国家公安委員会委員長記者会見要旨(関連部分のみ)
1 日時 令和7年5月8日(木)11:40~11:45
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件につきましては、重要経済安保情報に係る業務の適正の確保及び国家公安委員会における保護に関する規則等についてなどがございました。以上でございます。
問 大臣にお尋ねします。ただ今ございました、重要経済安保情報の保護に関する国家公安委員会規則等が定められて、法律の施行、運用が始まるところですけれども、改めまして、警察活動における重要経済安保情報の扱い、保護について、意義も含めまして、お考えをお願いします。
答 (大臣)重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律が5月16日に施行されます。
本日の国家公安委員会では、この法律の施行に向け、警察における重要経済安保情報の保護措置の実施状況について、国家公安委員会や都道府県公安委員会への報告を義務付けることなどを内容とする国家公安委員会規則を制定しました。
我が国の国民生活や経済活動にとって重要なインフラや重要物質のサプライチェーンの保護は、経済安全保障の一翼を担う警察としても極めて重要であると認識しており、警察においても、重要経済安保情報の保護等に適切に取り組んでいく必要がございます。
今後、制定した規則をはじめ、関係法令を適正に運用するとともに、引き続き、技術情報等の流出防止をはじめ、経済安全保障の確保に資する取組を積極的に推進するよう、警察を指導してまいりたいと思います。
問 長官にお伺いいたします。川崎市でストーカー被害を周囲に訴えていた女性が行方不明になり、その後遺体が見つかり、元交際相手が逮捕された事件についてお伺いいたします。
この事件では、女性は行方不明になる前に警察に元交際相手とのトラブルを相談していましたが、ストーカー規制法に基づく警告や禁止命令等の措置は取られなかったことが分かっています。危険性の認識を含め、判断や対応が適切であったとお考えでしょうか。
また、行方不明になった後の事件性の判断と捜査については、適切であったとお考えでしょうか。
この件に関しては神奈川県警において、当時の対応状況について、今後の捜査で解明し、改善するべき点があったか確認を進めると承知していますが、現時点での警察庁長官としての御見解をお願いいたします。
答 (長官)お尋ねの事件につきましては、5月3日、神奈川県警察におきまして、被疑者を死体遺棄で逮捕し、現在、事件の全容解明に向け鋭意捜査を進めているものと承知しております。
神奈川県警察からは、御遺体で発見された女性と断続的に交際を行っていた被疑者について、昨年6月以降、女性やその家族からの相談を受け、その都度対応を行ってまいりましたが、一連の対応にも関わらず、結果としてこのような重大な事案となったことを重く受け止めており、今後の捜査を通じて、改善すべき点がなかったか確認していく旨の報告を受けております。
その上で申し上げますが、人身安全関連事案につきましては、認知した段階では危害が加えられる危険性や切迫性を正確に把握することが困難である一方、事態が急展開して重大事件に発展するおそれが極めて高いことから、相談者やその関係者の心情に寄り添いつつ対応を行い、被害者等の安全の確保を最優先に対処することが肝要であると認識しておりまして、このような考え方を踏まえた対処を行うように、警察庁から都道府県警察にも通達を発出しているところであります。
そのような観点から、神奈川県警察に対しまして、事案の全容解明に向けて捜査を尽くすことはもとより、御指摘のような点も含めまして、一連の対応状況を調査し、警察庁の通達の趣旨に沿った対応がなされていたか、しっかりと確認するように指導してまいりたいと考えております。