国家公安委員会委員長就任記者会見要旨(関連部分のみ)

1 日時 令和8年9月18日(金)16:19~16:47

2 場所 警察庁第1会議室

3 概要  この度、国家公安委員会委員長、領土問題担当、ⅭBRNEテロ対策担当、沖縄及び北方対策担当、アイヌ施策担当、消費者及び食品安全担当大臣を拝命しました葉梨康弘でございます。
 また、公正取引委員会、カジノ管理委員会及びギャンブル等依存症対策に関する事務も担当しています。
 国家公安委員会委員長は、国家の治安維持の重責を担っており、身の引き締まる思いであります。
 昨今の治安情勢をみますと、昨年の刑法犯の認知件数は、戦後最少となった令和3年から、4年連続で増加となっております。
 とりわけ、ニセ警察詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺等の特殊詐欺は、令和7年中の認知件数、被害額ともに過去最悪となるなど、匿名・流動型犯罪グループによるとみられる犯行の被害が拡大し、極めて深刻な情勢にあります。
 我が国治安対策上の最重要課題である匿名・流動型犯罪グループに対し、全国警察が一体となって中核的人物の実態解明と取締りをはじめとする戦略的な対策を推進するとともに、タイムリーな情報発信等官民が一体となった被害防止対策を推進する必要があると考えています。
 このほか、ストーカーをはじめとする人身安全関連事案への的確な対処の徹底、自転車の交通反則通告制度の適切な運用、ローン・オフェンダー等対策の更なる強化、対日有害活動への対処能力の向上、「警察におけるサイバー戦略」を踏まえた対処能力等の強化、犯罪被害者等施策の着実な推進等、対策を講ずべき課題は山積しているものと認識しておりますが、本年4月に策定されました「将来を見据えた警察組織の構造改革及び優秀な警察官の確保に向けた指針」に基づき、こうした治安上の諸課題に的確に対処し、国民が安全・安心を実感できるよう全力を尽くしてまいります。
 また、私は、大臣就任前は、自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会長として、政府に対して、特殊詐欺、ストーカーの被害拡大防止、さらには、我が国の治安力の強化、民間における治安基盤の強化、民間における治安維持への協力といったものをしっかりと提言させていただきました。党として提言した施策を、私も今、大臣の立場として、実現に向けて努力をすることによって、「世界一安全な国日本」を絶対に後世に引き継いでいくんだと、そういう強い意志を持って国家公安委員会委員長としての職務に取り組んでまいります。
   多くの担務を拝命しましたが、それぞれの施策で関連する面も多くあると感じております。
 例えば、警察庁における詐欺事案への対応と消費者庁における消費者被害防止等は関連があり、有機的な連携が可能なものと考えております。
 このような私の担務の中での関連する政策を連携させた形で施策をより効果的に推進し、内閣の一員として、精一杯努めさせていただく所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

問 国家公安委員会委員長に就任されて、今後の抱負について改めてお聞かせください。

答 国家公安委員会委員長という重責を担わせていただくことになりました。日本の治安は本当に世界で一番安全なもの、これは先輩方が築いてきたものであるし、また、日本国民と一緒に築いてきたものです。でも、それがちょっと脅かされているのではないか。これは先ほど申し上げたとおりです。常に緊張感を持って職務に当たり、国民の安全と安心を確保するために全力を尽くしたい。「世界一安全な日本」を次世代に必ず引き継いでいきたい。その思いで全力を尽くしてまいります。

問 いわゆるトクリュウについてお尋ねします。今年にかけて、政府の犯罪対策閣僚会議では、緊急対策等を決定したことかと思いますが、こうしたものを踏まえて、今後のトクリュウ対策をどのように進めていかれるか、大臣のお考えをお聞かせください。

答 現状を先ほど冒頭発言でも申し上げましたけれども、匿名・流動型犯罪グループは被害が極めて深刻な情勢にある特殊詐欺や組織的な強盗、窃盗等の多くに関与して多額の犯罪収益を得るなど、我が国の治安対策上の脅威となっている。この対策は喫緊の課題であると思います。
 実は、先ほど申し上げましたとおり、自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会では、5月27日に高市総理に対して、「詐欺及びストーカー被害拡大防止のための緊急提言」というものを手交させていただきました。これを受けた形で、本年7月の犯罪対策閣僚会議において策定された、「詐欺及びストーカー被害拡大防止のための緊急対策」では、AIを活用した特殊詐欺の被害防止対策の導入、被害金の迅速な追跡・凍結等のための官民協働型枠組みの強化等が決定されて、政府を挙げて着実に実行していく必要があると思っています。
 また、匿名・流動型犯罪グループによる秘匿性の高い通信アプリの悪用が大きな課題の1つになっています。この対策として、警察庁では、本年8月に有識者検討会を立ち上げ、9月2日に提言の骨子が取りまとめられたと承知しています。この中では、犯罪者グループの端末を遠隔解析する必要性や、制度の在り方について示されており、今後、最終的な提言の内容を踏まえながら、新たな法制度の導入に係る検討を加速していく必要があると認識しています。
 加えて、匿名・流動型犯罪グループの壊滅を図るためには、警察が持つ情報を集約・分析し、中核的人物に対する戦略的な取締りを行うことが重要です。こうした観点から、警察庁の司令塔機能や情報集約・分析を一層強化するための組織改編を進めていく必要があると認識しています。
 治安対策上の最重要課題である匿名・流動型犯罪グループについて、これらの対策を強力に推進して、国民の安全・安心が確保されるように警察を指導していきたいと考えています。

