国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和7年6月12日(木)11:14~11:20

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。坂井委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、天皇皇后両陛下の広島県行幸啓に伴う警衛についてなどがございました。以上です。

 

問  長官にお尋ねします。オンラインカジノ対策として警察が行う広報啓発活動について、警察庁が各民間企業への協力を求めるなど取組の幅を広げていらっしゃいますけれども、現在の取組状況と期待される効果について、お伺いできますでしょうか。

答 (長官)このオンラインカジノにつきましては、海外において適法に運営されているものであっても、日本国内からこれに接続して賭博を行うことは犯罪でありますが、警察庁が行った調査研究の結果では、国内において、オンラインカジノのサイトにアクセスした経験のある方のうち、約75%が実際にお金を賭けており、お金を賭けた経験のある方のうち、約4割が違法性の認識がないということが明らかになっております。そういったことを踏まえまして、警察庁としましては、オンラインカジノの違法性について、警察のみならず、社会全体で周知を図っていくことが極めて重要であると考えております。
 そこで、これまで警察庁では、警察独自の取組として、SNSの関連投稿に対する警察庁からのリプライによる注意喚起や、関心層へのターゲット広告を実施することに加えまして、広く関係機関や事業者の皆様方に協力を呼びかけてきたところでありますが、その結果、例えば、プラットフォーマーにおきまして、ネット上でオンラインカジノの関連ワードが検索された際に、それが違法である旨の注意喚起を表示するなどの取組を行っていただいているところであります。
 さらに最近では、例えば、プロ野球球場の大型モニターや、アイドルグループのコンサート会場で、違法性周知のための警察庁の広報動画の放映が始まったほか、今後、映画館の劇場ロビーでの広報動画の放映や、宅配フードへの違法性周知のための警察庁のチラシの同封など、各種広報キャンペーンの準備が進められております。警察庁としましては、このような取組の輪が広がっていることを、大変心強く感じているところであり、御協力いただいている事業者の皆様に心から感謝を申し上げたいと考えております。
 その上で、警察庁としましては、このような取組を積み重ねて社会全体に拡げていくことにより、オンラインカジノの違法性について国民の皆様の理解が深まるものと考えておりまして、引き続き、社会全体でこうした広報啓発活動が推進されるよう、関係機関や事業者の皆様に対して、広く協力を呼びかけてまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。大川原化工機の冤罪事件をめぐる民事訴訟ですけれども、違法捜査を認定した高裁判決について、警視庁は昨日上告を断念しました。謝罪、捜査検証も進めていくということも表明されています。今後その動きが進むのでしょうけれども、このことについての長官の受けとめ、それから、公安警察、外事警察の適正な捜査というのが求められているわけですけれども、こうした点について、長官も含め、確保に向けて、どう指揮・指導していくか、その点も含めましてお考えをお願いします。

答 (長官)御指摘の件につきましては、昨日、本件訴訟の当事者である警視庁が本判決に対して上告等を行わないこと、本判決を重く受けとめるとともに、本件訴訟の原告をはじめとする当事者の皆様に多大な御心労、御負担をおかけしたことについて深くお詫びすること、それから、副総監を長とする検証チームを設置したことを内容とするコメントを発表したものと承知をいたしております。
 本事件における警視庁公安部の捜査によりまして、原告の方々をはじめとする当事者の方に多大なる御心労、御負担をおかけし、警察に対する国民の信頼を損ねたことは極めて遺憾でありまして、警察庁としても、本件を重く受け止めております。
 警察の活動は国民の信頼の上に成り立っており、警察庁としては、今後、警察の公安部門の捜査において、二度とこのようなことのないようにする必要があると考えております。そのような観点から、警察庁では、昨日、各都道府県警察に対し、緻密かつ適正な捜査の必要性について、個々の捜査員のみならず、捜査指揮に当たる幹部に対しても、改めて徹底するように通達を発出して指示したところであります。さらに今後、警視庁における検証がしっかりと行われるよう、警察庁として必要な監督を行うとともに、警視庁における検証も踏まえながら、警察庁としても、この種事案の捜査上の留意点や再発防止策を取りまとめ、緻密かつ適正な捜査について、都道府県警察に対する指導を強化・徹底してまいりたいと考えております。