国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨
1 日時 令和7年3月6日(木)11:34~11:39
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。坂井委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、令和6年における生活経済事犯の検挙状況等についてなどがございました。以上です。
問 長官にお尋ねします。先ほどお話ございましたけれども、令和6年における生活経済事犯の検挙状況についての取りまとめがありました。今回の傾向や、これを受けて、警察としての対策・取組の長官のお考えをお願いいたします。
答 (長官)令和6年における生活経済事犯につきましては、検挙事件数、それから、検挙人員共に前年と比べて若干減少いたしましたが、主な特徴といたしましては、利殖勧誘事犯の相談受理件数、それから、検挙事件数が増加し、FX等の国際金融取引や暗号資産関連事業への投資運用を名目とした事犯を検挙したところであります。また、訪問販売等に関する相談受理件数が大幅に増加したほか、高齢者宅等を狙いまして、損傷箇所がないにもかかわらず家屋を故意に損傷させ、それを修理することで高額な施工料を要求する、住宅リフォーム事犯の検挙事件数が大幅に増加しており、その中には匿名・流動型犯罪グループが関与しているものも認められるといった点が挙げられると考えております。
こうした状況を踏まえまして、警察といたしましては、悪質業者による被害を防止するため、今回、警察庁が取りまとめました生活経済事犯の検挙状況にも記載しておりますが、具体的な検挙事例等により、勧誘の手口や被害の状況等について、国民の皆様に分かりやすく示すなど、より一層効果的な広報啓発活動を行うほか、匿名・流動型犯罪グループの関与を視野に入れ、部門の壁や都道府県の垣根を取り払い、組織の壊滅に向けて徹底した突き上げ捜査を行うなど、この種事案に対する被害防止と検挙の両面で取組を強化してまいりたいと考えております。
問 長官にお尋ねします。先週末からアドトラックを使って、「闇バイト」対策の首都圏での活動が始まったところです。この手のアドトラックを使った取組は初めてかと思いますが、今回の取組のねらい、期待される効果等についてお考えをお願いします。
答 (長官)御指摘のとおり、警察庁において、これまでにない初めての試みといたしまして、2月28日から、東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県内の繁華街等におきまして、アドトラックにより、いわゆる「闇バイト」に応じないよう呼びかける広報を実施しております。
警察では、これまでも若年者をいわゆる「闇バイト」による強盗等の犯行に加担させないため、広報啓発を強化してきたところでありますが、これまでの広報啓発手法ではアプローチが難しかった層が存在し、その対応が1つの課題となっていたと認識しておりまして、この度、そういったことも踏まえまして、新たな手法により、直接メッセージを伝えることとしたというものであります。
その上で、警察といたしましては、いわゆる「闇バイト」は、アルバイトではなく、紛れもない犯罪行為であり、特に、海外に渡航するケースでは、自身に命の危険もあること、今、犯罪に加担しようとしている方は、自身や家族が脅迫されていても、犯罪に加担する前に勇気を持って踏みとどまり、すぐに警察に相談をしていただきたいこと、相談があれば、警察はしっかりと保護するので、安心していただきたいこと、この3点につきまして、繰り返し広報啓発をする必要があると考えております。
引き続き、このアドトラックによる広報啓発を行うとともに、その効果もみながら、今後とも前例にとらわれることなく、若年者の心に届く方法を工夫しつつ、注意喚起をしっかりとやっていきたいと考えております。