国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 令和7年11月27日(木)11:21~11:29
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、「犯罪収益移転危険度調査書」の作成・公表についてなどがございました。以上です。
問 大臣にお尋ねします。今年の「犯罪収益移転危険度調査書」がとりまとめられました。今回の調査書の特徴と、それを踏まえた今後のマネー・ローンダリング対策について、大臣のお考えをお聞かせください。
答 (大臣)今回の調査書の特徴と対策について、お尋ねの「犯罪収益移転危険度調査書」は、国家公安委員会が、事業者が行う取引の種別ごとに、マネー・ローンダリングの危険度等を分析し、毎年、その結果を公表しているものであります。
本年の調査書では、最近のマネー・ローンダリングの特徴として、まず、オンラインカジノの決済において、複数の口座を経由し、最終的に外国にある口座に移転される仕組みを利用する手口、次に、不正に入手したインターネット・バンキングのログインパスワードを利用し、他人になりすまして他人名義の口座に送金する手口、さらには、ペーパーカンパニー等、実体のない法人名義口座を悪用する手口、また、正規の貿易取引を装って自動車等を輸出し、現地で換金して実質的に外国へ送金する手口等がみられていることから、それらに関する記載を充実させたものと承知しております。
事業者の皆様におかれては、本調査書の分析結果を、マネー・ローンダリング対策に是非活用いただきたいと思っております。
また、警察庁では、このようなマネー・ローンダリングの実態や、特殊詐欺等をめぐる現下の厳しい情勢等を踏まえ、本年9月から有識者懇談会を開催し、預貯金口座等の不正な譲渡等についての罰則の引上げを含めた法令の見直し、SNS等で勧誘を受けるなどし、他人に依頼されて送金を行う行為への対応、さらに、架空名義口座を利用した新たな手法による対策等について、御議論いただいているものと承知しております。
今後でございますけれども、有識者懇談会の議論を踏まえつつ、次期通常国会への犯罪収益移転防止法案の提出も視野に入れ、必要な検討を進めるとともに、関係省庁や関係団体、事業者等と連携しながら、引き続き、実効あるマネー・ローンダリング対策を推進するよう、警察を指導してまいりたいと思います。
問 長官にお尋ねします。佐賀県警科捜研におけるDNA型鑑定をめぐる不適切な取扱いについて、警察庁の特別監査が入っているところですけれども、このほど、中間報告が公表されました。この問題、そして、特別監察に対する現時点の長官の受け止め、それから、特別監察を今後どのように進めていくかについてのお考えも含めましてお願いします。
答 (長官)佐賀県警察科学捜査研究所の職員が、DNA型鑑定作業におきまして、不適切な取扱いを行った事案につきましては、DNA型鑑定に対する国民の信頼を損なうものであり、警察庁としても重く受け止めております。
そこで、警察庁では、国家公安委員会の指導の下、本年10月8日から、佐賀県警察に対し、DNA型鑑定の実施体制とその実施状況、不適切事案の原因分析とそれを踏まえた再発防止策の2点について特別監察を実施しているところであり、これまでに、その実施手順を策定し、必要な確認作業を行っているところであります。
まず、監察項目の1つ目である「DNA型鑑定の実施体制とその実施状況」につきましては、不適切な取扱いを行った職員が単独で実施したすべての鑑定に関して、2つのチームを設けまして、「捜査・公判への影響の有無」と「鑑定の実施状況」を確認することといたしております。この「捜査・公判への影響の有無」の確認につきましては、送致書類・捜査報告書等を精査することにより行い、「鑑定の実施状況」の確認につきましては、科学警察研究所のDNA型鑑定の専門家を中心に、外部有識者から御意見を聴取し、その内容を反映して作成する手順に従って実施することといたしておりまして、また、確認の結果につきましても、外部有識者の御意見を聴取することといたしております。
また、これらの確認につきましては、まずは、佐賀県警察が不適切と判断したDNA型鑑定130件について確認を行った上で、それ以外の513件の鑑定についても確認を順次行うことといたしております。
次に、監察項目の2つ目である「不適切事案の原因分析とそれを踏まえた再発防止策」については、ただ今申し上げました確認作業を通じ、不適切な取扱いの原因を分析し、再発防止策の検討を行うことといたしております。
その上で、これまでの作業の進捗状況についてでありますが、佐賀県警察が不適切と判断したDNA型鑑定130件に関し、まず、「捜査・公判への影響」についてでありますが、「本来、犯人でない方を検挙した」といった事例は認められず、また、一部確認中のものを除き、公判への影響も認められなかったところでございます。
他方、「鑑定の実施状況」の確認につきましては、事前の準備作業や確認すべき事項が多く、作業には時間を要しているところでございまして、不適切な取扱いを行った職員が単独で実施したすべての鑑定について、これらの確認作業を終えるには、一定の時間を要するものと考えております。
しかしながら、本件事案は警察におけるDNA型鑑定に対する信頼を損なうものであり、その信頼を回復するためには、できる限り早期に特別監察を終え、その結果を公表する必要があると認識いたしております。
今後は、「鑑定の実施状況」の確認作業を加速化させるとともに、確認作業の結果を踏まえながら、不適切な取扱いの原因分析と再発防止策の検討をした上で、佐賀県警察に対する指導監督を行うほか、他の都道府県警察の科学捜査研究所に対しましても、特別監察の結果も踏まえながら、順次監察を実施するなどして、今回のような事案を二度と発生することのないよう、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。
また、この特別監察の実施期間中におきましても、先般、警察庁から通達を発出して指示した鑑定における不正を防止するための対策の全国の取組状況を点検し、必要な指導を行うことによりまして、業務の適正確保を図ってまいりたいと考えております。