定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成22年6月17日(木)

午前10時00分 午前11時30分

第2 出席者 中井委員長、葛西、田尾、髙木、山本各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「6月24日付け地方警務官1名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)退職管理基本方針(案)等について

官房長から、退職管理基本方針及び採用昇任等基本方針の一部変更に係る内閣総理大臣からの協議に対し、異議のない旨を回答したい旨の説明があり、原案どおり決定した。

葛西委員より、「例えば、民間企業では採用の手法としてヘッドハンティングという考え方があるが、公務員の定年前に、民間企業が当該公務員に目を付けてヘッドハンティングするというようなことは、『天下り』には入らないのか」旨の発言があり、官房長から、「『天下り』というのは、省庁が再就職先を斡旋したものをいう。また、斡旋がなくとも何代にもわたって同じ省庁の人間が就任している場合、国民の目から見て『それは疑わしい』と思われるような形態もあるが、いずれにしてもお尋ねのようなケースは『天下り』には当たらない」旨の説明があり、葛西委員より、「逆に、官民の人事交流を行う際に、官庁側が民間企業の有能な人材を、公募ではなく、『一本釣り』することは許されるのか」旨の発言があり、官房長から、「給与等処遇面での困難はあり得るが、制度上は可能である」旨の説明があった。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、警視庁の警視長による国家公務員倫理規程違反事案に関し、懲戒審査会の結果を答申し、これを受け、国家公安委員会において、国家公務員倫理審査会の承認が得られれば、警視庁の警視長を減給処分100分の10 3月とすることが決定された。また、国家公安委員会から国家公務員倫理審査会に対し、国家公安委員会による調査結果を報告するとともに懲戒処分の承認を申請することが決定された。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

委員長より、「通常国会は、昨日閉会したところである。菅内閣として、かなり重要な法案を抱えていたこともあり、会期を延長して、新しい政権下で大事な法案を処理したという実態を国民に認識をしていただきたいと思っていたところであるが、どうしても自民党・公明党と話が付かず、大変残念な状態のまま終わってしまった。私どもとしては、選挙後に早期に国会を開き、残された法案を成立させていきたいと考えているところである」旨の発言があった。

(2)平成21年度における留置施設の巡察の実施状況について

官房長から、平成21年度において、警察庁及び管区警察局が、都道府県警察の留置施設に対して行った巡察の実施状況について報告があった。

髙木委員より、「よく、『代用監獄の問題』ということが言われるが、その観点で見たときに、今回の巡察の結果は、良い方向に向かっていると言えるのか」旨の発言があり、官房長から、「『代用監獄』に関する議論は、非常に長く続き、ようやく刑事収容施設法が成立したことにより、法的にもきちんと位置付けられた。留置施設の巡察も、この法律に基づき行っている。また、各県の弁護士会にも声掛けをして、留置施設視察委員会にも弁護士に入っていただいている。ただ、留置業務は、非常に地味であるが、失敗が許されない性質の業務であるため、担当者のインセンティブを保ちながら、かつ規律正しくやっていく必要がある。各都道府県警察、それから各留置施設を持っている警察署での内部管理はもちろん、こうした巡察などを通じて、緊張感を持ってやっていかせることが今後も必要だと考えている。いずれにしても全体としては良い方向に行っていると思う」旨の説明があり、次長から、「一度、髙木委員に実際の留置施設を視察していただいてはどうか」旨の発言があった。

(3)オウム真理教犯罪被害者救済法の施行状況について

官房長から、オウム真理教犯罪被害者救済法の施行状況について報告があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、茨城県警察の巡査長が、酒気帯び運転で交通事故を起こしながら警察に報告せず逃走した事案に関し、同県警察は、6月18日、同巡査長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意の措置とする予定である旨の報告があった。

