定例委員会の開催状況

第1   平成20日(木)

午前10時00分 午前11時45分

第2 出席者 佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、

情報通信局長

首席監察官、国家公安委員会会務官、情報公開・個人情報保護室長

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「2月18日付けを始めとする地方警務官等20名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)保有個人情報不開示決定に係る異議申立てに関する決定について

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会委員長が行った保有個人情報不開示決定に対してなされた平成19年8月20日付けの異議申立てについて、情報公開・個人情報保護審査会からの答申を踏まえ、棄却することとしたい旨の説明があり、原案どおり決定した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「1月31日の国家公安委員会の審査の要求を受け、警察庁懲戒審査会は、2月1日、神奈川県警察本部の前警備部警備課長である警視による霊感商法容疑団体に係る営利企業従事等事案に関する同本部警備部長の監督責任について審査を行った」旨の説明があり、その決定事項が答申された。

これを受け、吉田委員より、「処分については、答申された内容でよいと思う」旨、発言し、葛西委員より、「自分も、処分の内容について異論はない」旨、発言があり、神奈川県警察本部警備部長を戒告処分とすることを決定した。

これに関連して、葛西委員より、「本件は、上級幹部による非違事案に係る監督責任であったが、上級幹部に対する身上把握・指導の徹底で再発防止を図るよりは、適材適所の登用に一層努めるべきでないか」旨、発言し、長谷川委員より、「本件はレアケースなのに、上級幹部に対する身上把握・指導の徹底を指示すれば、組織内に疑心暗鬼を生じることにならないか」旨、発言し、官房長から、「上級幹部も悩みを抱えることはあるので、上司にはそうした面を注意してほしいという主旨である」旨、説明があり、吉田委員より、「身上把握・指導の徹底を指示するのはよいと思うが、そのやり方はよく考えた方がよい」旨、発言し、佐藤委員より、「地方警務官以外の上級幹部の人事を適切に行うよう本部長に指示することはそれなりの意味があると思う」旨、発言した。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「本日の決裁事項で説明した神奈川県警察の警視による営利企業従事等事案に関し、警察庁は、国家公安委員会の了承が得られれば、監督責任として、神奈川県警察本部長を長官訓戒の措置とする予定である」旨の説明があり、原案どおり了承した。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の状況等について(行政機関情報公開法関係)

情報公開・個人情報保護室長から、2月1日までの間に警察庁長官に対してなされた行政文書の開示請求の状況及び開示請求に対する決定について報告があった。

(2)警察庁長官に対する開示請求の状況等について(行政機関個人情報保護法関係)

情報公開・個人情報保護室長から、2月1日までの間に警察庁長官に対してなされた保有個人情報の開示請求の状況及び異議申立てに対する決定について報告があった。

(3)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(4)平成19年第4四半期における地方警務官に係る贈与等報告書について

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から平成19年第4四半期における贈与等報告書が国家公安委員会に対して提出され、これを国家公安委員会委員長が受理した。このうち、指定職以上の職員に係るものについて写しを国家公務員倫理審査会へ送付した」旨の報告があった。

(5)「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」報告書について

官房長から、2月5日に内閣総理大臣へ提出された「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」報告書の概要について説明があった。

(6)平成19年中の懲戒処分者数について 

首席監察官から、平成19年中の全国警察職員の懲戒処分者数は、合計303人で、前年と比べ、58人(16.1%)減少し、その内訳は、懲戒免職41人、停職39人、減給110人、戒告113人である旨の報告があった。

(7)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「本日の決裁事項及び了承事項で説明した神奈川県警察の警視による営利企業従事等事案に関し、2月7日、同県警察は、同警視等を懲戒免職等の処分とするほか、警察庁は、監督責任として、元神奈川県警察本部長等を長官訓戒等の措置とする予定である」旨の報告があった。

(8)第16回全国小学生作文コンクール「わたしたちのまちのおまわりさん」の審査結果等について

生活安全局長から、「平成4年から実施している全国小学生作文コンクール『わたしたちのまちのおまわりさん』は、今年で16回目となり、2月16日、読売新聞社本社で内閣総理大臣賞等の受賞者16人が出席し、表彰される」旨の報告があった。

