定例委員会の開催状況

第1  日 時     平成20年24(木)

午前10時00分 午前11時30

第2 出席者 泉委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長

首席監察官、国家公安委員会会務官、情報通信企画課長

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「5月16日付け地方警務官1名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案等について

官房長から、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令等の規定の整備等を行うとともに、国家公安委員会規則及び審査基準の整備に関し、意見公募手続を実施する旨の説明があり、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会委員長に対する異議申立てに関する情報公開・個人情報保護審査会への諮問について

国家公安委員会会務官から、「国家公安委員会委員長が行った行政文書の不開示決定(形式不備のため不開示)に対してなされた異議申立てについて、行政機関情報公開法第18条の規定に基づき、情報公開・個人情報保護審査会に諮問を行うこととしたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(4)監察の取扱い事案について 

首席監察官から、埼玉県警察の巡査部長が2月23日に酒酔い運転をした事案に関し、同県警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、4月24日、監督責任として地方警務官の警察署長を本部長注意の措置とする予定である旨の説明があり、原案どおり了承した。  

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

 2  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成19年における地方警務官に係る株取引等報告書及び所得等報告書について

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から所得等報告書が国家公安委員会に対して提出され、これを国家公安委員会委員長が受理し、その写しを国家公務員倫理審査会へ送付することとしている」旨の報告があった。

(3)平成19年度第4四半期監察の実施状況について

官房長から、警察庁が都道府県警察等に対して行った平成19年度第4四半期における監察の実施状況について報告があった。

(4)平成19年度会計監査実施結果について

官房長から、平成19年度会計監査実施結果に関し、聞き取り調査実施状況及び実施結果等について報告があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(4)で説明のあった埼玉県警察の巡査部長による酒酔い運転事案に関し、同県警察は、4月24日、同巡査部長を懲戒免職処分とする予定である旨及び山形県警察の警部補が4月11日に酒酔い運転をしたとして現行犯逮捕された等の事案に関し、同県警察は、4月21日、同警部補を懲戒免職処分とした旨の報告があった。

吉田委員より、「山形県の事案について、当人は深酒する習慣があったようだが、これほど飲酒するようになったきっかけについて把握しているか」旨、質問し、首席監察官から、「もともと深酒する習慣があったようであり、特段のきっかけというものは把握していない」旨の説明があった。

本件に関連して、葛西委員より、「監督責任について、一般論として言うと、例えば、自宅での飲酒などは上司の監督の対象ではない。管理監督が期待されている事項について責任を追及するのはよいが、部外を納得させるためいわば見せしめ的に処分するようなことは、かえって規範意識を低下させるので、しない方がよい」旨、発言した。

委員長より、「このようなことで国民の警察に対する信頼を損なってはならない。病的ともいえる飲酒常習者に対しては、厳しく対処する必要がある」旨の発言があった。

(6)平成19年度中における子どもや女性を守るための匿名通報モデル事業の運用状況について

生活安全局長から、平成19年10月1日から運用を開始した「子どもや女性を守るための匿名通報モデル事業」の平成19年度中の通報受理件数は307件で、被疑者の検挙等につながった事案は4件あり、被疑者12名を検挙し、被害児童2名を保護した旨及び平成20年度も本事業を継続しており、引き続き広報に努める旨の報告があった。

(7)警察捜査における取調べの適正化に関する有識者懇談会第3回会議の開催結果について

刑事局長から、4月23日に開催された警察捜査における取調べの適正化に関する有識者懇談会第3回会議において、3回にわたる会議を通じて議論した有識者の考えが「緊急提言」として取りまとめられたこと等の報告があった。

田尾委員より、「緊急提言では、取調べの一部録音・録画の試行は取調べの機能を損なわないように慎重に実施すべきだとされており、それはそのとおりである。しかし、慎重になりすぎて、例えば、将来的に争われる可能性のない自白だけを対象に実施しても、有意義な検証にはならないので、録音・録画が取調べの機能に与える影響などある程度踏み込んで検証を行うことも考えるべきで、試行を実施するに当たって工夫が必要である」旨、発言した。

(8)福田総理大臣のロシア非公式訪問に伴う警護警備について

警備局長から、「福田総理大臣は、4月25日から27日までの間、首脳会談等のため、ロシアを訪問する予定である。これに伴い、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

(9)「北京2008オリンピック聖火リレー<長野>」開催をめぐる情勢と警察措置について

警備局長から、「『北京2008オリンピック聖火リレー<長野>』が4月26日長野市内で開催されることに伴い、所要の警戒警備を実施する」旨の報告があった。

葛西委員より、「中国側伴走者はどのような立場の者なのか」旨、質問し、警備局長から、「IOCのガイドラインにより、聖火の保全は主催者等が行うこととされている。中国側伴走者は聖火の保全のみに当たり、法執行は行わない」旨の説明があった。

吉田委員より、「聖火リレーコースの沿道ではどのような応援がされると考えているか」旨、質問し、警備局長から、「チベット問題等への抗議行動が予想されるが、国内の中国人留学生等が応援に集まることも見込まれており、右翼の動向にも注意をしつつ、万全の警備を行いたい」旨の説明があり、同委員より、「日本警察として、毅然とした警備を粛々と実施してほしい」旨、発言した。

3 その他

(1)刑事局長から、茨城県警察において取りまとめ、4月23日に公表された土浦市中村南・荒川沖東地内における連続殺人事件の捜査活動に係る検証結果について説明があった。

(2)警備局長から、新型インフルエンザが発生した場合において、事態を的確に把握するとともに、国民の安全を確保するために必要な警察措置を的確に行うため、4月23日、次長を長とする「警察庁新型インフルエンザ対策委員会」を設置し、第1回会合を開催した旨及び今後、本委員会を中心に行動計画の策定を進める旨の報告があった。