国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 令和8年8月6日(木)11:21~11:29
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、「令和8年熊本地震」に伴う警察活動等についてなどがございました。以上でございます。
問 今お話いただきましたが、令和8年熊本地震について、発災から現在に至るまでの警察活動の所感と、今後力をいれていく取組について、大臣のお考えをお聞かせください。
答 (大臣)まず、被災地において、被災者を迅速に救出・救助するとともに、被災地の治安を確保して被災者の不安の解消に努めることは、警察の重要な責務であると認識しております。
7月28日の発災以降でございますが、警察においては、熊本県警察による対応に加えて、他の都府県警察からの特別派遣部隊を熊本県に派遣し、全力で救出・救助活動等に当たったところ、これまでに67名の方々の救出・救助に至ったということでございます。
また、震災に便乗した犯罪に関する防犯広報や警戒・警ら等を継続して行っているところでございます。7月29日以降、各府県警察から派遣された特別自動車警ら部隊240人、パトカー60台に加えて、各県警察の機動隊100人が順次入県し、パトカーや徒歩による警戒・警ら体制を強化しております。そのほか、7月30日から順次、被災者支援部隊約110人が入県し、避難所を訪問しての相談活動、また防犯指導活動等の体制を強化しているところでございます。
さらに、車中泊の方々にも声を掛けているほか、必要に応じてペットボトルの飲料水や熱中症対策のビラを配布しているところでもございます。
さらに、8月2日からでございますけれども、熊本県内の避難住民の多い地区や避難所等の犯罪発生が懸念される、心配される地区に防犯カメラの設置を開始しております。これらについては順次設置を進めております。
次に、交通関係でございます。交通渋滞等に対応するため、警察官による交通整理を実施しております。そのほかに、道路管理者と連携して、通行止め箇所に係る迂回路を設定してございます。
また、水・ガソリン等の物資の円滑な輸送を図らなければなりませんので、物資輸送車両等の通行を優先する交通規制を実施しております。また、経済産業省等と連携して、必要に応じて、パトカーで物資輸送車両の先導を行うなどの支援も行っております。
警察といたしましては、引き続き、被災地における交通混雑等への対応や物資の円滑な輸送を図るための交通規制を継続していくこととしております。国民・県民の皆様には、これらの活動に対する御理解と、不要不急の車両の使用等について自粛していただきたい、そのような協力もお願いしたいと思っております。
今後とも関係機関と連携し、人命を最優先に、各種の活動を推進していくよう警察を指導してまいりたいと考えております。
問 長官にお尋ねします。匿名・流動型犯罪グループ等の端末の通信内容を把握して、被害防止につなげる手法について、警察庁は有識者検討会を設置して議論を進めていくことになりました。今回の検討会の設置に至る経緯、背景、それから、今後の議論の方向性等についてのお考えをお願いします。
答 (長官)匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」でありますが、このトクリュウは離合集散しながら全国で強盗、詐欺等を行っており、政府においては、その撲滅に向けた取組を強力に進めているところであります。
こうした中、特殊詐欺につきましては、令和7年中の被害額は、前年比約64%増の約3,257億円と過去最悪となり、本年上半期の被害額も約1,816億円、1日当たりの被害額が約10億円となるなど、被害の拡大に歯止めが掛かっておらず、極めて危機的な状況であると認識いたしております。
また、一昨年の8月から11月にかけて、トクリュウによる犯罪実行者募集、いわゆる「闇バイト」による強盗等の事件が首都圏を中心に広域で連続して発生したほか、本年5月にも、トクリュウによるものとみられる凄惨な強盗殺人事件が発生し、強盗のために現場に現れた者を強盗予備で検挙する事案も続いているなど、トクリュウによる犯罪は国民の体感治安を著しく悪化させていると認識いたしております。
トクリュウ対策を進める上では、発生した事件について、徹底した実態解明による中核的人物の検挙、これが重要なことは当然でありますが、それに加えまして、日々発生している強盗、詐欺等の被害を未然に防止し、被害の拡大に歯止めを掛けることが極めて重要であると考えております。この点に関しまして、トクリュウは、指示役と実行役との間で、秘匿性の高い通信アプリを悪用して、犯行に関する連絡を行っていることから、こうした秘匿性を打破し、指示役と実行役がやりとりをしている、今後実行予定の強盗、詐欺等の相手方に関する情報をあらかじめ把握することが、トクリュウによる被害防止対策を推進する上で極めて重要であると考えております。
こうした問題意識から、先月28日に犯罪対策閣僚会議において決定されました「詐欺及びストーカー被害拡大防止のための緊急対策」に、「匿名性の高い通信アプリの通信内容等を迅速に把握し、被害防止に活用する手法について、新たな法制度導入に向けた検討の加速」が盛り込まれたものと承知いたしております。
警察庁では、この決定を踏まえまして、今般、有識者検討会を開催し、各方面の専門家による検討を行っていただくこととしたものであり、本検討会におきましては、諸外国における取組、最新の技術動向等も踏まえつつ、新たな技術的措置を導入する必要性、通信の秘密や適正手続の確保等、憲法上の論点も含め、こうした措置を実施するための法制度の在り方等について御議論いただくことと予定いたしております。警察庁といたしましては、有識者検討会における議論も踏まえた上で、新たな法制度導入に向けた検討を加速してまいりたいと考えております。