定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成22年11月4日(木)

午前10時00分 午前11時45分

第2 出席者 岡崎委員長、葛西、田尾、髙木、山本各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)警察庁長官等の評価手続について

警察庁長官等の評価手続について実施した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「兵庫県警察の巡査が、平成22年10月15日、大麻を所持して逮捕された事案に関し、同県警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、11月5日、監督責任として、地方警務官の警察署長を本部長注意の措置とする予定である」旨の説明があり、原案どおり了承した。

(3)2010年APEC首脳会議の開催に伴う警備及び静穏保持法に基づく外国公館等周辺地域の指定に関する協議について

警備局長から、「11月10日から11日までの間、2010年APEC閣僚会議が、また、11月13日から14日までの間、同首脳会議が、横浜市西区所在の横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)でそれぞれ開催される。これに伴い、所要の警備を実施する」旨の報告があった。また、これに関連し、警備局長から、「外務大臣から国家公安委員会に対し、『11月9日から11月15日までの間、首脳会議等が開催される横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)等周辺地域を静穏保持法に基づく地域に指定したい』旨の協議があり、これに同意したい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、内容を一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)警察庁長官に対する開示請求の決定について(行政機関情報公開法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係の開示請求に係る決定について報告があった。

(3)会計検査院の平成21年度決算検査報告について

官房長から、会計検査院の平成21年度決算検査報告について報告があった。

(4)平成22年度第2四半期監察の実施状況について

首席監察官から、「警察庁が都道府県警察等に対して行った平成22年度第2四半期における監察の実施状況」について報告があった。

田尾委員より、「今回の監察結果(取調べ適正化施策の推進状況)から、警察が昨年来、現場においていろいろな指導教養を行い、様々な努力をしていることはよく分かったが、現場では取調べの監督制度についてどのように受け止めているのか。現場サイドにおいては現場不信の制度だとか、やっかいなものだといったようなとらえ方をされてはいないのか」旨の発言があり、首席監察官から、「今回の監察においては、基本的な教養の実施状況について、教養資料や各種研修会の実施結果等を通じて確認を行い、おおむね推進されていたことを確認したところである。今後は、例えば、捜査員に直接教養の状況を聞き、その意識を確認するといった監察をやっていく必要もあるのではないかと考えている。また、先日、不適切な取調べの状況が報道された大阪府警については、7月に警察本部と警察署に対して近畿管区警察局が監察を実施しているが、その際には特段の問題は認められなかったという報告を受けている。今回の不適切事案に係る当事者の職員についても、今回の事案を受けて聴取したが、本人も、適正化の問題自体の重要性については認識していたものの、被疑者がなかなか本当のことを言おうとしなかったということで、つい、いらだってやってしまったということであった」旨の説明があり、刑事局長から、「大阪府警の事案については、現在、同府警で調査中ということでもあり、また、特別公務員暴行陵虐罪等で地検に告訴がなされ、地検が捜査に動き出している状態でもあるので、最終的には、その結果を待って、問題を見極める必要があると思う。先日、警察庁から刑事局と長官官房の取調べ監督の担当者が現地に出張し現時点での状況を聞いて来たが、首席監察官から説明があったとおり、本人は教養をしっかりと受けており、その重要性については認識しているが、被疑者の対応に腹を立ててあのような言動になってしまったとのことである。一方で、この事案においては、捜査管理、指揮にも問題があったと考えている。大阪府警においては、刑事部長及び刑事総務課長が、各警察署長に直接電話して、取調べの管理、指導の徹底について指示をしている。加えて、今月から、ブロック別の刑事課長・生安課長会議を順次開いて、この事案の問題点や教訓を共有するということを始めている。最終的には、府警察本部に委員会を設け、捜査指揮、あるいは取調べも含め、関係部局で議論していくということになっている。警察庁においては、担当部署が、都道府県警察に行って、いろいろな観点からの業務指導を行っているが、今年度は取調べの管理、捜査指揮についての項目を加えた上で、課長級の者を動員して、現場の実態をよく見て必要な指導をやっていこうと考えている」旨の説明があった。

