定例委員会の開催状況

第1   平成224日(木)

午前10時00分 午前1120

第2 出席者 中井委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

国家公安委員会会務官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)警察庁長官及び地方警務官に係る人事評価実施規程等について

官房長から、「警察庁長官及び地方警務官に係る人事評価実施規程」及び「警察庁職員に係る人事評価実施規程」について説明があり、「警察庁長官及び地方警務官に係る人事評価実施規程」について原案どおり決定した。

田尾委員より、「人事評価の手続や方法として、面談、自己申告、評語があり、長官級職員と幹部級職員については、特例として省略できるとのことであるが、結局全体評語のみを公安委員会として記載すれば良いと理解していいか」旨の質問があり、官房長から、「特例として期首、期末面談は省略できることとなっている。全体評語については、長官級は2段階、幹部級は3段階で行うことにしている」旨の説明があり、田尾委員より、「そういう形で特例を設けることは適切であると思う。具体的には、長官級職員の能力評価に関する別記様式第1号の自己申告の欄、評価項目及び行動の欄には被評価者が記載せず、下段の全体評語等に公安委員会として記載するということか。それとも、項目があるので、自己申告したい職員は自己申告させて良いという趣旨なのか」旨の質問があり、官房長から、「省略することができることにしているが、細かく評価したい場合は、できるような様式にしている。実際はそこまでやる必要はない」旨の説明があった。

田尾委員より、「業績評価では、例えば、目標等の欄には、こういったことが目標であると具体的にこちらの方で考える必要はないのか」旨の質問があり、長官から、「ここには、被評価者がこういう重点、方針でやりたいという目標を書くものである」旨の説明があり、田尾委員より、「面談は省略することとなるため、目標等の欄はいらないのではないか」旨の質問があり、長官から、「面談をするかどうかは別にして、部下を評価するときに書いてあった方が、仕事のどこに重点を置くのかがよく分かることもあり、私についても、どういう考えでどういう仕事を目標にするかを書いて、また、期末のときに、自分なりの主観ではあるが、十分達成できたかどうかを書くこととしたい。必要であれば、面談していただいて良いと思う」旨の説明があった。

委員長より、「質問が2つある。一点目は、ランクがSから始まって5つくらいまであるが、それぞれのランクは、全員Sでもよければ、全員Aでもいいということなのか。それともSは何パーセント、Aは何パーセントという大まかな基準があるのかどうか。それからもう一つは、任命権が違うからということもあるが、県警本部長や警視総監に対して、それぞれの都道府県の公安委員が評価をしないというシステムは、少し違うのではないかという気もする。以上の2点について考えを聞かせてほしい」旨の質問があり、官房長から、「まず評価についてであるが、絶対評価であり、理論上全員Sでもかまわない。相対評価で各所属ごとに何パーセントと決めてしまうと、本来優秀な人でも優秀でないと評価されることもあり得るなど、メリット、デメリットがある」旨の説明があり、委員長より、「絶対評価というのは、私は危ないと思う。葛西委員、民間でそんなことは考えられるのか」旨の質問があり、葛西委員より、「相対評価よりは絶対評価がいいと思う。無理して何パーセント、3割、6割、3割と決めていく形は、評価する側からすると、なかなか評価しにくいものである。人事評価については、規程を作って、規程に従って、達成度を自分で申告させて、評定者がそれを判断するという仕組みというのは、あまり適切な判断ができない仕組みだと思う。自己評価するときに自分に対して常に高い標準で評価するタイプとほぼ人並みと評価する人とまちまちである。また、上司も部下を評価するときに、色んな癖がある。したがって、自己評価も上司の評価も客観的ではなく、あまり定量化になじまない。皮膚感覚みたいなものがすごく大事で、長い期間かかって色々な人が見ることが一番いいと思う。警察組織では、上司が毎年変わっていることから、色々な人が見る機会があって、最終的には適正な評価にたどり着くのではないか」旨の発言があった。

官房長から、「都道府県公安委員会又は公安委員が警視総監や本部長の評価をすることについては、我々も大変重要なものと思っており、人事上の参考にしている。実際の実施権者である長官又は長官から委任された管区局長といった評価する側は、そういう評判を参考にしながら、評価に反映させていくことになると思う」旨の説明があり、委員長より、「都道府県の公安委員は、大体4、5人の本部長と付き合うこととなり、各評価対象を極めて比較しやすいということとなる。都道府県公安委員会の評価も、外からチェックを受けるという意味で、考えた方がいいのではないか」旨の発言があった。

  報告事項

(1)平成21年上半期の「インターネット・ホットラインセンター」の運用状況について

生活安全局長から、平成21年上半期の「インターネット・ホットラインセンター」において通報を受理した状況、サイト管理者等に削除依頼した状況について報告があった。

委員長から、「インターネットにおける違法情報、有害情報の収集に関し、民間や特殊法人に委託している国はあるのか。本来は警察の任務なのではないか。各国が非常に重要視して取り組んでいる中で、日本だけが委託しているのではないか。アメリカでは民間委託しているのか」旨の質問があり、生活安全局長から、「警察においてもサイバーパトロールを実際に警察官が画面を見てやっているが、なかなか手が回らない状況であり、民間の団体に委託をし、違法情報、有害情報の仕分けをしてもらうようになった。なお、アメリカでは、サイバーティップラインという団体に委託している」旨の説明があり、委員長より、「その団体、構成、予算措置等について一度説明願いたい」旨の発言があった。

委員長より、「インターネット・ホットラインセンターが警察に通報しても、警察が必ずしも捜査するわけではないのか」旨の質問があり、生活安全局長から、「中にはネット上に存在していても古い情報が結構あり、検挙が困難なものがある。それから同じ違法情報について、多くの人から通報を受けることもあり、そういったものを見極めながら、捜査をやっている。実際の検挙の数はそんなに多くはないが、いずれにしても違法情報を放置することはできないのでそれについては捜査するということにしている」旨の説明があった。

