国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨
1 日時 令和8年3月12日(木)11:04~11:11
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。あかま委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件につきましては、令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等についてなどがございました。以上です。
問 長官にお伺いいたします。ただ今ございました、令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢がとりまとめられました。昨年は民間企業に対するサイバー攻撃等も相次いだところかと思いますが、今回の情勢の特徴と、それを踏まえた今後の取組についてお聞かせください。
答 (長官)令和7年中のサイバー空間をめぐる脅威情勢の主な特徴といたしましては、まず、中国・北朝鮮等の国家の関与が疑われる攻撃グループによるサイバー攻撃事案が発生するとともに、サーバー等のぜい弱性を探索する不審なアクセス件数が過去最多を記録したこと、生成AIを悪用し、フィッシングサイトや不正プログラムを作成するなどしたサイバー犯罪が発生したこと、ランサムウェアによる被害が226件で、依然として高水準で推移し、長期にわたり企業活動が阻害され、国民生活に影響を与えた事案が複数発生したこと、フィッシングの報告件数が約245万4,300件と過去最多を記録し、これを背景にネットバンキングに係る不正送金事犯の被害額が過去最悪の約103億9,700万円となったこと、匿名・流動型犯罪グループによる特殊詐欺等において、暗号資産の匿名性を悪用したマネー・ローンダリング事案が多数みられたことなどが挙げられ、サイバー空間が多方面で悪用されており、引き続き、極めて深刻な状況にあると認識いたしております。
このような厳しい情勢に対処するため、警察といたしましては、サイバー空間における公共の安全と秩序を維持するため、国家安全保障の観点も踏まえつつ、関係省庁や民間事業者、外国治安機関等とも緊密に連携しながら、警察の総合力を発揮して、サイバー事案の検挙、サイバー事案による被害の未然防止や拡大防止に取り組む必要があると認識いたしております。
このような観点から、警察といたしましては、サイバー攻撃事案に的確に対処するため、内閣官房及び防衛省・自衛隊と緊密に連携し、本年10月に施行予定であるアクセス・無害化措置の実施に向けた準備の推進と効果的な運用の実施、AI等の新たな技術により一層巧妙化するサイバー犯罪について、高い技術力を駆使してその匿名性を打破するとともに、匿名・流動型犯罪グループによる犯罪に対する一層の摘発の強化、国際共同捜査を通じたランサムウェアグループの検挙や被害回復に資する復号ツールの開発、JC3やサイバー防犯ボランティア等との連携を通じた情報発信等、官民連携による被害の未然防止・拡大防止、加えまして、更なる人材の確保・育成や資機材の整備・高度化による体制の強化等の取組を一層強力に推進する必要があると考えております。
これらの取組を引き続き着実に実施することにより、サイバー対処能力の一層の向上とサイバー空間の脅威への的確な対応に努めてまいりたいと考えております。
問 長官にお尋ねします。昨日で東日本大震災の発災から15年を迎えました。この間、警察は災害対処能力、装備資機材、体制の強化に取り組んできたところですけれども、このタイミングで改めまして長官の受け止め、それから、警察としての大規模災害の対処をどのように進めていくか、お考えをお願いします。
答 (長官)東日本大震災の発災から15年を迎えましたが、今なお、多くの方が避難生活を送られているものと承知いたしております。
改めまして、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
また、いまだ2,500人以上の方が行方不明となっており、警察では、被災者の皆様方のお気持ちに寄り添いながら、行方不明者発見のための取組を継続しており、直近では、令和5年に宮城県内で発見された御遺体について、昨年9月に身元を特定し、御遺族へ引き渡したところでございます。
東日本大震災は、原子力災害を含めた未曾有の大災害であり、全国警察を挙げた対処を要したものでありますが、このような大規模災害に当たっては、被災者の救出活動等の発災直後の即応的な視点と、被災地の治安の確保等長期的な視点の両面での対処に万全を期すことが重要であると認識いたしております。
このような観点から、警察では、東日本大震災以降、大規模災害発生時に直ちに被災地へ派遣する即応部隊と、発生から一定期間経過後に派遣する一般部隊からなる警察災害派遣隊を編制するなど、広域的な部隊運用の拡充を図るとともに、この15年間に発生した数々のその他の災害への対応も踏まえまして、装備資機材の充実や救出救助能力の強化といった対処能力の向上に取り組んできたところであります。また、併せまして、被災者の皆様に寄り添いつつ被災地の安全・安心を確保するため、被災地域におけるパトロール活動や防犯カメラの設置、女性警察官を中心とした部隊での避難所における防犯指導・相談対応等の取組も強化してきたところであります。
今後は、激甚化・頻発化する気象災害のほか、発生が懸念される南海トラフ地震や首都直下地震といった大規模地震等への的確な対処も必要となるところ、引き続き、大規模災害における警察活動の高度化を推進し、国民の皆様の安全・安心を確保するための取組を進めてまいりたいと考えております。