国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和7年5月29日(木)11:19~11:23

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は坂井委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、六代目山口組、稲川会、住吉会、五代目工藤會及び旭琉會の指定の確認についてなどがございました。以上です。

 

問  長官にお尋ねします。今月26日に、詐欺被害対策を進めるための、警察庁と金融庁との局長級会合が開かれたとお聞きしています。意見交換の結果を踏まえまして、「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」に盛り込まれた事項をどのように進展させていくのか、長官のお考えをお聞かせください。

答 (長官)令和6年における特殊詐欺の被害額が過去最悪となり、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害額が前年の約3倍となったことなどによりまして、刑法の財産犯の被害総額は、刑法犯認知件数が過去最悪を記録した平成14年の被害額を超えるものとなっており、正に今が、詐欺被害の拡大を止める正念場であると考えております。
 このような被害拡大の背景の一つには、犯罪グループが、国民生活の利便性を向上させるために提供されている金融サービスを悪用している実態がみられることから、これに的確に対応して、詐欺被害を抑止するためには、警察庁と金融庁が緊密に連携し、実効性ある対策を進めていくことが重要と認識しております。
 そのような観点から、警察庁はこれまでも金融庁と実務者レベルの会合を重ね、各種施策を実施してきたところでございますが、このような取組を更に加速化させるために、今般、局長級会合に格上げをして実施したところであります。
 この会合では、先般、犯罪対策閣僚会議において決定されました「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」において、対策を強化することとされた事項について議論を行ったところであります。特に金融機関間における不正利用口座情報の共有と口座の早期凍結に向けた枠組の創設、架空名義口座捜査等の新たな捜査手法の導入等につきまして、更に連携して対策を進めていくことで意見が一致したところであります。
 警察庁といたしましては、今後とも、金融庁と緊密に連携し、極めて深刻な状況にある詐欺被害を抑え込むため、各種対策を加速化させていきたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。大川原化工機に対する捜査をめぐる民事訴訟ですが、昨日東京高裁が警視庁公安部等の捜査を違法として、東京都等に賠償を命じました。捜査の問題点を厳しく指摘している判決ですけれども、今回の判決に対する長官としての受けとめ、判決を踏まえまして、警察としてどう対応していくか、お考えをお願いします。

答 (長官)お尋ねの件につきましては、警視庁による捜査につきまして、厳しい内容の判決が言い渡されたものと私としても認識しているところであります。
 今後につきましては、現在警視庁におきまして、判決内容を精査した上で対応を検討していくということでありますが、その上で申し上げますと、警視庁におきましては、本件に関しまして、結果として公訴が取消となったことを真摯に受け止め、本件控訴後に公安部内に捜査指導官を置くなどして、緻密かつ適正な捜査について指導を強化していると承知しております。
 警察庁といたしましても、この緻密かつ適正な捜査が重要であるということは同様の認識でありまして、都道府県警察に対しまして、その点についての指導を強化しているところであります。引き続き、徹底してまいりたいと考えております。