定例委員会の開催状況

第1   平成20年11日(木)

午前10時00分 午前135

第2 出席者 佐藤委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

長官官房審議官(生活安全局担当)、首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案について

官房長から、退職手当について新たな支給制限及び返納の制度を設ける国家公務員退職手当法の改正内容の報告とともに、これに併せて行う地方公務員等共済組合法の改正内容について説明があり、原案どおり決定した。

(2)犯罪捜査規範の一部を改正する規則案について

刑事局長から、少年法の一部を改正する法律の施行等に伴い整備する犯罪捜査規範の一部を改正する規則案について説明があり、原案どおり決定した。

(3)警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則案について

刑事局長から、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、警備業の要件に関する規則等に定める「暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるもの」及び「暴力的不法行為等」を追加するとともに、規則案に対する意見公募手続の実施結果を公示する旨説明があり、原案どおり決定した。

(4)刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国との間の条約に基づく中央当局の指定について

刑事局長から、10月24日に北京において批准書を交換した「刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国との間の条約」に基づき、共助に関する連絡を行う中央当局として、警察庁刑事局組織犯罪対策部国際捜査管理官を指定することについて説明があり、原案どおり決定した。

これに関連して、吉田委員より、「日本の刑事共助条約の締結は、米国、韓国に次いで今回の中国が3か国目であるという説明であったが、他方、中国はすでに35か国と締結している。この条約は日本にとって有益であり、今後とも締結国を積極的に増やしていくべきではないかと思う」旨、発言し、長官から、「中央当局相互間で刑事共助を直接実施でき、手続の迅速化を図ることができるので、刑事共助条約については警察としても前向きに考えている。現在も締結に向けて交渉をしている国はあるが、警察だけではなく、政府全体として検討し、1つ1つ条約締結につなげていきたい」旨の説明があった。

(5)交通の方法に関する教則の一部を改正する国家公安委員会告示案について

交通局長から、妊娠中のシートベルト着用についての正しい理解を促進するため、妊娠中の者のシートベルト着用の必要性及び正しいシートベルトの着用方法について定める交通の方法に関する教則の一部を改正する国家公安委員会告示案について説明があり、原案どおり決定した。

これに関連して、正しいシートベルト着用方法について、長谷川委員より、「『肩ベルトは首にかからないように』というのが正しいシートベルト着用法のポイントの一つであるということだが、座高が低くてベルトが首にかかってしまう場合はどのようにしたらよいのか」旨、質問し、交通局長から、「シートベルトの高さを調節できる車種もあるが、座布団を敷くなど座席の高さを調節することで首にかからないようにしていただくことになる」旨の説明があった。

(6)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

 2  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)の対日審査の結果について

官房長から、10月15日及び16日にジュネーブの国連欧州本部において行われた市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)の対日審査の結果について報告があった。

葛西委員より、「説明によると、出張した日本側の説明者は、審査を行ったB規約人権委員会のメンバーの審査に臨む姿勢などに種々の疑問を感じたようだ。私の聞くところによれば、この手の国際機関の審査では、こちらがいくら真摯に対応しても、聞く耳を持たないという対応をされることがある。このような不満は、必ずしも我が国ばかりではないはずであり、受け身に終始するのではなく、各国とも連携し、積極的な対応策を考えた方がよいのではないか」旨、発言した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、埼玉県警察の巡査部長が、証拠品押収を装って質屋から腕時計を詐取するなどしたとして10月15日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、11月5日、同巡査部長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司3名を本部長訓戒等の措置とした旨及び鹿児島県警察の巡査長が、青少年に対して淫行したとして10月16日に通常逮捕された事案等に関し、同県警察は、11月6日、同巡査長を懲戒免職処分とする予定である旨の報告があった。

(4)第41回全国少年補導職員等研修会の開催及び皇太子殿下の御接見について

長官官房審議官(生活安全局担当)から、11月10日から12日までの間、第41回全国少年補導職員等研修会を開催し、本研修中の11月11日、東宮御所において、皇太子殿下の御接見を賜る予定である旨の報告があった。

(5)振り込め詐欺撲滅のための取締活動及び予防活動の強化推進期間における取組結果について

刑事局長から、10月を「振り込め詐欺撲滅のための取締活動及び予防活動の強化推進期間」とし、組織の総力を挙げて被害抑止に資する取締活動及び官民一体となった予防活動を推進した結果、本年ピーク時の3月から6月と比較して、振り込め詐欺の被害を大幅に減少させた旨の報告があった。

吉田委員より、「被害を減少させたことを評価したい。出張の際にも見たが、被害防止活動は全国的にかなり盛り上がっていると思う。国民的キャンペーンで飲酒運転撲滅の機運が高まったのと同様に、キャンペーン型取組みは日本に適していると思うので、振り込め詐欺撲滅についても、今後も引き続き、取組みを続けてほしい」旨、発言した。

(6)会計検査院の平成19年度決算検査報告について

交通局長から、11月7日に会計検査院長から内閣総理大臣に対して提出される予定である平成19年度決算検査報告において「自動車保有関係手続のワンストップサービスの実施状況等」に関して意見が表示される旨の報告があった。

佐藤委員より、「ワンストップサービスの利用率が0.67%ということは、この制度が利用されていないに等しく、警察だけの問題ではないが、『ワンストップサービス』が実態から乖離した仕組みであることを示しているのではないか。したがって、今後の検討に当たっては、予算の無駄遣いをやめるためにも、この制度を廃止することも選択肢に入れて見直すべきだと思う」旨、発言し、交通局長から、「報告では、改善を図る旨指摘しており、廃止すべきとまでは言及されていない。また、ワンストップサービスのシステムは、警察については都道府県の財政負担となるので、地方財政が厳しい中で思うような運用ができないという側面もある。今後の方針については、関係省庁とも検討したい」旨の説明があった。

(7)ひき逃げ事件の発生・検挙状況等について

交通局長から、10月21日に発生した大阪府における3キロ引きずりによる死亡ひき逃げ事件の検挙概要及び最近のひき逃げ事件の発生・検挙状況について報告があった。

吉田委員及び佐藤委員より、「大阪のひき逃げ事件の検挙を大いに評価する」旨、発言し、長官から、「『車当たり捜査』などの地道な捜査活動が検挙に結びついてよかった」旨の発言があった。

(8)天皇皇后両陛下のスペイン王国国王陛下及び王妃陛下御案内(茨城県)に伴う警衛警護警備について

警備局長から、天皇皇后両陛下は、11月12日、スペイン王国国王陛下及び王妃陛下御案内のため、茨城県へ行幸啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警護警備を実施する旨の報告があった。

(9)皇太子殿下の第11回全国農業担い手サミット御臨席等(三重県)に伴う警衛警備について

警備局長から、皇太子殿下は、11月12日から14日までの間、第11回全国農業担い手サミット御臨席等のため、三重県に行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

3 その他

(1)官房長から、本年5月に署名された「刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国香港特別行政区との間の協定」について、国会の承認を得るため、近く閣議決定される予定である旨の報告があった。

(2)交通局長から、自動車安全運転センターの評議員の任命に係る認可につき、長官が専決処理した旨の報告があった。