定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成20年29(木)

午前10時00分 午前115

第2 出席者 泉委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

長官官房審議官(刑事局担当)、首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「5月27日付け人事案件1名について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)警備員等の検定等に関する規則の一部を改正する規則案について

生活安全局長から、空港整備法の改正に伴う警備員等の検定等に関する規則の一部を改正する規則案について説明があり、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

 2  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、兵庫県警察の巡査部長が、盗撮行為を行ったとして4月28日に通常逮捕されたほか、私有パソコンにファイル共有ソフトを導入するなどした事案に関し、同県警察は、5月30日、同巡査部長を懲戒免職処分とする予定である旨の報告があった。

(3)取調べ適正化施策推進室第3回会議の開催について

長官官房審議官(刑事局担当)から、5月29日午後に「取調べ適正化施策推進室第3回会議」(以下「推進室」という。)を開催する予定であり、被疑者取調べの監督の試験運用の実施等について検討する旨の報告があった。

官房長から、推進室において被疑者取調べの監督の試験運用の実施について了承が得られれば、その実施に伴い、被疑者その他の者に対して暴行又は陵虐の行為をすることに係る懲戒処分の指針についても所要の整理を行う予定である旨の報告があった。

田尾委員より、推進室における検討を経て各都道府県警察等に発出を予定している通達案に関し、「懲戒処分の対象となり得る監督対象行為の類型について、監督対象行為ごとに、『違法性を帯びるかどうか』に着目して考え方を整理すること自体に異論はないが、これに加えて『違法性を帯びない場合』を定義付け、この内容の例示として『社会通念上許容される範囲』といった語句を用いると、これらの概念の相互関係をどう理解するかについて無用の混乱や誤解が生ずるのではないか。より簡明な書き振りが工夫できないか」旨、発言し、長官官房審議官(刑事局担当)から、「委員の御指摘を踏まえ、検討したい」旨の説明があった。

(4)福田総理大臣のドイツ、英国、イタリア訪問に伴う警護警備について

警備局長から、「福田総理大臣は、6月1日から5日までの間、首脳会談、『食糧サミット』出席等のため、ドイツ、英国及びイタリアを訪問する予定である。これに伴い、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

(5)北朝鮮人権法に基づく年次報告について

警備局長から、「拉致問題その他北朝鮮による人権侵害問題への対処に関する法律」の規定により国会に報告することとされている拉致問題への取組等に関する年次報告の内容について報告があった。

3 その他

(1)首席監察官から、これまで春秋叙勲の伝達式と危険業務従事者叙勲の伝達式をそれぞれ別に行ってきたが、本年秋以降は、「叙勲伝達式」として一本化して行うこととしたい旨の報告があった。

(2)生活安全局長から、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の改正動向について、「平成16年の改正法附則の見直し規定を踏まえ、本年1月以降、各党内で検討が開始され、本年4月から、与党プロジェクトチームにより、事業者からのヒアリングも含めて4回の検討が行われた。主な論点は、駐日米国大使の投稿記事でも指摘された単純所持の処罰化である。検討の結果、所持・保管の禁止規定を置くこと、性的好奇心を満たす目的での所持・保管の処罰規定を置くこと、児童ポルノの所持・提供等を防止するための措置としてインターネット事業者に対する責務規定を置くこと、また、次回改正に向けた検討事項として、アニメ・CG等の調査研究の推進及びアクセスプロバイダにおいて利用者の意思にかかわらず児童ポルノ情報に利用者が接続できなくする仕組みであるブロッキングの技術開発の促進等を規定することが結論とされた。ブロッキングについては、事業者から技術的に困難であるとの意見があったところである」旨の報告があった。

長谷川委員より、「ブロッキングについては、イギリスなど欧州諸国で既に導入されているのに、我が国の事業者が技術的困難を主張するのはどういうことか」旨、質問し、生活安全局長から、「ブロッキングをするに際し、URLをなるべく詳細に特定しようとすると技術上、運用上の問題が出てくるようである」旨の説明があった。

佐藤委員より、「今回の法律改正の背景にあると言われる国際世論との関連もあろうが、基本的には、我が国の児童をどう守っていくのかという問題であり、『ブロッキング』については、新しい仕組みでもあるので、どこまでやるかについて、まだ、国内的に議論が尽くされていない面があると理解すべきことと思う」旨、発言した。

(3)長官官房審議官(刑事局担当)から、昨年12月に民主党が提出していた刑事訴訟法の一部を改正する法律案が、本日、参議院法務委員会において審議入りする予定であること等について報告があった。

(4)吉田委員より、「いわゆる『もみじマーク』の表示の義務付けについては、いろいろと議論があるようである。高齢者を差別するような印象を持つ向きもあるが、フランスのような老人を大事にする国では、高齢者であることを明示すれば、人々は敬意を持って接するという文化がある。多発する高齢者の交通事故を防止するために、という根拠のある施策であり、堂々と進めてほしい」旨、発言し、交通局長から、「高齢運転者標識に関して、一般に言われているのは4点である。一つは、標識を表示すると幅寄せなどの嫌がらせをされたり、犯罪者から狙われて防犯上問題になるのではないかとの意見である。二つ目は、義務付けに伴って、標識を表示しない高齢運転者に対して反則金制度が適用されることについての意見、三つ目は、75歳以上のタクシー運転手が標識の表示をすると乗客が減ってしまうのではないかという意見、四つ目は、標識のデザインについての意見である。これらの御意見の中には、誤解に基づくものなども含まれており、今後とも、きちんと説明していきたい。いずれにせよ、高齢運転者標識の表示の義務付けは、高齢者を保護し、交通事故を防止することを目的とするものであるから、いまだ表示率が低い現段階においては、直ちに取締りを行わず、指導にとどめるなど今後1年間は、制度の周知・広報啓発に重点を置いた取組みを推進することとしている」旨の説明があった。