定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成22年4月22日(木)

午前10時00分 午後0時20分

第2 出席者 中井委員長、吉田、葛西、長谷川、田尾、髙木各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官、国家公安委員会会務官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)警察庁長官等の評価手続について

警察庁長官等の評価手続について実施した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、福井県警察における物品購入に係る不適切な事務処理等事案に関し、警察庁長官は、監督責任により、福井県警察警務部長等を懲戒手続に付する必要があると認め、本日、国家公安委員会に申し立てを行う旨の説明があり、その結果、国家公安委員会において懲戒審査会に審査を要求する旨が決定された。

田尾委員より、「総額などを先例と比較すると、警務部長は戒告が相当ではないか。前本部長は警察庁職員であるが処分はどう考えているのか」旨の発言があり、長官から「本部長及び警務部長に対してはこれまでも、不適切経理防止について指示してきているし、平成20年の警察庁通達を発出した後も、福井では不適切な事務処理が行われていたことは遺憾である。本部長は減給と考えている」旨の説明があり、田尾委員より、「通達後も不適切事務処理が行われていたということだが、会計部門が、上司の指示を十分に受け止めていないのではないかと懸念される。現場を預かる会計課長クラスをきちんと処分すべきではないか」旨の発言があり、委員長より、「取調べ当局を預かるところでこうした恥ずかしいことが次から次へと行われていたことについて、やはり襟を正すべきだ。最初は必要な物品を購入するために行われていても、次第にビール券等の購入などに移行していくのが通例になっている。会計担当者を含めて県庁と同様の処分をすべきだ」旨の発言があり、吉田委員より、「本部長は会計帳簿も見ていないし、預けが行われていたことを知らなかったのではないか」旨の発言があり、官房長から、「本部長の責任の所在は、個々の不適切支出を防止できなかったことにあるのではなく、県警全体に不適切事務処理が蔓延していた場合に、本部長としての指示、指導の在り方について責任を問うということである」旨の説明があった。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

  報告事項

(1)国家公安委員会委員長に対する行政文書開示請求に関する決定について

国家公安委員会会務官から、3月5日になされた国家公安委員会委員長に対する行政文書開示請求に関し、開示請求に係る手数料が納付されていないなど、当該開示請求に形式上の不備があることから、警察庁において不開示処分の専決処理とする旨の報告があった。

(2)警察庁長官に対する開示請求の決定等について(行政機関情報公開法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係の開示請求に対する決定について報告があった。

(3)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(4)平成21年中における地方警務官に係る株取引等報告書について

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から平成21年における株取引報告書が国家公安委員会に対して提出され、これを国家公安委員長が受理し、その写しを国家公務員倫理審査会へ送付することとしている。」旨の報告があった。

(5)平成21年中における地方警務官に係る所得等報告書について

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から平成21年における所得等報告書が国家公安委員会に対して提出され、これを国家公安委員長が受理し、その写しを国家公務員倫理審査会へ送付することとしている。」旨の報告があった。

(6)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(2)で説明のあった福井県警察の事案に関し、当時の警察本部長は、現在地方警務官でないことから、警察庁長官が処分する予定である旨、福岡県警察の巡査部長が児童買春したとして4月7日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、4月28日、同巡査部長を懲戒免職処分とする予定である旨及び鹿児島県警察の警部補らが、銃砲所持許可業務等を懈怠した事案に関し、同県警察は、4月21日、同警部補ら9名を停職1月等の処分とするとともに、監督責任として、上司15名を戒告等の処分等とした旨の報告があった。

田尾委員より、「鹿児島の事案について、保安協会の職員が関係者にいるとのことであるが、かかる職員は全国で雇われているのか。また、どのような経緯で発覚したのか」旨の発言があり、首席監察官から、「保安協会がある都道府県は、全国でも10数県しかなく、かつ、そのうち職員を雇っているところは2県しかない。なお、鹿児島で職員が配置されているところは、当時28署中17署であり、鹿児島に特有のシステムといえる。また、発覚の経緯については、長崎県佐世保市で発生した猟銃乱射事件を契機に、全国的に猟銃の所持状況を調査していたところ、許可番号等が重複しているのが発見された。本来、銃砲管理システムをきちんと運用していれば、このような重複は判明したはずであり、その原因についてデータをさかのぼって確認した結果、今回の不正が発覚したものである」旨の説明があった。

