国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和8年6月4日(木)10:49~10:58

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。あかま委員長欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、佐賀県警察に対する特別監察の実施結果についてなどがございました。以上です。

 

問  長官にお尋ねします。ただ今もございましたけれども、佐賀県警科捜研におけるDNA型鑑定の不正ですけれども、このほど特別監察が終了しました。本日実施結果が公表されたところです。警察の科学鑑定全体に対する信頼にも関わるような問題だと思いますけれども、この問題については警察内部による調査ではなくて、第三者による調査を求める声も弁護士会等から上がっていた中での対応ですけれども、実施結果もまとまりまして、今回の問題に対して、改めてどのように受けとめていらっしゃるか。再発防止策が求められますが、全国における再発防止にどう取り組んでいくかも含めまして、お考えをお願いします。

答 (長官)今御指摘ありましたが、DNA型鑑定は、警察が取り組む、客観証拠に基づく緻密かつ適正な捜査の重要な柱の一つでありまして、その適正と信頼を確保することは極めて重要であると考えております。
 佐賀県警察科学捜査研究所の職員が、DNA型鑑定作業において、不適切な取扱いを行った事案につきましては、DNA型鑑定に対する国民の信頼を損なうものであり、警察庁としても重く受け止め、国家公安委員会の指導の下、昨年10月から、警察庁による特別監察を実施してきたところであり、2度の中間報告を経て、この度、最終的な報告書を取りまとめたところであります。
 この特別監察におきましては、警察庁から佐賀県警察に、随時、職員を派遣いたしまして、DNA型鑑定の実施体制とその実施状況、不適切事案の原因分析とそれを踏まえた再発防止策の2点について監察を実施してまいりましたが、その実施に当たりましては、警察庁の附属機関である科学警察研究所のDNA型鑑定の専門家や、警察庁においてDNA型鑑定に携わっている職員を派遣し、不適切な取扱いを行った対象職員が単独で実施した全ての鑑定につきまして、DNA型鑑定について知見を有する外部有識者の御意見も伺いながら、その実施状況を確認したほか、特別監察の進捗状況につきまして、節目、節目で国家公安委員会に御報告し、その指導を受けながら監察を進めたところであり、専門性、客観性にも十分配意しながら実施したものと認識いたしております。
 この特別監察の結果、佐賀県警察における調査結果と同様に、対象職員による不適切な取扱いにより、「本来、捜査対象とすべきでない人を捜査対象とした」などの事態が生じていないことは確認されましたが、その一方で、「本来、判明するはずの被疑者を判明させることができなかった」といった捜査の支障が生じていないかについて明らかにならなかったものが確認されたほか、佐賀県警察の調査では不適切な取扱いが確認されていなかった110件につきまして、新たに不適切な取扱いが確認され、そのほとんどは鑑定結果に実質的な影響はないものでありましたが、2件については、鑑定結果に実質的な影響が出るおそれがあったことが確認されたことから、佐賀県警察における調査結果に不十分な点が認められたところであります。今回のように専門性の高い分野の調査につきまして、一県警察で対応に当たることは限界が認められ、この種事案が発生した場合には、今後は、発覚当初から警察庁の役割を強化する必要があると認識しているところであります。
 また、今回の特別監察では、対象職員による不適切な取扱いが行われた要因を分析し、組織マネジメントと職員サポートの強化、DNA型鑑定作業の厳格化・標準化、電子データや鑑定資機材の管理の徹底、DNA型鑑定の適正な運用の徹底、DNA型鑑定嘱託の合理的かつ的確な実施という5点の再発防止策を取りまとめたところであり、佐賀県警察をはじめ、全国警察に対して、再発防止策を徹底するよう、本日、通達を発出して指示したところであります。
 今後は、本年度実施する業務監察の機会等を通じまして、その実施状況を確認することとしたいと考えております。
 あわせまして、警察庁におきましても、都道府県警察と一体となって、この種事案の絶無を期すべく、対策を強化することとしておりまして、都道府県警察に対する指導体制の強化、科学捜査研究所に対する定期監査の実施、不適切事案が発生した場合の早期指導と職員の派遣、部外有識者からの積極的な意見聴取と各種対策への反映、科学捜査研究所の機能集約に向けた検討等を鋭意進めることといたしております。
 警察の活動は国民の皆様の信頼の上に成り立っているものであり、警察といたしましては、二度とこのような事案を発生させてはならないと考えております。警察庁、都道府県警察の双方におきまして、先ほど申し上げました再発防止策を確実に実施することにより、DNA型鑑定の適正な実施を確保し、国民のDNA型鑑定に対する信頼の回復に努めてまいりたいと考えております。

問  よろしくお願いします。サイバー人材の活用について、昨日、民間の方の任命式も行われましたが、今回の採用の概要・ねらいについて、お聞かせください。

答 (長官)この度、警察庁では、非常勤の次官級ポストとして、新たに「重大サイバー事案対策戦略官」を設け、民間のサイバーセキュリティ関連企業において、脆弱性調査業務を担当するなど、特に高度なサイバーセキュリティ技術を有していると認められる民間人材1名を、新規に採用したところであります。
 これは、警察庁としては初めての試みでありますが、依然としてサイバー空間を巡る脅威が深刻な状況が続いている中で、警察におけるサイバー対処能力の更なる向上を図る必要があること、それから、サイバーセキュリティを巡る技術の進展は著しく、警察として、これに遅れをとらないようにするためには、高度な技術を有する民間人材に警察組織の中に入っていただき、その知識及び経験を直接取り入れる必要があることを踏まえたものであります。
 新たに採用されました小河重大サイバー事案対策戦略官には、これまでの経験で培われた高度な技術・知見を生かして、重大サイバー事案への対応、それから、警察組織におけるサイバー人材の育成に関する助言等を通じまして、警察におけるサイバー対処能力の向上に貢献していただくことを期待いたしております。
 警察といたしましては、本年4月に改訂いたしました「警察におけるサイバー戦略」に基づき、引き続き、各種施策を着実に推進していくことといたしておりますが、特に、このサイバー空間の脅威に対処するための人的基盤の強化につきましては、令和8年度から開始いたしましたサイバー採用の着実な推進に加えまして、中途採用、官民人事交流等の推進を通じまして、高度な専門的知識・技術を有するサイバー人材の確保・育成を一層推進してまいりたいと考えております。