田尾委員より、「それは結構なことだと思うが、あまり指導を厳しくしすぎることによって取調べが萎縮したり、担当官が萎縮するということは好ましくないので、そこはよくバランスを取って行うべきだろうと思う」旨の発言があり、刑事局長から、「委員御指摘のとおり、管理でがんじがらめになって、厳しい追及ができないということになると、いわば本末転倒になりかねないので、よく注意して対応していきたいと思っている」旨の説明があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(2)で説明のあった兵庫県警察の巡査による大麻取締法違反事案に関し、「同県警察は、11月5日、同巡査を懲戒免職処分とする予定である」旨及び「大阪府警察の巡査部長が、酒気帯び運転をした事案に関し、同府警察は、11月10日、同巡査部長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意の措置とする予定である」旨の報告があった。

(6)「子ども対象・暴力的性犯罪の出所者」の再犯等に関する分析結果について

生活安全局長から、平成17年6月から平成22年5月末までの間に、「子ども対象・暴力的性犯罪の出所者情報」制度の対象となった者の再犯等に関する分析結果と、これを踏まえた今後の対応について報告があった。

(7)練炭使用による自殺を偽装した殺人事件について(警視庁)

刑事局長から、平成21年1月30日ころ、東京都青梅市所在の被害者方において発生した、練炭使用による自殺を偽装した殺人事件について捜査状況等の報告があった。

田尾委員より、「当該被疑者による一連の案件は、『犯罪死の見過ごし事案』として扱われているようであるが、当該死体が薬物を服用したかどうかについては、判別できるのか」旨の発言があり、刑事局長から、「捜査現場に配付されている簡易キットによる検査を行えば、薬剤の反応が出るので、睡眠剤を服用していることは現場での検視で分かる」旨の説明があり、田尾委員より、「しかし、死体内に薬物があることが分かっても、自殺をするに当たり、睡眠剤と練炭を併用するということも考えられることであるので、この死体を解剖したとしても事件性の有無を判断するのは困難なのではないか」旨の発言があり、刑事局長から、「委員御指摘のとおり、睡眠剤と練炭を併用して自殺することはあり得るので、当該死体を解剖したとしても、その死因が『一酸化炭素中毒死』となることは、自殺・他殺によらず変わりがない。本件は、死体の見方というよりは、初動捜査の問題だと思う。本件では事件性が、後になってから関係者の話で出てきたものであるが、初動捜査の段階で容疑性を深く掘り下げることができていれば、多くの証拠がなくなってしまうことはなかった。このような事件では、初動捜査の段階で、どこまでできるかが問われると思う。例えば、初動段階で不審点を見つけることができれば、解剖を行うとともに、練炭やコンロなどの関連物品を保存するなど証拠化することもできたのではないかと思う。」旨の説明があった。

田尾委員より、「自殺と判断するとしても、現場保存はやはり重要だと思うが、現場で自殺と判断した場合には、現場保存のための写真撮影などは行わないのか」旨の発言があり、刑事局長から、「本件では、死体の写真や、部屋の中の状況等を撮影した写真は残っている」旨の発言があった。

(8)交通安全対策特別交付金勘定に関する特別会計仕分け結果について

交通局長から、交通安全対策特別交付金勘定に関する特別会計仕分け結果について報告があった。

(9)皇太子殿下の第13回全国農業担い手サミットinしまね御臨席等に伴う警衛警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、11月9日から11月10日までの間、第13回全国農業担い手サミットinしまね御臨席等のため、島根県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する」旨の報告があった。

10)菅内閣総理大臣の韓国訪問(G20ソウル・サミット出席等)に伴う警護警備について

警備局長から、「菅内閣総理大臣は、11月11日から11月12日までの間、G20ソウル・サミット出席等のため、韓国を訪問する予定であり、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

11)国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案の発生について

警備局長から、「国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案の発生について、現在調査を行っている」旨の報告があった。

各公安委員より、「調査をしっかり行ってもらいたい」旨の発言があった。