定例委員会の開催状況

第1   平成225日(木)

午前10時00分 前1145

第2 出席者 佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

総括審議官、首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「7月3日付けを始めとする地方警務官等10名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案について

刑事局長から、金融庁において、金融商品取引業等に関する内閣府令の改正が予定されていることにあわせて、「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則」について所要の改正を行うものである旨の説明があり、原案どおり決定した。

(3)李明博大韓民国大統領来日に伴う静穏保持法に基づく外国公館等周辺地域の指定に関する協議について

警備局長から、李明博大韓民国大統領の来日に伴い、6月28日、内閣総理大臣官邸等の周辺地域を静穏保持法に基づく地域に指定したい旨の外務大臣から国家公安委員会に対する協議について説明があり、異議のない旨回答することとした。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成21年警察白書について

総括審議官から、7月下旬に閣議配付される予定の平成21年警察白書の内容等について報告があった。

佐藤委員より、「警察白書には、委員が出した意見も反映されている」旨の発言があった。

(3)「経済財政改革の基本方針2009」について

官房長から、6月23日に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2009」の内容等について報告があった。

(4)オウム真理教犯罪被害者救済法の施行状況について

官房長から、「オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律」の施行後6か月の申請・裁定状況等について報告があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「愛媛県警察の巡査部長が、平成21年6月4日、岡山市内の路上で女性の財布をひったくったとして現行犯逮捕された事案等に関し、同県警察は、6月25日、同巡査部長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意の措置とする予定である」旨の報告があった。

(6)「子どもを犯罪から守るための環境づくり支援モデル事業」の実施について

生活安全局長から、全国から15の防犯ボランティア団体を選定し、通学路等に防犯ボランティア団体の管理による街頭防犯カメラを設置するなど、子どもを犯罪から守るための環境づくり支援モデル事業を実施する旨の報告があった。

田尾委員より、「防犯カメラの通学路への設置というのは画期的だと思うが、今後は、積極的に全国で本件事業を展開する予定なのか。また、栃木県今市市の小学生が殺害された事件を契機に、文部科学省においても通学路の安全対策に関心を有しているものと思うが、文部科学省とも連携していくのか」旨の質問があり、生活安全局長から、「本件はモデル事業として国費で負担して実施するが、実施後には検証を行い、今後どうするか判断することを考えている。また、栃木県今市市の事件や広島市で発生した事件等では、文部科学省等の関係省庁とも協議して子ども守るための施策を検討した経緯もあることから、今後文部科学省とも連絡をとってまいりたい」旨の説明があった。

(7)平成20年中における家出の概要について

生活安全局長から、平成20年中に捜索願を受理した家出人は8万4,739人で、前年に比べ3,750人、4.2%減少したこと等について報告があった。

(8)消費生活侵害事犯対策ワーキングチームの検討結果について

生活安全局長から、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」の「消費者の目線に立った生活経済事犯への対策の強化」の具体的推進方策を検討するために設置された「消費生活侵害事犯対策ワーキングチーム」の検討結果について報告があった。

(9)電車内における痴漢事犯への対応について

刑事局長から、電車内における強制わいせつ事件につき、4月14日に最高裁判所で言い渡された無罪判決を踏まえ、本日、電車内における痴漢事犯捜査上の一般的留意事項、検挙対策、関係機関との連携強化について通達を発出した旨の報告があった。

10)薬物事犯取締活動強化月間の実施結果について

刑事局長から、5月11日から6月10日までの間に薬物事犯取締活動強化月間を実施し、覚せい剤取締法違反等で3,016人を検挙した旨の報告があった。

11)李明博大韓民国大統領来日をめぐる情勢と警察措置について

警備局長から、6月28日、李明博大韓民国大統領が来日し、東京都内で麻生内閣総理大臣との会談等を行う予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

3 その他

(1)官房長から、平成18年6月に発生した栃木県警察におけるけん銃発砲による死亡事案等に対してなされた付審判決定に関し、弁護士費用の公費負担に係る検討状況について補足的な報告があった

 葛西委員より、「警察の仕事は警察官の現場での個々の判断に基づき、職務執行を行うことから、組織として支援しない場合には、警察官が、例えば、犯人を追いかけるが、危ないときは犯人を逃がすなど消極的になるおそれがある。そうした事態になれば、警察という組織の存立基盤に関わる問題となる。根本的な問題には、確固たる決意をもって取り組まなければならない。基本的に都道府県警察に要する経費は県費負担であり、県が支出に逡巡するために已むを得ざる状況とのことであるが、確固たる使命感と決意の下に、何としても公費負担とするという決意で臨んでほしい。難しい現状にあるのは不本意であるが、訴えられた警察官を孤立させないことは警察組織力維持の原点であり、必ずや結果を出すために、方策を検討してほしい」旨の発言があった。

 佐藤委員より、「警察庁がここまで検討したことは評価する。中間報告とのことであるので、公費負担を可能とする方途を引き続き検討してほしい」旨の発言があった。

 また、吉田委員より、「国家公安委員会としてもこの問題を重視している。より強い決意で本件に臨んでほしい」旨の発言があり、官房長から、「本件は経費の負担区分の根幹に関わる問題でもある。いずれにせよ、訴えられた警察官を孤立させないため、できる限りの努力をしていきたい」旨の説明があった。