国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和7年6月19日(木)11:45~11:52

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、ギャンブル等依存症対策基本法の一部を改正する法律案の概要等についてなどがございました。以上でございます。

 

問  大臣にお尋ねいたします。ギャンブル依存症対策基本法の改正法が成立しました。今後オンラインカジノ対策について、どのように警察を指導していくのかお聞かせください。

答 (大臣)御指摘のように、昨日、ギャンブル等依存症対策基本法の改正法が成立をいたしました。これにより、オンラインカジノサイトを開設・運営する行為や、オンラインカジノサイトに誘導するための広告や書き込み等が違法化されます。
 警察庁では、従前から、サイト管理者等に対して違法情報の削除依頼を行うインターネット・ホットライン事業を民間委託しておりますが、今般の法改正は、本年9月下旬に施行される見込みであることから、法施行に向けた諸準備を加速化し、オンラインカジノサイトに誘導する情報等の削除を強力に進めるようにするなど、警察庁を指導してまいりたいと思います。
 また、本改正法では、国及び地方公共団体が、オンラインカジノを利用したギャンブルの違法性周知のための措置を講じることが明確化されました。
 警察庁では、従来から警察独自で行っている、SNSの関連投稿へのリプライによる注意喚起や、関心層へのターゲット広告に加え、民間企業や団体の協力を得た広報キャンペーンを実施しており、例えば、映画館の劇場ロビー等で、違法性周知のための警察庁の広報動画を放映していただいたり、宅配フードに違法性周知のための警察庁のチラシを同封していただいたりしているところでございます。このチラシになります。
 警察庁の広報活動の趣旨に御賛同いただき、御協力をいただいた企業・団体の皆様に対して、この場をお借りして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 本改正法の下、さらに違法性周知のための取組の幅を拡げることとしており、例えば、外務省と連携し、海外のオンラインカジノ運営事業者にライセンスを付与している外国政府等に対し、日本からのアクセスを禁止する措置を講じること、日本語によるサービス対応を行わないことなどの働きかけを、一層強化することとしております。
 今後、全国警察において、オンラインカジノの運営に関与する者等への厳正な取締りを行うことはもとより、本改正法を踏まえ、違法性の周知活動を多角的に展開し、それが社会全体に更に広がっていくよう、しっかりと警察を指導してまいりたいと思います。

問  次長にお尋ねします。金属盗対策法がこのほど成立したところです。盗難金属の流通を防ぐことを目的とした法律ですけれども、施行に向けてどう準備をし、新しい法律をどう活用していくか、お考えをお願いします。

答 (次長)先週13日、盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律、いわゆる「金属盗対策新法」が成立しました。
 昨今、金属価格の高騰等を背景に、太陽光発電施設からの金属ケーブル窃盗をはじめとする金属盗が増加しており、ここ5年間で認知件数は約4倍、被害額は6倍以上にまで急増しています。
 加えて、この種の事案は盗難自体の被害に止まらず、太陽光発電施設であれば電力供給ができないことによる経済的損失も生じ、国民経済に大きな影響が及ぶことから、対策は急務です。
 さらに、こうした金属盗の多くは、不法滞在外国人グループらによって広域的・組織的に敢行され、末端のメンバーを入れ替えながら犯行を繰り返すなど、匿名・流動型犯罪グループとしての特徴を有しており、また、一部の悪質な買取り業者の存在がこれを助長するなど、治安上の大きな課題になっています。
 新法は、この課題に対処すべく、窃盗犯による盗品の換金を防ぐための金属くず買受業者による顧客の本人確認等の措置、犯行の準備段階でこれを抑止するための犯行用具規制、事業者が効果的な防犯対策を講じるための盗難防止情報の周知、この三本柱によって金属盗を抜本的に防止することとしております。
 このうち、犯行用具規制と盗難防止情報の周知につきましては、9月までに施行予定でありまして、規制対象となるケーブルカッターやボルトクリッパーの具体的仕様について、工具販売店等の協力も得るなどして丁寧に周知をしてまいります。
 また、1年以内の施行が予定されている金属くず買受業者による措置につきましても、業界への周知をしっかりと行ってまいります。
 今後、警察といたしましては、この新法を効果的に活用することによって、金属盗の抑止及び検挙にこれまで以上の成果を挙げ、国民の期待に応えてまいりたいと存じます。