定例委員会の開催状況

第1   平成210日(木)

午前10時00分 午前1105

第2 出席者 中井委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の決定について(行政機関個人情報保護法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関が保有する個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求に対する決定について報告があった。

(2)平成21年度第一次補正予算の事業に係る執行の見直しについて

官房長から、平成21年度第一次補正予算の事業に係る執行の見直しについて報告があった。

委員長より、「本年度の第一次補正予算の削減については、本当に削減できるのかと項目等を見て不安に思ったが、契約で差金額がかなりあったことと、それから二つの項目で警察側が思い切った決断をして執行を停止したので、金額としては少ないが、数字的にはかなり高い数字になったと考えている。感謝を申し上げたい」旨の発言があり、佐藤委員より、「今の数字を見て驚いたが、契約差金については、競争入札の効果が出たということであれば、それはそれとして、良かったと思う」旨の発言があり、吉田委員より、「景気浮揚のために予算を出してくれという当時の内閣の方針があったので、我々もゴーサインを出したわけであるが、政権交代が行われて内閣の方針が変わり、第一次補正予算の執行を見直した結果、大きい数字の見直し額が出ている。今後、与党の方針についてなど、委員長からも聞かなければならないことが多々出てくると思うのでよろしくお願いしたい」旨の発言があり、委員長より、「証拠をより重視した捜査という観点で、科学捜査の分野に御配慮いただいている。そういったところへの重点的な人員や機材の配置をお考えいただきたいということを申し上げている。この前回の景気対策は、前内閣が少し急ぎすぎたと思う。期限が非常に短いために金額の査定又は事業をかなり思い切ってしたのではないか。そういう意味では見直そうと思えば見直せたというプラスもあった。今回の概算も期限的には短く、皆さんが決めたことをそんなにいじれるものではないということは承知しているが、また御協議願いたい」旨の発言があった。

(3)平成22年度予算編成の方針について

官房長から、先に閣議決定された平成22年度予算編成の方針について報告があった。

佐藤委員より、「来年度予算についてであるが、委員長の御就任のときに、委員長のお考えやマニフェストを踏まえてのお考えを我々に説明していただけるという話があったが、概算要求重点項目を議論する前に、あるいは来週の公安委員会の最初の一時間くらいを割いて、委員長のお考えを聞く場を作った方が、我々が概算要求重点項目を判断するために良いのではないかと思う」旨の発言があり、委員長より、「承知した。今日辺りから、就任挨拶ということで最高裁、弁護士会等を訪ねる予定であり、その中で民主党のマニフェストに載っている警察関係の項目を説明していきたい。また、今度の予算で、マニフェスト実現に向けた予算項目を新たに付けてくれというお願いを昨日したところである。その他の削減については、委員の御意見等も承っていきたいと考えているので、来週また時間をいただきたい」旨の発言があった。

(4)千葉県警察による平成20年度会計に係る不適正な経理処理について

官房長から、千葉県警察による平成20年度会計に係る不適正な経理処理について報告があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、大阪府警察の巡査が酒気帯び運転をした事案に関し、同府警察は、10月1日、同巡査を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意の措置とする予定である旨の報告があった。

(6)平成21年全国地域安全運動及び安全・安心なまちづくり関係者功労表彰等の実施について

生活安全局長から、本年の全国地域安全運動及び安全・安心なまちづくり関係者功労表彰等について報告があった。

(7)電車内における痴漢事犯対策に係る首都圏警察担当課長会議の開催について

生活安全局長から、電車内における痴漢事犯対策に係る首都圏警察担当課長会議を開催する予定である旨の報告があった。

委員長より、「今年の3月か4月に、痴漢で検事が逮捕され、地検の部長が迎えに行き、警察が釈放した後に発表した事案があった。検察の方ではその日のうちか翌日に自己退職させて処分したという法曹界、取締り界も含めて甘いお裁きがあったのではないかと当時怒った記憶がある。検事があんなことをしたので驚いてしまった。この事案について一度説明をお願いしたい」旨の発言があった。