(5)児童ポルノ排除対策ワーキングチーム(第2回)の開催について

生活安全局長から、「児童ポルノ排除対策ワーキングチーム」第2回会合の開催に関することについて報告があった。

委員長より、「ブロッキング自体を行うことについては総務省とも合意をしているが、ピンポイント方式でブロッキングを行うことについては、まだ、議論が両省庁間で分かれているところである。総務大臣には私から申し入れ、大臣も事務方に指示をしているが、抵抗はなかなか根強いようである。私としては、今後とも、ピンポイント方式でのブロッキングが実行できるように頑張っていきたい」旨の発言があった。

(6)第22回参議院議員通常選挙の違反取締りについて

刑事局長から、第22回参議院議員通常選挙の違反取締りについて報告があった。

(7)大手商工ローン(株)SFCG役員らによる民事再生法違反等事件の検挙について(警視庁)

刑事局長から、大手商工ローン(株)SFCG役員らによる民事再生法違反等事件を警視庁において検挙したことについて報告があった。

(8)山口組直系組長らによる宅地建物取引業法違反事件の検挙について

刑事局長から、山口組直系組長らによる宅地建物取引業法違反事件の検挙について報告があった。

(9)高齢運転者標識のデザインに関する意見募集の実施等について

交通局長から、高齢運転者標識の様式に関する検討委員会における検討結果を踏まえ、現在のもみじマークと代替案のいずれが適当かについて意見募集を行うこと等について報告があった。                                    

10)エネルギー大臣会合の開催に伴う警備について

警備局長から、「6月19日から20日までの間、福井県福井市において2010年APECエネルギー大臣会合が開催される予定であり、これに伴う所要の警備を実施する」旨の報告があった。

11)菅内閣総理大臣の「平成22年沖縄全戦没者追悼式」出席等に伴う警護警備について

警備局長から、「菅内閣総理大臣は、6月23日、『平成22年沖縄全戦没者追悼式』出席等のため、日帰りで沖縄県を訪問する予定であり、これに伴う所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

12)菅内閣総理大臣のカナダ訪問(G8ムスコカ・サミット及びG20トロント・サミット出席等)に伴う警護警備について

警備局長から、「菅内閣総理大臣は、6月24日から6月28日までの間、G8ムスコカ・サミット及びG20トロント・サミット出席等のため、カナダを訪問する予定であり、これに伴う所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

13)外為法違反事件(無承認輸出)被疑者の逮捕について

警備局長から、外為法違反事件(無承認輸出)被疑者の逮捕について報告があった。

3 その他

(1)刑事局長から、大相撲をめぐる問題に対する一連の対応状況について報告があった。

(2)警備局長から、宮崎県警察に対する管区機動隊の第3次派遣について報告があった。

   委員長より、「宮崎県における口蹄疫発生への対策について、苦しい人員のやりくりの中から、早速に更なる警察官の応援を頂き、感謝に堪えない。昨夜、官邸で臨時閣議が行われたが、その席で山田農水大臣から、新たに国富町において口蹄疫被害が発生したとの報告がなされた。これに対して菅総理から、警察による素早い人員の派遣等の対応について、御報告と感謝の言葉があったことをお伝えする。私自身、来週の月曜日に現地の県警本部等を激励に行きたいと考えている」旨の発言があった。

(3)委員長より、「いわゆる『秋葉原無差別殺傷事件』の発生から2年が経過することから、6月13日、秋葉原へ視察に行った。インターネットカフェやメイド喫茶などの視察を行うとともに、地域の防犯協会の会長さんにお目にかかり、歩行者天国の復活などについての様々な御意見を頂き、また、所轄警察署長から、秋葉原の治安情勢の現状について説明を受けたところである」旨の発言があった。

(4)委員長より、「都内に住む友人に会ったところ、同人が、『近頃の警察は偉いもんだ』と言って、深夜にパトロールを行ったことを知らせるパトロールカードを3枚ほど取り出して見せてくれた。そして、『隣近所にも、警察が日夜働いてくれているという安心感・信頼感がある。感謝していると伝えてほしい』と言われたので、この機会にお伝えするとともに、今後とも、地域の住民の信頼の確保という意味でも頑張っていただけるよう、所轄警察署を始め、警視庁にもよろしくお伝えいただきたい」旨の発言があった。