定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成20年(木)

午前10時00分 午前155

第2 出席者 泉委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、警備局長、

情報通信局長

長官官房審議官(刑事局担当)、長官官房審議官(交通局担当)

第3  議事の概要

  議題事項

(1)七代目酒梅組の指定の確認について

長官官房審議官(刑事局担当)から、七代目酒梅組が暴力団対策法第3条の要件に該当するかどうかにつき、大阪府公安委員会からなされた確認請求について説明があり、同法第6条に基づき、同暴力団が同法第3条の要件に該当する旨の確認をした。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

 2  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成19年度中における犯罪被害給付制度の運用状況について

官房長から、平成19年度中、407人の犯罪被害者に係る犯罪被害に関し、約9億3,200万円の犯罪被害者等給付金を支給する裁定が行われたことなどの報告があった。

(3)硫化水素を使用した自殺等の実態と警察の対応について

生活安全局長から、硫化水素を使用した最近の自殺事案やインターネット上での書き込みの実態、それらに対する警察の対応状況の報告があった。

インターネットに掲載されている硫化水素を発生させる方法や自殺の手順等の情報に関して、葛西委員より、「アメリカにあるサーバーに置かれるサイトもあるとのことだが、アメリカでも硫化水素を用いた自殺サイトがあるのか」旨、質問し、生活安全局長から、「アメリカでの自殺サイトの状況は承知していないが、日本語のサイトは日本人向けのものと考えられる」旨の説明があった。

佐藤委員より、「今回の取組み自体については、これ以上のことはできないのかもしれないが、常識的に言って、このようなことが起きないように何か手が打てないものかという思いは強く残る」旨、発言し、長官から、「この手の情報は、書籍の形態でもたくさん出ている。だた、インターネット上の情報については、誰でも容易にアクセスできるという性格上、削除してもらうという対応が現実的ではないか」旨、生活安全局長から、「薬物の広告やわいせつ図画公然陳列のように情報の掲載自体が犯罪を構成するのでなければ、違法情報として捜査の対象とすることはできない」旨の説明があった。

佐藤委員より、「既存の法体系の下で取締りが困難であるということは分かるが、例えば、種々の薬物対策の取組みの中で広告規制が実現したといった例もあり、この分野についても新たな取組みを模索すべきではないか」旨、葛西委員より、「人を殺すノウハウが掲載されており、まさに自殺の手引書そのものである。新しい事態に対応した新しい解釈を創り出していくことが大切なのではないか」旨、長谷川委員より、「そうは言っても、けん銃の取引であればモノが動くし、児童ポルノにしても表示される画像という『実体』があるのに対し、自殺のノウハウのたぐいは、情報が、ある人の頭の中から他の人の頭の中へとインターネットというメディアを通じて伝達されているにすぎないという大きな違いがある。後者については新たな枠組みが必要であるが、情報論の世界でも未解決の問題である」旨、発言した。

田尾委員より、「限界的な事例にはなろうが、どこかに切り口を見つけて立件するという可能性はないものか」旨、発言し、生活安全局長から、「事案によっては、自殺幇助などが立件できる場合もあるかもしれないが、現行法の範囲内では、『有害情報』についてインターネット上の情報の削除依頼をすることが限度だと考えている」旨の説明があった。

委員長より、「いずれにしろ、硫化水素に限らず、生命・身体に危害をもたらすような有害情報への対応については、十分勉強してほしい」旨、発言した。

吉田委員より、「硫化水素は、自殺の手段の一つであり、今後も新手が出てくると思うが、今年になって自殺は増加する傾向にあるのか」旨、質問し、生活安全局長から、「自殺のデータについては各県で原票を作成しており、警察庁は年一回集計しているだけなので月々の統計はないが、昨年の統計は近々ご報告できると思う」旨の説明があった。

(4)取調べに係る事項を記載した書面の保管に関する訓令案について

長官官房審議官(刑事局担当)から、平成19年12月25日付けの最高裁判所第三小法廷による偽造通貨行使事件における証拠開示命令についての検察官の特別抗告を棄却した決定等を踏まえ、警察における取調べに係る事項を記載した書面の保管の在り方を明確化するため、訓令を制定することについて報告があった。

(5)取調べの適正を確保するための逮捕・勾留中の被疑者と弁護人等との間の接見に対する一層の配慮について

長官官房審議官(刑事局担当)から、取調べの適正の一層の確保に資するため、被疑者に対する接見に関する告知等逮捕・勾留中の被疑者と弁護人等との間の接見に対して一層の配慮を求めることを内容とする通達を各都道府県警察に発出する予定である旨の報告があった

(6)G8労働大臣会議に伴う警備について

警備局長から、「G8労働大臣会議は、5月11日から13日までの間、新潟市において開催される。これに伴い、所要の警戒警備を実施する」旨の報告があった。

3 その他

(1)官房長から、ミャンマーにおけるサイクロン災害への対応に関して、ミャンマー政府から我が国国際緊急援助隊救助チームの派遣要請はなされていないことなどの報告があった。

(2)警備局長から、来日中の胡錦濤中華人民共和国国家主席夫妻の今後の日程に係る諸情勢について報告があった。

(3)警備局長から、イエメンにおける邦人誘拐容疑事案の発生について報告があった。