(9)銃砲に係る2つの「総点検」の進捗状況について

生活安全局長から、現在実施中の「17万人/30万丁・総点検」及び「銃砲行政の総点検」について、これまでの作業の状況、引き続き不適格者の発見、排除に努めること、本年度内に最終報告を取りまとめて公表する予定であること等の報告があった。

10)中国製冷凍餃子への毒物混入による殺人未遂等容疑事件について

刑事局長から、中国製冷凍餃子への薬物混入による殺人未遂等容疑事件について、事案概要、警察における対応状況等の報告があった。

11)平成19年中の薬物・銃器情勢について

刑事局長から、平成19年中の薬物情勢については、覚せい剤事犯の検挙人員、特に暴力団構成員等の検挙が増加し、また、密輸入事件に係る押収量が増加したこと、銃器情勢については、暴力団による対立抗争や銃器使用の凶悪事件が連続発生するなど銃器発砲事件の発生件数が増加に転じたほか、けん銃の押収丁数が増加したこと等の報告があった。

12)「運転代行サービスの利用環境改善プログラム」について

交通局長から、「運転代行業法(平成14年6月施行)が施行されて5年を経過したことから、同法の規定に基づき、施行状況について検討を行うとともに、ドライバー及び飲食店等の経営者に対するアンケート調査等を行った。その結果を踏まえ、『運転代行サービスの利用環境改善プログラム』を取りまとめ、飲酒運転根絶の受け皿としての運転代行サービスの普及を促進する」旨の報告があった。

葛西委員より、「『プログラム』とか『システム』というようなカタカナの用語や『トランスペアレンシー』を単に置き換えただけの『透明性』などの日本語としての意味の不明確な用語が目に付く。あいまいな表現を用いることで何となく合意ができたように取り扱うということかもしれないが、行政のように法律を扱うところが言葉の劣化を許容するのは由々しいことだ。役所の文書というのは、極力、概念が明確で、言葉としてこなれているきちんとした日本語を用いるべきである」旨、発言し、交通局長から、「議員懇話会や事業者の方々とのやりとりの結果として、このような表現でまとめられたものである。用語としていかがか、という指摘はあるかもしれないが、施策の内容についてはきちんと精査した明確なもので、あいまいさやごまかしなどはなく、これに沿って着実に実施していきたい」旨の説明があった。

佐藤委員より、「確かに、言葉の定義を明確にしないままにカタカナの外国語を用いて議論をしていると、いつの間にかその言葉の意味が分かったような気になってしまう。政治の世界などでは、世論に訴えるために、世の中で流通している目新しい表現を用いることもあろうが、政策官庁の立場においては、政策概念とか、政策目標を明確に定義して議論することが重要である」旨、発言した。

長谷川委員より、「私は、以前、国立国語研究所で外来語読み替え委員会の委員を勤めた。コンピュータや福祉の分野で多いのだが、例えば、『インフォームド・コンセント』などは、概念自体が新しく日本語にならないとのことであった。また、日本語に置き換えようとすると、見解の相違が生じてまとまらないということもあった。さらに、これが適切な読み替えだと考えて提言したものについても、結果的には半分も使われていない現実がある。役所が、一つ一つの用語をどういう意味で使っているかということを常に自ら精査して、文書を作成するということをしていかなければ、世の中は変わらない」旨、発言した。

13)平成19年中の暴走族の実態及び取締り結果について

交通局長から、暴走族のグループ数、構成員数、110番通報件数等は、いずれも前年と比べて減少したことなど、平成19年中の暴走族の実態及び取締り結果について報告があった。

3 その他

(1)刑事局長から、「取調べの適正化については、『警察捜査における取調べ適正化指針』に基づき、各種施策を迅速かつ着実に実施していくこととしているが、その円滑かつ効率的な推進を図るため、2月8日、次長を長とする取調べ適正化施策推進室を設置することとした」旨の報告があった。