国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨
1 日時 令和7年6月26日(木)11:35~11:38
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会の会議の状況について申し上げます。坂井委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律第二条第五号に規定する指定金属切断工具を定める政令案」に対する意見の募集についてなどがございました。以上です。
問 長官にお尋ねします。ただ今ございました金属盗対策法の関係ですけれども、施行に向けて、関係政令、古物営業法の施行規則の改正案もまとまりまして、明日からパブコメが行われるとのことです。今回の改正の概要、ねらい、意義について、お考えをお願いします。
答 (長官)先般の通常国会で成立いたしました、いわゆる金属盗対策新法では、金属盗の犯行に使用されるおそれが大きいものとして政令で定める金属切断工具につきましては、正当な理由がなく、隠匿して携帯してはならないという規定が設けられているところでございます。今回、意見募集を行うこととしている政令案では、この規制の対象となる金属切断工具を定めることとしておりまして、9月1日の施行を目指しているところでございます。
具体的には、金属盗の犯行実態等を踏まえた上で、ケーブルカッターのうち、長さが45センチメートル以上のものや電動・油圧式といった特殊なもの、それから、ボルトクリッパーのうち、長さ75センチメートル以上のものや電動・油圧式といった特殊なものを定めることとしております。
また、これと併せまして、近年窃盗被害が急増しております金属製物品への対策といたしまして、古物営業法施行規則の改正案につきましても意見募集をすることといたしておりまして、こちらのほうにつきましては、関係業者の皆様への周知期間等を含めまして、10月1日の施行を目指しているところでございます。
具体的な改正案の内容でございますが、電線、それから、グレーチングと呼ばれる排水溝等に用いられる金属製の蓋、それから、エアコン等の室外機の3品目につきまして、これらが金属くずではなく古物として取引される場合であっても、売主に対して漏れなく本人確認がなされるよう、取引金額の総額の多寡に関わらず、古物営業者に本人確認義務を設けることとしております。
こうした金属盗の多くは、不法滞在外国人グループらによって広域的・組織的に敢行され、末端のメンバーを入れ替えながら犯行を繰り返すなど、匿名・流動型犯罪グループとしての特徴を有しており、治安上の大きな課題となっております。そういった意味で、これらの規定が整備されましたあかつきには、金属盗の犯行準備段階でこれを抑止することが可能になるほか、窃盗犯による盗品の換金をより一層防ぐことが可能となると考えております。
警察といたしましては、金属盗対策新法をはじめとする関係法令を効果的に活用することによって、金属盗の抑止及び検挙にこれまで以上の成果を挙げ、国民の皆様の期待に応えてまいりたいと考えております。