国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 令和7年10月16日(木)10:46~10:52
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件につきましては、犯罪被害者月間における取組についてなどがございました。以上です。
問 大臣にお尋ねします。今年は犯罪被害者週間を月間に広げ、11月に実施されるということですけれども、今回のねらい、そして、特色について教えてください。
答 (大臣)平成16年12月1日に犯罪被害者等基本法が成立いたしました。これを踏まえて、犯罪被害者等に対する国民の理解の増進を図るため、今までは、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」として、集中的な広報啓発活動に取り組んできましたが、本年からはこれを拡充して、御指摘のように11月1日から12月1日までを「犯罪被害者月間」として、国民の皆様が犯罪被害者等に対する支援について知る機会を増やし、社会全体で犯罪被害者等を支える一層の気運醸成を図ることとしたところでございます。
そして、今年は、俳優の松永有紗さんを起用し、ポスターを全国各地に掲示するほか、11月1日からYouTube警察庁公式チャンネル及びSNS広告で動画を配信することとしております。多くの皆様に御覧いただきたいと考えているところでございます。
また、今年の標語は、福岡県の高校生の作品でございますが、ポスターにも書かせていただいておりますけれども、「わたしにも できる支援が ここにある」というものであります。
この標語は、国民の皆様が、目にし、耳にしたときに、犯罪に遭われた方々に対して自分に何ができるのかを考える機会を与えてくれる、そのような標語であると考えております。
標語を通じ、国民お一人お一人が犯罪被害者等への理解を深めていただきたいと思っています。
そして、以前にも記者会見の場でこの「ギュっとちゃん」を紹介いたしましたが、今年は犯罪被害者等シンボルマークの「ギュっとちゃん」を活用した広報啓発に力を入れたいと思っております。
長官も私もこのピンバッジをつけておりますが、これは広報啓発用に新たに作成したものであります。
この、言葉にせずとも共感できる「ギュっとちゃん」の力も活用しながら、11月からの月間の活動を通して、国民ひとりひとりが犯罪被害者等の置かれた状況や、それから、心情を理解し、手を差しのべていく社会の実現を目指してまいりたいと思っております。
問 長官にお尋ねします。大阪・関西万博が先日閉幕しました。万博警備も終わったところです。半年という長期にわたる警備ですが、今回の警備を振り返りまして、所感、それから、課題、教訓等見えたものがあれば、それも含めましてお考えをお願いします。
答 (長官)大阪・関西万博は、国内外から注目される国際イベントであり、ウクライナ情勢や中東情勢等が日々刻々と変化するなど厳しい国際情勢の下、半年という長期間にわたり開催され、国内外の要人を含め、開催期間中に2,500万人を超える多くの方々の御来場がございましたが、大阪府警察と全国警察が一丸となって警備諸対策に取り組んだ結果、大きな事件・事故の発生もなく終了したところであります。来場者の安全と万博の円滑な運営を確保するという、万博開催国の警察としての責務を無事果たすことができたのではないかと考えております。
これは、主催者である国際博覧会協会をはじめとする関係機関との緊密な連携、万博開催に伴う警備措置や交通規制に対する、大阪府民の皆様をはじめ国民の皆様の御理解と御協力なくしては実現できなかったものであると考えておりまして、改めて、関係したすべての皆様に心から感謝申し上げたいと思います。
今回の万博警備を通じた教訓や気づきといたしましては、例えばでございますが、大阪メトロの運転見合わせにより多くの来場者が帰宅困難となった際に、会場警察隊と調整した博覧会協会の判断により、緊急措置として、営業時間外にパビリオンを開放して、帰宅困難者の待機場所を確保したといった事案がございましたが、このような事案を通じて、不測の事態においても、警察と主催者が迅速かつ的確に連携できる関係をあらかじめ構築しておくことの重要性を改めて認識したといったことが挙げられると考えております。
警察といたしましては、万博の警備諸対策におけるこのような教訓・気づきについて、今後さらにとりまとめて整理することといたしておりまして、将来の大規模イベントにおける警備諸対策にも、今回の万博警備の経験をしっかり生かしてまいりたいと考えております。