国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨
1 日時 令和8年6月25日(木)11:05~11:11
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。あかま委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、令和7年における行方不明者届受理等の状況についてなどがございました。以上です。
問 長官にお尋ねします。ただ今ございました昨年の行方不明者届の受理状況がまとまったところです。認知症に係る不明者が依然として高い水準にありますが、長期にわたって発見されないケースもあるということですけれども、今回、発見に至る経緯別で、民間通報というのが最多といったデータも出ております。こうした状況への長官の受け止め、それから、警察としてどう対応に取り組んでいくか、お考えをお願いします。
答 (長官)御指摘の令和7年中の行方不明者届の受理状況等についてでありますが、届出を受理した行方不明者数は、前年よりも若干減少したものの8万人を超え、このうち認知症の方は約1万7千人で、全体の約20%を占めており、いずれも高水準で推移しているところであります。
また、認知症の行方不明者の方が発見されるまでの期間についてでありますが、御指摘のとおり、1年以上の長期間にわたり発見に至らないケースもございますが、全体の約95%は、届出受理から3日以内に生存して発見されており、他方で届出受理から4日以降の発見では、急激に生存確認の割合が低下していることから、認知症の行方不明者の生命及び身体の保護のためには、なによりも早期発見が重要であると認識いたしております。
また、行方不明時にGPS機器等を身に付けておられた方につきましては、約85%が届出受理の当日に発見されており、その全ての方が生存を確認できていることから、行方不明時の早期発見のためには、認知症の方に対し、平素から御家族等がGPS機器等の携行を促すことが大変有効であると考えております。
この点、近年、自治体では、認知症の方を含め誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられる共生社会を実現する観点から、認知症の方に対する地域における生活支援体制の整備等を推進しておりまして、行方不明の防止や早期発見に資する対策として、GPS機器等の貸与やその活用の周知、地域の見守りネットワークの構築とネットワーク内での迅速な情報共有の枠組み作り等の取組が行われているものと承知しておりまして、こういった取組が、先ほど御指摘があった、民間からの通報の促進等にもつながっているのではないかと考えております。
このような自治体による取組は、警察活動にとっても大変重要なことであると認識いたしておりまして、今後も、こうした取組が更に充実するように関係省庁と緊密に連携して取り組むとともに、警察におきましても、人的捜索が困難な場所においてドローン等の資機材を有効活用するなど、効果的な取組を推進することにより、行方不明者の発見・保護を迅速に行ってまいりたいと考えております。
問 長官にお伺いします。高齢ドライバーの免許更新時に、一定の違反歴がある方については、運転技能検査を受けなければならない制度が、2022年から始まっています。追跡調査の結果がまとまったと思いますけれども、その結果の概要と、これからの警察の取組をお聞かせください。
答 (長官)お尋ねの運転技能検査につきましては、高齢運転者による痛ましい交通事故の発生等を受けまして、加齢に伴う身体機能の低下等により安全な運転が期待できないほどに運転技能が低下している高齢運転者対策として、令和4年5月から導入されたものであります。75歳以上の高齢運転者のうち一定の違反歴を有する方を対象として、運転免許証の更新時に、実車により「一時停止」や「信号通過」などの課題を行っていただき、これに合格しなければ運転免許証が更新されないということであります。
今般、制度の導入から約4年が経過したことを踏まえまして、制度の実効性等を確認するため、検査合格者の受検後の交通事故状況等に関する追跡調査を実施いたしましたところ、運転技能検査合格者10万人当たりの交通事故件数は、検査対象ではない75歳以上の高齢運転者の交通事故件数と比較いたしますと、約2.8倍となっていること、それから、運転技能検査の合格者が起こした交通事故における法令違反では、前方・左右の安全不確認が多いなどの特徴が見られたところであります。これらの特徴を踏まえて、更に運転技能検査の内容を充実させ、加齢により運転技能が低下した高齢運転者による痛ましい交通事故の発生を防止する必要があると考えているところでございます。
そこで警察庁では、今回の追跡調査の結果等を踏まえまして、学識経験者や指定自動車教習所業界関係者等を構成員とする「運転技能検査の見直しに関する有識者検討会」を開催し、運転技能検査の内容の充実に係る方向性等について、幅広い観点から検討を行っていただき、8月中を目処に報告案をとりまとめていただきたいと考えているところであります。
警察庁といたしましては、有識者検討会の報告書を踏まえまして、運転技能検査の内容の見直しを行うとともに、あわせまして、関係機関・団体等と連携し、サポカー等の先進安全自動車の普及促進、移動の代替手段の確保等による運転免許証の自主返納をしやすい環境の整備等を進めることにより、高齢者の移動手段の確保にも配意しつつ、高齢運転者による交通事故の防止対策を推進してまいりたいと考えております。