいる所存であります。