国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和8年10月22日(木)11:20~11:27

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。葉梨委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、交通反則金のキャッシュレス納付の検討状況についてなどがございました。以上です。

 

問  長官にお伺いします。警察庁では、来年の7月以降を目処で、交通反則金のキャッシュレス納付を可能とするという方針とのことですけれども、その背景やねらい、今後の予定等について教えてください。

答 (長官)交通反則金納付のキャシュレス化につきましては、政府の規制改革実施計画に盛り込まれている重要な施策でありまして、その実現に向け、警察庁において鋭意検討を行ってきたところであります。
 この交通反則金の現在の納付方法は、一部の試行を除き、金融機関の窓口における現金納付に限られておりますが、今後は現金のほか、クレジットカード、コンビニ支払、インターネットバンキング、ペイジー等を用いた支払手段の中から選択できるようにする予定であり、これが実現いたしますと、国民の利便性向上、行政の効率化、金融機関の事務の合理化に資するものと考えております。
 本日、交通反則金の納付者から受託し、反則金の国庫への納付事務を担う事業者を選定する企画競争が開始されたところであり、年内には、この決済代行事業者を選定し、その後、交通反則金に関する都道府県システムの改修等を経た上で、御指摘のとおり、来年7月以降、各都道府県警察において順次キャッシュレス納付が可能となる見込みであります。
 今後、反則金のキャッシュレス納付の実現に向けまして、警察庁と都道府県警察が緊密に連携し、必要な準備を的確に推進するとともに、国民の皆様への周知をしっかりと行ってまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。神奈川県警の警察署で、運転免許証の取扱いの不適正な事案が起きています。更新時に回収した免許証が、交通課から警備課に引き渡されて、警備課は警備対象者の資料に流用していたということです。県内の他の署でも広く行われていた疑いが指摘されておりますが、個人情報保護法に反する可能性が高いということで、今回の事案への長官の受け止め、それから、警察庁はチームを設置して、神奈川県警、それから、他の都道府県警を含めて調査、指導を進めていくということですが、この事案に対して警察庁はどのように対応していくか、お考えをお願いします。

答 (長官)お尋ねの件は、本年8月下旬に、神奈川県保土ケ谷警察署員が運転免許証の更新時に回収した旧免許証約30枚が入ったリュックサックを一時紛失し、その後返還されたという事案の調査の過程で判明したものであります。これまでの神奈川県警察による調査で、この旧免許証は、一時紛失事案の当事者である職員が、以前勤務していた港北警察署において、運転免許証の更新時に回収された旧免許証であるということ、それから、当該職員によりますと、その当時、港北警察署では、旧免許証が交通課員から警備課員に全て引き渡され、警備課においてその個人情報が利用されていたこと、他の警察署でも同様の措置がとられていた可能性があることが明らかとなっております。
 このような状況を踏まえまして、神奈川県公安委員会は、10月7日に、警察法第43条の2の規定に基づき、早急に事実関係を明らかにし、所要の措置を講ずるよう、監察の指示を行ったところであり、神奈川県警察では、警務部に立ち上げた専従の調査チームにより、引き続き、詳細な事実関係を確認中であります。
 警察庁におきましては、本件における個人情報保護法上の問題点につきまして、個人情報保護委員会事務局にも相談しながら検討を進めてまいりましたが、その結果、公共の安全と秩序の維持等の目的のため、警備課において個人情報を収集すること自体の必要性は認められますが、交通課から警備課へ旧免許証を引き渡すことは、個人情報の目的外利用に当たり、そのような行為は「相当の理由がある」場合でなければ認められないものであるところ、港北署のように、交通課から警備課に旧免許証を全て引き渡すという取扱いについて「相当の理由がある」と解することは困難であり、本件行為は同法に抵触する可能性が高いと考えているところであります。
 警察活動を行う上で、法令の規定を遵守しなければならないことは当然でありますが、今回、神奈川県警察において、個人情報保護法上、問題となる行為を行っていたことは、決してあってはならないことであり、警察庁として大変重く受け止めております。そのような認識の下、警察庁といたしましては、国家公安委員会の管理の下、神奈川県警察をはじめ、全国警察を指揮監督する立場から、本件のような個人情報の不適切な取扱い事案について早急に事実関係を解明し、必要な是正措置や再発防止措置を講ずるよう、全国警察を監督する必要があると考えております。
 このため、本件の発生を受けまして、警察庁におきましては、総括審議官をトップとし、首席監察官等をメンバーとする調査・指導チームを立ち上げ、国家公安委員会の管理の下、港北署を含む全54警察署の調査等に関する神奈川県警察への指導、他の都道府県警察における同種事案の有無の確認、交通部門における旧免許証の取扱いや警備部門における情報収集の在り方に関するこれまでの警察庁の指導・教養の内容についての確認等を行っているところであります。
 また、10月9日には、全国警察に対しまして、旧免許証は、穴を開けて免許更新者に返却することを原則とし、返却が困難な場合には、更新の当日中に交通部門で処分することなどを指示する通達を発出し、同種事案の再発を防ぐ措置を講じたところであります。
 さらに、今後、引き続き、事実確認を進めるとともに、旧免許証の引渡しによって警備部門が新たに保有した個人情報等につきましては、個人情報保護法の目的外利用の要件を満たすものを除き、全て消去していく方針であります。
 その上で、事実確認の結果を踏まえまして、警備部門においては、個人情報の収集の在り方について見直しを行い、また、交通部門においては、旧免許証の取扱いに関する通達の内容を確実に実施するほか、免許証情報をはじめとする個人情報の適切な管理の教養を徹底するなど、再発防止の取組を進めてまいりたいと考えております。
 警察活動は、国民の信頼の上に成り立つものであり、警察庁といたしましては、ただ今申し上げた措置を早急に、かつ、確実に講じることにより、国民の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。