定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成23年5月26日(木)

午前10時00分 午前11時45分


第2 出席者 中野委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「5月30日付け地方警務官1名の人事案件につい
て発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「新潟県警察の巡査らが無免許運転を教唆する
などした事案に係る監督責任として、同県警察は、国家公安委員会
の了承が得られれば、5月26日、地方警務官の警察署長を本部長
注意の措置とする予定である」旨の説明があり、原案どおり了承し
た。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、内
容を一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)地域警察デジタル無線システムの運用開始について

生活安全局長から、「整備から20年以上が経過し老朽化した現
行の署活系無線システムに代えて、音声通信機能を高度化したPS
Wシステム及びデータ通信機能を活用したPSDシステムからなる
地域警察デジタル無線システムを整備し、文字・画像情報や位置情
報の活用等による初動対応の高度化を図るものであり、本年度より
本格的運用を実施することとした」旨の報告があった。

前田委員より、「無線機については、従前のものを小型化して更
新し、情報端末は、これまでの装備に加えて貸与を開始するという
ことでよいか。また、情報端末は、個人に一台ずつ常時携行させる
のか、あるいは、勤務中のみ携行して勤務のないときは置いていく
のか」旨の発言があり、生活安全局長から、「最初のお尋ねについ
ては、そのとおりである。また、携行の方針については、地域警察
官は交替制勤務であるので、次の勤務員にこれを引き継ぐことによ
り、勤務に当たっている者が携行することとしている」旨の説明が
あった。

前田委員より、「セキュリティは、どのように担保するのか」旨
の発言があり、情報通信局長から、「使用する前に、IDとパスワ
ードでログインしないと使用できない形になっている。また、無線
機と情報端末の間を『ブルー・トゥース』という無線により連携さ
せるという形になっており、情報端末単体にはデータは入っておら
ず、データを受信するのみである。万が一、情報端末を紛失等した
場合には、遠隔操作で消去信号を送ることにより、情報端末自体を
無力化することができる」旨の説明があった。

前田委員より、「情報端末は、交替時に次の勤務員に引き継ぐと
いうことであるが、非番の警察官が持っていないというのは、いか
にも前近代的な感じがする。例えば、非番時に緊急招集されたとき
に情報が何もなく、素手で行くことになり、効率が良くない。価格
的にもそれほど高額とは思えないので、警察官一人一人に渡して、
常に携行させた方が良いのではないか」旨の発言があり、情報通信
局長から、「予算との兼ね合いがある」旨の説明があり、生活安全
局長から、「基本的には、装備品は勤務中に活用するというのが基
本である」旨の説明があった。

前田委員より、「これから新装備を導入して効率化しようという
ときなので、あまり過去のことにとらわれずに、警察官全員に持た
せることを考えてはどうか。例えば、大事件発生時に一斉招集をか
けるなどの連絡も、機能がたくさん付加されている最新式の端末が
配備されるのだから、これを使うと良いと思う」旨の発言があり、
官房長から、「このシステムは、交替制勤務の警察官を念頭に置い
て作っているシステムである。例えば殺人事件に対応する刑事のよ
うに、いついかなる時にも呼び出しがあり得る職務にある者とは違
うので、非番時にまで携行させるメリットは少ないと思う」旨の説
明があり、長官から、緊急のときに用いるための予備の分までは必
要があるかもしれない」旨の説明があった。

前田委員より、「警察の第一線の支援インフラに関して、無線機
を20年ぶりに切り替えるということであるが、20年間も放置し
ていたというのはいかがなものか。一般論として、技術の進歩が早
い中、普通は同じ機械を20年も使ったりはしないので、警察庁で
見直しを時々やらないと、現場の人が気の毒である。この新システ
ムも、導入の完了までには時間がかかるのではないか」旨の発言が
あり、生活安全局長から、「このシステムは、本年度中に全て配備
され、運用開始となる。この高機能の情報端末を使いこなせるよう
に習熟訓練を徹底する予定である。携帯電話が普及している現在、
年配者でも習熟に手間取ることはないと思う」旨の説明があり、次
長から、「委員御指摘のとおり、確かに無線も、相当古い形になっ
ている。実は、長い間予算要求を続け、やっと手当てすることがで
きたというものである。今後とも予算獲得のための努力をしてまい
りたい」旨の説明があり、長官から、「本来、技術革新によるモデ
ルチェンジは、例えば5年くらいの時期で行うべきとは思う。しか
し、それには数百億円単位の必要となる予算の問題があり、直ちに
は困難である。一方、この新システムは、警察の仕事の在り方を変
える、革新のトリガーになると思うので、どの範囲に配備するかに
ついては、まずは効果を検証していきたい」旨の説明があった。

委員長より、「どの範囲の警察官に持ってもらうかといったこと
については、リスクとメリットの両方があると思うので、検討して
いただきたい。技術革新のめざましい昨今において、20年もの間、
更新のないまま同じシステムを使い続けざるを得なかったのは少し
ひどいとは思うが、財政上の問題については、みんなで努力してい
きましょう」旨の発言があった。

(3)インターネット上の違法情報対策強化のための「全国協働捜査方
式」の本格実施について

生活安全局長から、「インターネット・ホットラインセンターか
ら通報のあった違法情報について、まず、警視庁が当該情報の書込
み等の発信地に関する捜査を行い、次いで、これにより判明した発
信地を管轄する都道府県警察が事件の検挙に向けた捜査を行う「全
国協働捜査方式」の試行を昨年10月1日から本年5月10日まで
実施したところであり、その成果を踏まえて、本年7月1日から本
格実施することとした」旨の報告があった。

(4)布川事件の再審無罪判決について

刑事局長から、布川事件の再審無罪判決について報告があった。

(5)第17回統一地方選挙における違反取締状況について

刑事局長から、第17回統一地方選挙における違反取締状況につ
いて報告があった。

(6)平成23年春の全国交通安全運動の実施結果について

交通局長から、「5月11日から5月20日までの間実施した平
成23年春の全国交通安全運動の期間中の交通事故死者数は、前年
同期比プラス1人の119人であった。期間中、各都道府県警察に
おいて、運動の重点等に沿った様々な取組みが実施された」旨の報
告があった。

(7)5.20東京高等裁判所内不退去事件について

警備局長から、5.20東京高等裁判所内不退去事件について報
告があった。

(8)東日本大震災に伴う警察措置について

警備局長から、東日本大震災に伴う警察措置に関し、これまでの
特別派遣部隊の数、福島第一原子力発電所周辺における活動等につ
いて報告があり、関連発言として、刑事局長から、主な被災地であ
る岩手、宮城、福島3県における死体取扱及び身元確認状況等につ
いて、生活安全局長から、応援パトカー等の初動・防犯活動の状況
及び避難所において相談受理等に従事する特別派遣の女性警察官の
活動状況等について、情報通信局長から、各種警察通信活動の状況
について、それぞれ報告があった。