(8)第45回衆議院議員総選挙の違反取締状況について

刑事局長から、第45回衆議院議員総選挙における違反取締状況について、検挙状況の報告があった。

(9)国外逃亡被疑者の逮捕について

刑事局長から、平成13年10月10日、千葉県柏市において発生した韓国人留学生殺害事件に関し、中国へ国外逃亡していた被疑者を平成21年9月25日に逮捕した旨の報告があった。

10)第41回全国白バイ安全運転競技大会の開催について

交通局長から、10月10日及び11日の二日間の日程により、茨城県ひたちなか市所在の自動車安全運転センター安全運転中央研修所において、第41回全国白バイ安全運転競技大会を開催する旨の報告があった。

11)鳩山内閣総理大臣のデンマーク訪問(IOC総会出席)に伴う警護警備について

警備局長から、鳩山内閣総理大臣は、10月1日から3日までの間、IOC(国際オリンピック委員会)総会出席のため、デンマークを訪問する予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

12)皇太子殿下の第33回全国育樹祭御臨場等(長崎県)に伴う警衛警備について

警備局長から、皇太子殿下は、10月3日から5日までの間、第33回全国育樹祭御臨場等のため、長崎県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

3 その他

(1)官房長から、警視総監及び道府県警察本部長の人事評価について、「先週の国家公安委員会定例会議において、委員長から『都道府県公安委員の評価を参考にした方がいいのではないか』との御指摘を受けて検討した結果、評価者である警察庁長官又は管区警察局長が、都道府県公安委員会から意見を聴取する仕組みを設けることといたしたい」旨の報告があった。

 吉田委員より、「公安委員会としては、今回の都道府県公安委員会から意見を聴取する仕組みについてはこれで良いとのことで意見が一致している。しかし、公安委員会は合議制であり、また、本部長の人事の任命権は公安委員会にあるので、それに絡むような問題又は予算については、公安委員会定例会議の前に公安委員の間で十分協議し、意思決定ができるようにしてもらいたいとの意見があったので申し述べる。都道府県公安委員会の中でも異論が出るかもしれないが、その場合、国家公安委員会において議論してこれで良いとした方が良いこともあると思う」旨の発言があり、佐藤委員より、「案件によっては、委員それぞれへの事前説明に加えて、公安委員会の定例会議の前に、公安委員の間で十分意見交換をする必要があるので、そのための時間がとれるような段取りを考えてもらうことが大事だということを申し上げた次第である」旨の発言があり、長官から、「そのように配意していきたいと思う」旨の説明があった。

(2)官房長から、インドネシア・スマトラ島における地震の発生について報告があった。

(3)吉田委員より、「昨日で秋の交通安全運動が終わり、その報告は後日あると思うが、今年はトレーラー車がひっくり返る事故などが目立つ。ここ2、3年見ていると、池袋のタンクローリー車の事故等が発生したが、大型トラックの事故は影響が大きい。大型車の事故は、長期間にわたって交通体系に混乱をもたらすので、どういう傾向になっているのか、業者に対してどういう注意喚起をしているのか等を交通安全運動のまとめとは別個に報告していただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「まず、昨日で終わった秋の交通安全運動の取組みであるが、死者が133人で前年同時期よりも二人増えたが、発生件数、負傷者数はそれぞれ減少となっている。首都高の池袋で発生したタンクローリーの事故であるが、損害賠償額は、大体40数億円になるのではないか。損害賠償の請求方法等については、首都高の方でまだ検討中とのことである。いずれにしてもタンクローリー車、牽引車等についてどの程度事故が起こっているのかについて調べて御報告させていただきたい」旨の説明があり、吉田委員より、「これは大した理由でないかもしれないが、聞くところによると、大型車向けの駐車場がなく、駐車ができない。そうすると、本当は休憩した方がいいと思うのが、無理して運転してしまうことがあり、問題があるのではないかと実際に運転している人が話していた。確かに都心では駐車できるところはない。そういうことも含めて、研究してみる必要があるのではないか」旨の発言があった。