定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成22年1月14日(木)

午前10時00分 午前11時05分

第2 出席者 中井委員長、吉田、葛西、長谷川、田尾、髙木各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

  報告事項

(1)大臣政務官の新設等について

官房長から、政府部内における政治主導体制の強化の一環として、国家公安委員会に置く大臣政務官の新設等について報告があった。

吉田委員より、「委員長補佐官を置くということ、公安委員会定例会議を傍聴するということは了解していたが、途中から大臣政務官に名称が代わった。副大臣、政務官というと、公安委員会との関係で問題が出てくるかもしれないことから政務官の名称を避けていたと思っていた。しかし、補佐官が政務官という名称に変更されたのであれば、これが突破口になり、問題が将来出てくる懸念も生ずると思うが、その点についてはどうか」旨の発言があり、委員長より、「国会に法案を提出するなどのときに一人だけ補佐官というのは、説明しにくいところもあるので、大臣政務官に統一したのではないかと思う。公安委員会の仕組みに関与したりすることはない」旨の発言があり、官房長から、「詳しい経緯は不明であるが、内閣官房が立案しており、立案過程で名称が変更となったが、法案はまだ確定していない。大臣の政務を補佐するものであり、名前は似たような名前だが、一般の政務官とは性格は異なるものであると聞いている」旨の説明があった。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、埼玉県警察の巡査が、女性にわいせつ行為をしたとして、平成21年12月10日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、1月15日、同巡査を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司らを本部長注意等の措置とする予定である旨及び兵庫県警察の巡査が、知人男性らと共謀の上、男性を監禁し傷害を負わせたとして、平成21年12月26日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、1月15日、同巡査を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意の措置とする予定である旨の報告があった。

(3)平成21年の刑法犯認知・検挙状況について【暫定値】

生活安全局長から、平成21年の刑法犯の認知件数は、前年に比べて6.3パーセント減少、検挙率は0.5ポイント上昇していること等について報告があった。

(4)大阪府羽曳野市所在の居酒屋店内におけるライフル銃使用殺人事件について(大阪府警察)

刑事局長から、1月12日、大阪府羽曳野市所在の居酒屋店内において発生したライフル銃を使用した殺人事件について、捜査状況等の報告があり、生活安全局長から、使用されたライフル銃の許可状況等について補足説明があった。

(5)壁破りを侵入手段とした貴金属店対象の多額窃盗事件について

刑事局長から、1月1日から2日にかけ東京都内の貴金属店において発生した壁破りを侵入手段とした多額窃盗事件に関し、香港警察が関連被疑者6人を逮捕した旨の報告があった。

(6)第50回交通安全国民運動中央大会の開催について

交通局長から、1月18日及び19日、都内において、第50回交通安全国民運動中央大会が開催され、第1日目は分科集会、第2日目の日比谷公会堂における本会議では、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、交通栄誉章等の表彰、交通安全宣言等が行われる旨の報告があった。

(7)速度違反取締りに係る交通切符(赤切符)誤適用事案の全国調査結果等について

交通局長から、「自動車専用道路において、交通反則切符(青切符)処理となる時速30キロメートル以上時速40キロメートル未満の速度超過違反について、誤って非反則行為として交通切符(赤切符)処理した事案につき全国調査を実施した結果、佐賀県警察での20件、山梨県警察での251件のほかに、北海道警察で4件の同種事案が判明した。全国警察に対しては、取締りに従事する職員に対する指導教養や幹部による業務管理の徹底を指示済みであり、今後、本件発生原因の調査結果等を踏まえ、再発防止策について改めて全国警察に指示する予定である」旨の報告があった。

(8)警察庁長官に対する開示請求の決定について(行政機関個人情報保護法関係)

交通局長から、警察庁長官に対してなされた行政機関個人情報保護法関係の開示請求に対する決定について報告があった。

(9)民主党2010年度定期大会に伴う警護警備について

警備局長から、1月16日、都内において、民主党2010年度定期大会が開催される予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

10)皇太子殿下の阪神・淡路大震災15周年追悼式典御臨席等(兵庫県)に伴う警衛警備について

警備局長から、皇太子殿下は、1月16日から17日までの間、阪神・淡路大震災15周年追悼式典御臨席等のため、兵庫県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

3 その他

(1)委員長より、「1月12日に開催された閣僚懇談会において、市警察部の在り方、非違行為に関する内部監察の充実強化、内閣府の特命担当大臣が担当している銃器対策推進本部等の担当大臣の見直しについて新たな提言をさせていただいた。市警察部の在り方については、14道府県において18の市警察部が存続している。市警察部となっているが、人事も予算も全て県のものであるので、『この際廃止してはどうか。代わりに、市警察部がある道府県は大規模なところであるので、本部長の下に副本部長を置くという制度改革を考えてみてはどうか。副本部長については、警察庁からの人事だけでなく、道府県の警察官の士気高揚にもつながるので、半分くらいは道府県警察の警察官からも抜擢してはどうか』と提案した。来年度予算の人員及びポストの増につながるので、各政令指定都市、警察内部、公安委員会で一度議論いただきたいと思う。政府の来年度の対応の中で声を上げなくてはならないと思い、入れさせていただいた」旨の説明があった。

   長官から、非違行為に関する内部監察の充実強化に関し、「平成12年の警察改革以降、内部監察の機能は強化されており、それなりに機能しているのではないかと思う」旨の説明があり、葛西委員より、「内部監察の強化というのは、非違事案を予防するためか。非違事案を減らすための手段として、監察の強化が有効なのだろうか。使命感、士気の高揚とか規律の厳正について考えなくてはならないのではないか」旨の発言があり、委員長から、「26万人の警察官がプライド、誇り、使命感を持って職務に当たるのが一番大事であることは間違いないと思う。しかし、世界の警察を見ると、現実にいろいろな事案が起こっているので、内部と外部両方のチェックが必要である。組織を作ったからと言ってきちっとなるわけではないが、制度として作るのが大事だと思う。一遍にできるものではないので御議論いただければと思う」旨の説明があった。

(2)官房長から、ハイチにおける地震の発生について報告があった。