定例委員会の開催状況

第1   平成218日(木)

午前10時00分 前1140

第2 出席者 佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「6月23日付けを始めとする地方警務官2名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成20年度における留置施設の巡察の実施状況について

官房長から、平成20年度において、警察庁及び管区警察局が、都道府県警察の留置施設に対して行った巡察の実施状況について報告があった。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「大阪府警察の警部補が、店舗に侵入して店員に傷害を負わせたとして5月26日に現行犯逮捕された事案等に関し、同府警察は、6月15日、同警部補を懲戒免職処分とした」旨、「警視庁の巡査部長が、酒気帯び運転をして人身交通事故を起こしたとして5月24日に現行犯逮捕された事案に関し、警視庁は、6月19日、同巡査部長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を警視総監注意の措置とする予定である」旨及び「山形県警察の警部補が、酒気帯び運転をして物損交通事故を起こしたとして5月30日に通常逮捕された事案等に関し、同県警察は、6月19日、同警部補を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長訓戒の措置とする予定である」旨の報告があった。

吉田委員より、「大阪府警察の事案の警察官は多重債務者だったのか」旨の質問があり、首席監察官から、「クレジット会社、信用組合等から借りていた」旨の説明があった。

吉田委員より、「岡山県で発生した愛媛県警察の警察官によるひったくり事案では、高校生が『警察官がひったくりをするとは世も末だ』と言っていたが、もっともであり、私もそう感じる。飲酒に絡むものも含め、懲戒免職事案が多いように感じられる。もうすぐ監察事案の上半期の統計がでるものと思うが、詳細に分析の上、報告願いたい」旨の発言があった。

田尾委員より、「飲酒に係る非違事案であれば、再発防止対策も有効であろうが、大阪府警察の事案や愛媛県警察のひったくり事案は資質の問題でもあり、深刻である。新聞紙面でも指摘されていたが、採用や昇進といった人事にまで踏み込んで対処していかなくてはならないのではないか」旨の発言があった。

葛西委員より、「組織としての上下の一体感が薄くなってきたことが原因ではないか。些細なミスをしたときに、上司が信頼できるかどうかで行動が異なり、結果も違ってくると思う。我々は管理者一体と言っているが、信頼関係があれば、小さな事案のうちに相談することにより、問題に対処でき、大きな事案に至らなかったのではないか」旨の発言があった。

(4)平成20年中の警察安全相談の状況について

生活安全局長から、平成20年中の警察安全相談の状況について、相談取扱件数の推移、相談内容等の報告があった。

(5)銃砲の全国一斉検査の実施結果及び平成20年中の銃砲刀剣類の所持許可等の状況について

生活安全局長から、4月1日から5月31日までの間に行われた銃砲の全国一斉検査の実施結果、平成20年中の銃砲刀剣類の所持許可状況及び猟銃等による事件・事故の発生状況について報告があった。

(6)児童ポルノの根絶に向けた重点プログラムの策定について

生活安全局長から、児童ポルノ事犯の深刻な状況にかんがみ、児童ポルノの根絶に向けた総合的な対策を推進するため、取締り、流通防止、被害児童支援の3点を施策の柱とする重点プログラムを策定し、本日、生活安全局長通達により同プログラムを都道府県警察に通知した旨の報告があった。

佐藤委員より、「児童ポルノ改正法案が成立しないため、警察として踏み込んだ対策がとれないということはないか。国際的に見てもロシアや日本の対策が遅れているとのことであり、関係省庁と連携して、児童ポルノの根絶に向けて、現行法の下でできる対策に全力を尽くしてほしい」との発言があり、生活安全局長から、「現行法の下でも、警察が当面推進可能な諸対策を『児童ポルノの根絶に向けた重点プログラム』にとりまとめたところであるが、今後、関係省庁とも連携し、広報啓発を行い、世論を盛り上げるなどの努力をしていきたい」旨の説明があった。

吉田委員より、「犯罪対策閣僚会議において児童ポルノの排除に向けた国民運動を展開するとのことであるが、振り込め詐欺被害防止、飲酒運転防止については国民運動が効果的であった。しかし、児童ポルノの根絶に取り組んでいる団体は少ないと思うが、国民運動が展開できるのか」旨の質問があり、生活安全局長から、「エクパット、ユニセフ等の児童保護を目的とした団体がいくつかあり、昨年リオデジャネイロで開催された世界会議に基づき、国内でも児童の性的搾取対策について行動計画を策定することが求められている。こうした団体や関係省庁と連携し、どういった形で今後国民運動をできるのか検討したい」旨の説明があった。

長谷川委員より、「この種のポルノを所持するのは大方が男性であり、日本男児の恥である。こうした観点からも、所持については禁止すべきである。また、子供が児童ポルノの被害者であり、子供自身には自己の権利を守る団体を作ることはできないので、しっかりとした団体を作ることが重要である」旨の発言があった。

葛西委員より、「日本で制作販売された少女への性暴力を扱うゲームソフトが問題となっており、ヨーロッパで販売禁止となった。このようなゲームソフトの制作自体が問題であると思うが、日本では、この種のゲームソフトの規制はどうなっているのか」旨の質問があり、生活安全局長から、「問題となったゲームソフトについては、自主審査機関であるコンピューターソフトウェア倫理機構が制作販売を禁止することとした。児童買春・児童ポルノ禁止法では、実在する児童のポルノを対象としており、アニメ等については対象外となっている。今後の大きな検討課題である」旨の説明があった。また、佐藤委員より、「アニメ大国と言っているくらいなのだから、この面でも自己規制をする必要があると思う」旨の発言があった。

(7)(株)浅井による事故米穀の不正規流通事件に係る被疑者の逮捕について

生活安全局長から、愛知県警察及び三重県警察の合同捜査本部は、6月12日、(株)浅井による事故米穀の不正規流通事件に係る被疑者を食品衛生法違反容疑で逮捕した旨の報告があった。

(8)タクシー運転手に対する強盗殺人等事件の検挙について(兵庫県警察・大阪府警察)

刑事局長から、昨年年末から本年年初にかけて兵庫県及び大阪府において発生したタクシー運転手に対する強盗殺人等事件の検挙について報告があった。

(9)「高齢運転者支援のための重点施策推進計画」の策定について

交通局長から、高齢運転者の交通安全を支援する対策を更に充実させるために、警察庁において、今後具体的に講ずべき措置事項及び実施時期を明記した計画として、「高齢運転者支援のための重点施策推進計画」を策定した旨の報告があった。

10)麻生総理大臣の「平成21年沖縄全戦没者追悼式」出席に伴う警護警備について

警備局長から、麻生内閣総理大臣は、6月23日、「平成21年沖縄全戦没者追悼式」出席のため、沖縄県を訪問する予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

11)警察庁未登録外部記録媒体利用制限ソフトウェアの運用開始について

情報通信局長から、警察情報の流出等を防ぐため、個人所有の外部記録媒体等の未登録の外部記録媒体の利用を制限するソフトウェアを警察庁の端末に導入し、平成21年7月1日から運用を開始することとした旨の報告があった。

3 その他

(1)刑事局長から、6月17日、栃木県警察本部において同県警察本部長による謝罪が行われた旨の報告があった。

(2)情報通信局長から、平成21年度補正予算により整備する「地域警察デジタル無線システム」のうち、「署活系無線機部分」の機能概要、現行の署活系無線システムからの主な改善事項等について報告があった。