国家公安委員会委員長記者会見要旨(関連部分のみ)

1 日時 令和7年7月29日(火)9:50~9:57

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要  本日の閣議において、令和7年警察白書を配布いたしました。
 本年の白書では、「SNSを取り巻く犯罪と警察の取組」と題した特集を組み、SNSを取り巻く犯罪の情勢や、SNSを悪用した犯罪実行者募集の実態等を分析するとともに、情報解析技術の活用をはじめとする警察の取組や今後の展望について紹介しています。
 今後も、社会情勢等に応じて大きく変化する犯罪情勢を的確に捉えた上で、犯罪対策を強力に推進し、国民の期待と信頼に応えてまいりたいと考えています。

 

問   2問お伺いいたします。まずは、冒頭御発言がありました今年の警察白書についてお伺いいたします。今年の警察白書ではSNSを取り巻く犯罪と警察の取り組みについて特集されていますが、改めて犯罪情勢の現状について、大臣の受け止めをお願いいたします。また、あわせて今後どのようにしてその犯罪に対抗していくべきか、大臣のお考えをお願いいたします。

答  昨年の財産犯の被害額が約4,000億円に上り、刑法犯認知件数が戦後最悪だった平成14年を上回るという極めて憂慮すべき状況にあると認識をしております。
 特に、近年、我が国の治安上の課題となっている匿名・流動型犯罪グループが深く関与しているSNS型投資・ロマンス詐欺や特殊詐欺の被害の増加は顕著であり、国民の皆様の体感治安悪化の要因と認識をしております。
 このような犯罪の手口に着目いたしますと、SNSが詐欺等の被害者に接近する手段として、また、ある意味、使い捨ての末端の犯罪実行者を募集する手段として、このSNSが悪用されるケースがみられ、対策が急務となっております。
 こうした状況に対して、通信、金融サービスを提供する関係事業者等と連携をすること、匿名・流動型犯罪グループの首謀者等の検挙を推進するため、仮装身分捜査を適正かつ効果的に活用するとともに、架空名義口座を利用した新たな捜査手法等を検討すること、スマートフォンの解析や、サイバー特別捜査部による犯罪関連の暗号資産の追跡といった高度な科学技術を用いた捜査支援を推進すること、これらを政府を挙げて一層強力な対策を講じていくよう警察を指導してまいりたいと思っております。

問   続いて、22年前に滋賀県東近江市の湖東記念病院で患者が死亡したことをめぐる再審の裁判で、無罪になった元看護助手の西山美香さんが、国と県を訴えた裁判で、大津地方裁判所は、今月17日、警察の捜査の違法性を認め県に賠償を命じる判決を言い渡しました。これについて大臣の受け止めをお願いいたします。

答  お尋ねの件につきましては、先日25日、本件訴訟の当事者でございます滋賀県警察の本部長が、本判決内容を重く受け止め、原告の方の御心労や御負担にも思いを致し、控訴を行わない旨のコメントを発表したものと承知をいたしております。
 警察捜査は国民の信頼の上に成り立つものであり、警察庁を指導する立場にある私としても、判決を重く受け止めております。
 引き続き、緻密かつ適正な捜査について取組を強化していくよう警察庁を指導してまいりたいと思います。