(7)平成21年度第4四半期監察の実施状況について

首席監察官から、警察庁が都道府県警察等に対して行った、平成21年度第4四半期における監察の実施状況について報告があった。

(8)平成22年春の勲章伝達式について

官房長から、平成22年春の勲章伝達式について報告があった。

(9)平成21年度会計監査実施結果について  

官房長から、平成21年度会計監査実施結果に関し、聞き取り調査実施状況及び実施結果等について報告があった。

10)富山県警察における不適正な経理処理に係る自主調査結果等について

官房長から、富山県警察において判明した不適正な経理処理に係る自主調査結果等について報告があった。

11)愛媛県警察における損害賠償命令請求訴訟の控訴審判決について

官房長から、平成22年4月15日に言い渡された愛媛県警察における損害賠償命令請求訴訟の控訴審判決について報告があった。

12)愛媛県警察における警乗旅費請求訴訟の控訴審判決について

官房長から、平成22年4月15日に言い渡された愛媛県警察における警乗旅費請求訴訟の控訴審判決について報告があった。

13)平成21年度中における犯罪被害者給付制度の運用状況について

官房長から、平成21年度中、538人の犯罪被害者に係る犯罪被害に関し、約12億7,700万円の犯罪被害者等給付金を支給する裁定が行われたことなど、申請・裁定の状況等について報告があった。

14犯罪被害者支援に関する調査研究について

官房長から、犯罪被害者支援に関する調査研究結果等について報告があった。

15)国家公安委員会委員の米国への出張について

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会委員の米国への出張について報告があった。

16)平成21年中における風俗関係事犯等について

生活安全局長から、平成21年中における風俗関係事犯の検挙、風営法に基づく行政処分、風俗営業等の営業所数等について報告があった。

17)中国製冷凍餃子薬物混入事件に関する中国公安当局との第5回情報交換会議の開催について

刑事局長から、中国製冷凍餃子薬物混入事件に関する中国公安当局との第5回情報交換会議の開催状況について報告があった。

葛西委員より、「事件が発生してから2年経過したが、最初は、中国側は、『毒物の混入は日本でなされたものだ』と主張していたのに、今回突然、『中国で犯人を検挙した』ということになった。このような急変について、不審な点が多い旨の報道が週刊誌等でなされており、国民の中にも、これを疑問視する者が多いと思う。国と国とで、捜査態勢を一つにして真相を究明する際には、普段にもまして細心の注意をしなくてはいけない。早期解決のために予断を持って対することのないよう、冷静かつ客観的に、事実に基づき詰める姿勢を堅持し、き然として今後の捜査に臨んでもらいたい」旨の発言があり、吉田委員より、「制度が違う二つの国が捜査を行うわけであるが、日本警察として、中国側には言うべきことはきちんという姿勢で臨んでほしい」旨の発言があり、長官から、「日本警察は、プロフェッショナルとして厳しい姿勢で臨んでいる。また、葛西委員が指摘したようなことについても承知しており、今後とも、日本の捜査当局として、しっかりとその結果に自信が持てるよう、証拠に基づいた客観的な共同捜査を推進し、真相を明らかにしていく」旨の説明があった。

18)より合理的な交通規制のための点検の推進状況について

交通局長から、より合理的な交通規制を実施するため、都道府県警察において、昨年10月から本年3月までの間、最高速度規制、駐車規制及び信号機の運用を重点に実施した点検の推進状況について報告があった。

19)平成22年春の全国交通安全運動の実施結果等について

交通局長から、平成22年春の全国交通安全運動期間中の交通事故死者数が、前年同期比マイナス11.1%の96人であり、当該期間中、各都道府県警察において、運動の重点等に沿った様々な取組みが実施された旨の報告があった。

20)普天間飛行場移設問題をめぐる県民大会の動向と警察措置について

警備局長から、普天間飛行場移設問題をめぐる県民大会の動向と警察措置について報告があった。

3 その他

(1)官房長から、宮城県警察における行政文書非開示処分取消請求訴訟において、原告が最高裁判所に上告受理申立てをなしていたところ、上告審として受理しないとの決定がなされた旨の報告があった。

(2)刑事局長から、奈良県警察における警察官による発砲事案に関して付審判の決定がなされた旨の報告があり、官房長から、「栃木県警においては、同様の付審判事案の弁護に対して公費支出できるように予算計上したが、これを疑問視する報道がなされている」旨の説明があった。

葛西委員より、「付審判事案の弁護に対して公費を支出するのは良いことだと思う。これは、警察の威信に関わる大切な部分であり、公費支出に疑問の声があったとしても、それに対して揺るがない気持ちでいる、という姿勢を見せる方が良いと思う」旨の発言があった。