吉田委員より、「一度インターネット・ホットラインセンターの視察に行かれてはどうか」旨の発言があり、委員長から、「天下り先になっていないかどうかも含めて、チェックしてから行くこととしたい」旨の発言があった。

(2)第45回衆議院議員総選挙の違反取締状況について

刑事局長から、第45回衆議院議員総選挙における違反取締状況について、検挙状況の報告があった。

(3)銀行業界における普通預金取引等からの反社会的勢力介入排除について

刑事局長から、「全国銀行協会では、反社会的勢力との関係遮断を推進するため、融資取引以外の取引からの排除の検討を重ね、本日付で、会員銀行等に対し、普通預金取引等からの反社会的勢力介入排除について通知を行う。警察庁では、全国銀行協会と連携をとりつつ、反社会的勢力に関するデータベースの構築等についての検討を支援する」旨の報告があった。

(4)平成19年改正道路交通法の施行後3ヶ月の結果について

交通局長から、平成19年改正道路交通法の施行により、本年6月1日から導入された講習予備検査の実施状況及び特定違反行為に係る行政処分の処分状況について、施行後3ヶ月の結果の報告があった。

(5)天皇皇后両陛下の第64回国民体育大会御臨場等(新潟県)に伴う警衛警備について

警備局長から、天皇皇后両陛下は、9月25日から27日までの間、「第64回国民体育大会」御臨場等のため、新潟県へ行幸啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

(6)皇太子殿下の日本メキシコ交流400周年記念式典御臨席等(千葉県)に伴う警衛警備について

警備局長から、皇太子殿下は、9月25日から26日までの間、日本メキシコ交流400周年記念式典御臨席等のため、千葉県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

(7)電子申請等関係システムの利用状況に係る会計検査院の意見表示について

情報通信局長から、国の警察機関の電子申請等関係システムの利用状況について、会計検査院の意見表示を受けたことから、意見表示の概要及び今後の対応についての報告があった。

佐藤委員より、「以前にも、電子申請等関係システムの実施状況について、警察関係はほとんど利用がないが、今後、大いに利用を高めるように努力したいという話があったときに、使わないものはやめることも含めて検討した方が良いのではないかと申し上げたことがあると思うが、今回の話についても、単に費用対効果を改善するということだけではなくて、会計検査院の意見にあったように、停止すべきものは停止する、残すものは残すということで見直しをした方が良いのではないか」旨の発言があり、情報通信局長から、「防衛省のように、パブリックコメントを行い、このシステムをやめた省庁もあることから、警察庁もやめるという選択肢もあるが、この同じシステムを通じて金融庁から情報を受けている。今やめると金融関係の情報が得られないことから、このシステムをある期間使うと必ず次のシステムに更新しなければいけないが、そういった際にシステムを縮小することも考え、どういう方法がいいのかについて考えていきたいと思う。僅かではあるが、今ある手続でも使われているので、慎重に手続をしてまいりたい」旨の説明があった。

田尾委員より、「電子政府評価委員会に報告して、評価を受けて、手続、意見を求めてから、停止になるのか」旨の質問があり、情報通信局長から、「そのとおりである。やめる場合は、一方的にはなかなかできず、電子政府評価委員会の評価を求めることになると思う」旨の説明があった。

葛西委員より、「金融の情報には有効に使われているのであれば、そのためのシステム構築というのは有効ではないか。会計検査院が利用頻度が少ないとしたそれ以外のシステムの評価をどうするかというのは、プラスアルファとして付加したときにどれくらいの経費がかかるかとか、それをやめたら、どれくらいの経費を免れるかというところで判断できる。必要な金融関係の情報をやりとりするシステムも含めての経費について会計検査院は指摘しているのか」旨の質問があり、情報通信局長から、「検査対象に金融関係の部分は含まれていないが、システムのレンタル費用、コンピュータの借り上げ費用のようなものについて共用している部分もあり、この部分を分けることはできない」旨の説明があり、葛西委員より、「大事なところとほとんど使われていないところの費用はどれくらいなのか」旨の質問があり、情報通信局長から、「どれくらい安くなるのかというのはまだ計算していないが、変更するにしても費用が随分かかるのではないか。その費用とシステムの一部を削減したときの費用の費用対効果を見積もらなければならないと思う。18日に意見表示を受けたところなので、しっかりと検討したい」旨の説明があった。

委員長より、「システムの更新はいつなのか」旨の質問があり、情報通信局長から、「更新は2年か3年後になると思う。更新前に費用をかけてシステムを縮小した方が安上がりなのかこのまま更新時まで使ってやめた方がいいのかということを考えなければならない」旨の説明があり、委員長より、「計算も含めて、今後どうするのか後日出してほしい」旨の発言があった。

3 その他

(1)刑事局長から、栃木県警察において、昭和54年栃木県足利市発生幼女殺害事件の遺留品に対する鑑定を実施する旨の報告があった。

(2)刑事局長から、9月20日発生の千葉県勝浦市における建物火災について、捜査状況等の報告があった。

(3)国家公安委員会会務官から、「前回の国家公安委員会定例会議での定例会議後の記者会見についての協議等の結果、本日から、国家公安委員会定例会議終了後に国家公安委員会委員長が記者会見を行い、委員長が出席できないときは、公安委員が記者会見を行うこと、警察庁長官が陪席すること、委員長及び各委員とも都合により対応できないときは、委員長の許可の下で警察庁長官が記者会見を行うこととすると伺っている」旨の説明があり、その内容が確認された。