問 サイバー空間を取り巻く脅威が一層深刻化しているところ、来月の1日にアクセス・無害化措置に関するサイバー対処能力整備法が施行されることを踏まえて、サイバー空間における脅威への対処にどのように取り組んでいかれるか、大臣のお考えをお聞かせください。

答 お尋ねのように、来月1日、改正警察官職務執行法によって、アクセス・無害化措置の規定等が施行されます。これを着実に実施していくためには、内閣官房・内閣府、警察、さらに、防衛省・自衛隊が三位一体となって中核的な機能を担う体制整備を行っていく必要があります。
 人的・物的基盤の整備を通じ、サイバー対処能力の一層の向上を図ることによって、安全・安心なサイバー空間の確保に努めるように警察を指導していきたいと考えています。
 そして、実際問題として、今、サイバー空間をめぐる脅威の情勢は、今年の上半期についてみても、ランサムウェア被害の報告件数が123件と半期の件数としては最多です。また、サイバー犯罪の検挙件数も7,607件と昨年同期比で約15%増加しています。
 このため、警察においても本年4月、「警察におけるサイバー戦略」を改定して、サイバー事案の検挙と未然防止・拡大防止、事案対処に向けた警察における基盤整備に向け、取組を推進していると承知しています。
 いずれにしても、他の省庁・機関と連携を取りながら、しっかりと全力でサイバー空間の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えています。

問 本年4月に自転車の青切符制度の導入、9月に生活道路における自動車の法定速度の引き下げが行われたほか、運転技能検査の見直しに関する検討も行われるなど、交通ルールや制度の見直しが進められているところですが、技術の進展等も踏まえて、交通安全の確保にどのように取り組まれていくか、大臣のお考えをお聞かせください。

答 確かに、警察では、自転車への青切符の導入、さらには、今盛んに報道されていますが、いわゆる生活道路における法定速度の30キロメートル毎時への引き下げなど、交通事故の実態や社会情勢に即して、様々な制度の整備を行っていると承知しています。
 また、運転技能検査については、本年7月から8月に開催した有識者検討会における報告書を踏まえ、検査の課題を追加すべく、現在、道路交通法施行規則の改正の検討を進めていると承知しています。
 技術の進展という観点でいえば、自動運転の技術は、交通事故の削減や渋滞の緩和等に有効なものと考えられ、警察においては、これまでも自動運転の実用化に対処するための制度の整備を行ってきたものと承知しております。引き続き、技術の進展を支援すべく取り組んでまいります。
 いずれにしても、悲惨な交通事故を根絶するために、関係省庁等と連携しつつ、国民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、交通安全の向上に取り組んでまいりたいと考えています。

問 警察庁は外事情報局の設置を要求するなど、インテリジェンス機能の強化を目指しているところですが、厳しい安全保障環境に直面している中、対日有害活動の対策にどのように取り組まれていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。

答 非常に厳しく複雑な現在の国際環境の中で、国民の安全や国益、さらには、民主的な日本の社会を守っていくためには、国を挙げてインテリジェンス機能の強化を行うことは、私は不可欠だと思っています。
 このような観点から、お尋ねの対日有害活動について、インテリジェンス改革の第一歩である国家情報会議及び国家情報局の設置法が前特別国会で成立して、国家情報会議と国家情報局の発足をみたところです。
 警察庁も、特に外事警察というものを持っていますから、しっかりとそれと足並みを合わせた形で、体制の強化を図っていくことが必要です。ですから、今回の概算要求でも、警察庁においては、外事情報局の設置を要求するなど、組織・体制の充実・強化に取り組んでいると承知しています。警察におけるインテリジェンス機能の強化がしっかりと図られ、対日有害活動への対処が強化されるよう、今後とも警察を指導してまいりたいと考えています。