定例委員会の開催状況

第1   平成21029日(木)

午前1005 午前1155

第2 出席者 吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)国家公安委員会委員長を代理する者の互選について

委員間の互選により、11月1日以降の「委員長を代理する者」の順位について、第1順位葛西委員、第2順位長谷川委員、第3順位田尾委員、第4順位佐藤委員、第5順位吉田委員とした。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、千葉県警察の警部補が酒気帯び運転をした事案に関し、同県警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、10月30日、監督責任として、地方警務官の警察署長を本部長注意の措置とする予定である旨の説明があり、原案どおり了承した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

  報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の決定等について(行政機関情報公開法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係の開示請求に対する決定について報告があった。

(2)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(3)平成21年度第2四半期監察の実施状況について

官房長から、警察庁が都道府県警察等に対して行った平成21年度第2四半期における監察の実施状況について報告があった。

(4)平成21年秋の勲章等の伝達式について

官房長から、11月3日に発令される平成21年秋の叙勲等に関し、警察関係の受章者に対する勲章等の伝達式の予定等について報告があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(2)で説明のあった千葉県警察の警部補が酒気帯び運転をした事案に関し、同県警察は、10月30日、同警部補を懲戒免職処分とする予定である旨の報告があった。

(6)子ども女性安全対策班の活動状況について

生活安全局長から、子どもや女性を対象とする性犯罪等の前兆事案とみられる声かけ、つきまとい等について行為者を特定し、検挙又は指導・警告措置を講じる活動を専門的に行うことを目的として、今春、全都道府県警察本部に設置された「子ども女性安全対策班」の4月から9月までの間における活動状況について報告があった。

(7)凶悪・重大犯罪の公訴時効等の在り方に関する法制審議会への諮問について

刑事局長から、10月28日、法務大臣が、法制審議会に対し、公訴時効の在り方等の法整備の要綱骨子を示すよう諮問した旨の報告があった。

(8)指名手配被疑者捜査強化月間の実施について

刑事局長から、オウム真理教関係の警察庁指定特別手配被疑者や悪質・重要な指名手配被疑者の早期検挙を図るため、11月に指名手配被疑者捜査強化月間を実施する旨の報告があった。

(9)千葉県松戸市松戸における女性殺人並びに放火事件について(千葉県警察)

刑事局長から、10月22日、千葉県松戸市松戸のアパートにおいて発生した殺人並びに放火事件について、捜査状況等の報告があった。

10)警察庁長官に対する訂正請求の決定について(行政機関個人情報保護法関係)

交通局長から、警察庁長官に対してなされた行政機関個人情報保護法関係の訂正請求に関し、保有個人情報の訂正決定について報告があった。

11)一般道路における速度規制に係る「交通規制基準」の改定及びより合理的な交通規制の推進について

交通局長から、交通規制を実施する場合の標準を定める「交通規制基準」のうち一般道路の速度規制に係る部分を改定するとともに、都道府県警察に対し、より合理的な交通規制の推進について指示する旨の報告があった。

12)天皇皇后両陛下の第29回全国豊かな海づくり大会中央大会御臨席等(東京都)に伴う警衛警備について

警備局長から、天皇皇后両陛下は、10月30日、第29回全国豊かな海づくり大会中央大会レセプション御臨席のため、東京都千代田区へ、10月31日、同中央大会御臨席等のため、東京都港区へそれぞれ行幸啓になる予定であり、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

3 その他

(1)官房長から、日EU刑事共助条約の交渉状況について報告があった。

葛西委員より、被請求国は、請求国において、死刑の可能性のある罪に関して、「重要な利益」が害されるおそれがあるものとして共助を拒否することができるとする規定に関し、「この条文は、いわば非対称的な、不平等な内容を合意するという条文である。EUスタンダードである死刑廃止を日本にも及ぼそうというEUの意図が感じられる。国の主権、尊厳を傷付けてまで結ぶ捜査上の実益はないと思うし、国の刑法体系に影響を及ぼす危惧もあることを看過すべきでない。順法精神を曲げてまで、結ぶほどのメリットがある事柄とは思えない。結論からすると、結ばないのが一番良いということになるのではないか。私は反対であるが、委員長がいないところで決めるわけにはいかないのではないか。死刑廃止論とも結び付くことと思うし、慎重に考えるべきだと思う」旨の発言があり、田尾委員より、「死刑に関する規定について、いわゆる片務性というのはかなり不均衡が著しいと思う。死刑に関する罪の部分を条約から外せないのはなぜか」旨の質問があり、官房長から、「国によって制度は違うものであり、死刑制度以外にもあり得るが、条文で明記するというのは今回が初めてである。EUはこういう規定を明記する傾向があるようである。条約を担当する外務省国際法局によれば、法制の違いを理由に当該条文が出てくるのは普通のようである」旨の説明があり、葛西委員より、「法制度の在り方も含めて考えるような性格であるので、急いで条約を結ばないで、じっくり腰を据えて考えたら良いのではないか。また、本件は、官邸レベルに引き上げて議論すべき話だと思う」旨の発言があり、吉田委員より、「この問題は委員長がおられるときにもう一度議論したいと思う」旨の発言があった。

(2)刑事局長から、埼玉県警察の詐欺事件被疑者の検挙について報告があった。

 吉田委員より、「報道を見ていると、これは日をおって不気味な事件になっている。体感治安上も非常に良くないので、早いうちに全容を解明する努力を願いたい」旨の発言があった。

(3)警備局長から、10月27日、民主党本部において発生した建造物侵入等事案について、事案概要等の報告があった。