定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成22年8月5日(木)

午前10時00分 午前11時15分

第2 出席者 葛西、長谷川、田尾、髙木、山本各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

国家公安委員会会務官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「8月20日付けを始めとする地方警務官等109名の人事案件について発令していただきたい」旨及び「8月26日付け、内閣承認人事2名の人事案件について内閣に承認を依頼していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会委員長に対する行政文書開示請求に関する決定について

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会委員長に対して7月9日になされた行政文書の開示請求に関する開示決定について説明があり、原案どおり決定した。

(3)高齢運転者標識のデザインに関する意見募集結果及び検討委員会の検討結果について(中間報告)

交通局長から、高齢運転者標識のデザインに関する意見募集結果及び検討委員会の検討結果についての中間報告について説明があり、本件について審議した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、内容を一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)犯罪対策閣僚会議(第15回)の開催結果について

官房長から、7月27日に開催された犯罪対策閣僚会議(第15回)の内容について報告があった。

(3)平成22年第2四半期における地方警務官に係る贈与等報告書について

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から平成22年第2四半期における贈与等報告書が国家公安委員会に対して提出され、このうち、指定職以上の職員に係るものについて写しを国家公務員倫理審査会へ送付することとしている」旨の報告があった。

(4)殉職事案の発生について

官房長から、栃木県警察の警部補が、平成22年7月30日午後7時50分ころ、矢板市富田の市道において、道路冠水に伴う通行車両の迂回誘導に従事中、進行してきた車両にはねられ、同日午後10時06分、収容先の病院で死亡、殉職した旨の報告があった。

(5)「平成23年度予算の概算要求組替え基準」について

官房長から、「平成23年度予算の概算要求組替え基準」について報告があった。

(6)警察庁予算監視・効率化チーム第3回会合について

官房長から、警察庁予算監視・効率化チーム第3回会合について報告があった。

(7)新潟県警察における行政文書非公開決定処分取消請求訴訟の第一審判決について

官房長から、7月30日に言い渡された新潟県警察における行政文書非公開決定処分取消請求訴訟の第一審判決について報告があった。

(8)平成22年上半期の少年非行等の概要について(資料配付)

生活安全局長から、平成22年上半期の少年非行等の概要について、資料の配付とともに、「平成22年上半期の刑法犯少年の検挙人員は、前年同期より減少し、8年連続の減少となった。一方、児童虐待、児童ポルノ事件の検挙は増加した」旨の報告があった。

長谷川委員より、「児童虐待による死亡児童について、当該児童が1歳未満のケースも散見されるとのことであるが、統計上の嬰児殺との関係はどのようになるのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「嬰児殺についての具体的な統計の詳細については、後ほど確認の上お知らせする」旨の説明があった。

髙木委員より、「各県警では、子どもや女性の安全対策を行うチームなどを作っていろいろ努力しておられるところであるが、それらの対策は、ただ今報告のあった少年非行や少年の犯罪被害の防止対策にも役立っているのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「基本的には、子ども女性の安全対策と、今回御報告した少年非行等の防止対策は直接の目的を異にしている。少年の犯罪被害の防止については、子ども女性の安全対策が役立っている面もあると思われるが、子ども女性の安全対策は、性的な被害に係る不安解消等のための指導警告・検挙が中心になっている。なお、児童虐待に関しては、警察の最大の責任は、犯罪として問擬すべきものを事件として処理をするとともに、被害児童の生命身体が危険にさらされている場合に、救出保護をすることであると考えており、その後における親子関係の修復や家庭の再構築といった業務については、警察活動と全く無関係ということではないが、児童相談所等の業務とされているところである」旨の説明があり、長官から、「少年問題に対する様々な対策の効果が、どのように統計数字に現れているかという検証はしていないため、確定的なことを申し上げることはできないが、非行を犯した少年に対し、地域で居場所を提供するなどの立ち直り支援施策を行っており、親子や家庭をも視野に入れたこれらの施策は少年非行の減少に貢献している。このような幅広い施策は、警察だけで行うことはできないものであり、社会全体で、関係機関と共に推進していくべきものと考えている」旨の説明があった。

(9)第22回参議院議員通常選挙の違反取締りについて

刑事局長から、第22回参議院議員通常選挙の違反取締りの状況について報告があった。

10)菅内閣総理大臣の「平和記念(祈念)式典」出席等に伴う警護警備について

警備局長から、「菅内閣総理大臣は、本日8月5日から翌6日までの間、『広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式』出席等のため広島県を、また、8月9日には『長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典』出席等のため長崎県を、それぞれ訪問する予定であり、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

11)「終戦記念日」をめぐる動向と警察措置について

警備局長から、「8月15日、政府主催の『全国戦没者追悼式』が日本武道館において、天皇皇后両陛下御臨席のもと、内閣総理大臣等の警護対象者、遺族等が出席して開催されるほか、全国各地で各種取組みが予定されていることから、警視庁を始めとする関係都道府県警察は、所要の警衛警護警備を実施する」旨の報告があった。

3 その他

(1)警備局長から、ホルムズ海峡におけるタンカー損傷事案に係る対策室の設置について報告があった。

葛西委員より、「この事案については、自爆テロであるとの声明が出されたということであるが、どの程度の損害であったのか」旨の発言があり、警備局長から、「現時点では、被害船舶の甲板の分厚い鉄板がかなりへこむなどしており、相当な威力のある何らかの爆発物が爆発したのではないかと見られているが、今後、情報収集に努めていくこととしている」旨の説明があり、長官から、「テロの犯行声明があったとはいっても、現時点では確定的な情報ではなく、あるいはこの事件を奇貨として実は別の何者かが声明を出したという可能性もあるので、十分な検証が必要である。ただ、この情報が事実だとすると、日本が名指しで狙われたということになるので、警戒が必要である」旨の説明があった。

(2)髙木委員より、「第一次的な担当が警察だとは私は思わないが、最近、存命のはずの100歳以上の方の所在が分からないケースが散見されるという報道がなされているところ、これに関して政府としては何か対策を実施するのか」旨の発言があり、刑事局長から、「警察として実態をすべて把握しているものではないが、既に行政サイドや家族から警察の方に相談がなされているケースもあり、その所在を探すことについて警察も協力をしている。年齢的なものから考えると、本人が亡くなっているということもあり得るので、年金などの不正な受給が行われているのではないかという観点や、その死に至る過程で、何らかの犯罪があったのではないかということについても、警察としての関心事項となり得る」旨の説明があった。