定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成23年6月30日(木)

午前10時00分 午前11時30分


第2 出席者 中野委員長、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「北海道警察の警部補が風俗事業者に捜査情報等
を漏えいしたほか、同事業者から賄賂を収受した事案等に係る監督責
任として、国家公安委員会の了承が得られれば、6月30日、警察庁
は、北海道警察本部長を長官注意とし、北海道警察は、地方警務官で
ある函館方面本部参事官兼警務課長兼北海道警察学校函館方面分校長
を本部長注意の措置とする予定である」旨の説明があり、原案どおり
了承した。

(2)極東会の指定の確認について

刑事局長から、「東京都公安委員会から受理した極東会に関する第
7回目の指定暴力団としての指定の確認請求について、審査専門委員
の意見聴取を終え、本日、暴力団対策法第6条に基づく確認をし、当
該公安委員会に通知することとしたい」旨の説明があり、原案どおり
決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)東日本大震災復興構想会議の提言について

官房長から、東日本大震災復興構想会議において取りまとめられ、
6月25日菅総理に提出された提言について報告があった。

(3)平成23年度警察庁予算執行計画について

官房長から、平成23年度警察庁予算執行計画の策定について報告
があった。

(4)東日本大震災関係業務に関する特殊勤務手当の改正について

官房長から、東日本大震災関係業務に関する一般職の国家公務員の
特殊勤務手当について人事院規則の改正が行われたこと及びそのうち
国の警察職員に関係する特殊勤務手当について報告があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「千葉県警察の巡査長が、覚醒剤を使用するなど
した事案に関し、同県警察は、6月30日、同巡査長を懲戒免職処分
とするとともに、監督責任として、上司らを本部長注意等の措置とす
る予定である」旨及び「広島県警察の一般職員が、女児にわいせつ行
為をしたとして、5月27日に現行犯逮捕された事案等に関し、同県
警察は、7月4日、同一般職員を懲戒免職処分とする予定である」旨
の報告があった。

(6)不正アクセス防止対策に関する官民意見集約委員会について

生活安全局長から、「平成22年度総合セキュリティ対策会議での
提言を受け、社会全体として不正アクセス防止対策を推進するに当た
り、現状の課題と改善方策に係る官民の幅広い意見を集約するため、
官民意見集約委員会『官民ボード』を設置する」旨の報告があった。

(7)警察における取調べの録音・録画の試行の検証について

刑事局長から、平成21年4月から本年3月末まで、全都道府県警
察において実施した取調べの録音・録画の試行の実施状況、検証結果、
今後の方針等について報告があった。

山本委員より、「現時点で、このように検証結果を発表したことに
ついての受け止め方としては、『現状では、まだ可視化について警察
としての方向性を示すという段階ではなく、これまでやってきたこと
を踏まえて、なお検証、試行を続ける』ということで良いのか」旨の
発言があり、刑事局長から、「これまで2年間行ってきた試行の結果
を、これからの議論に生かしていこうというものである。評価できる
点あるいは現場での評価が、これからの在り方の議論の材料になる。
加えて、さらにいろいろ試行することにより、新たな検討材料が出る
だろうということもあり、この時点での結果について検証したもので
ある」旨の説明があった。

田尾委員より、「報告書にもあるように、今後の方針として、でき
るだけ多くの警察官が録音・録画に習熟し、組織としてたくさん経験
を積むことができるよう、これをできるだけ積極的に行っていこうと
いう方向は良いことだと思う。ただ、秘密の暴露があったり、事実関
係のみ自白している場合でも大事だと思われるようなときには試行の
実施に努めるというような形では範囲を広げているが、対象を裁判員
裁判の対象事件に限るというところについては変わりがないようであ
る。しかし、裁判員裁判対象事件以外でも、内容的にこれから拡大し
ようとしているカテゴリーに入るものはあると思うので、それをも対
象事件に含めるように、今後指針を拡大していくことも考えて良いの
ではないかと思う。もちろん、それにはまず多く試行をしてみるとい
うことが前提になるわけであるが、今回の報告書によれば、都道府県
によって録音・録画が行われた件数にかなりのばらつきがある。その
原因にはどのようなことが考えられるか」旨の発言があり、刑事局長
から、「まず、対象事件の拡大については、今後の検討課題、検討事
項だと考えている。裁判員裁判の対象事件を試行の対象とすることに
ついては、分かりやすい立証をする必要性があることに着目して始め
たものである。加えて、現場の負担のことや、あるいはこれまでの試
行を通じて問題点がないわけでもないことから、ほかの事件に対象を
広げる場合は、総合的によく検討する必要があると考えている。また、
各県での実施件数のばらつきについては、事件発生の少ない小規模県
においては、なかなか対象としてふさわしい事件がなく、実施ができ
ないというところもある。また、これまでは、被疑者の自白の内容が
ある程度安定した状況になった段階で録音・録画を行うということに
しているため、自白の時期が遅くなってくると、警察では録音・録画
を行うタイミングを失するというケースもあったようである。さらに、
資機材や、体制の問題についても影響はあるだろうと思うが、その辺
りもこれから検討していくべき話であろうと思っている」旨の説明が
あった。

田尾委員より、「例えば、逮捕直後の弁解録取などの際に、否認も
含めて、録音・録画を行ってみるという試みも良いのではないかと思
うが、その点についての検討はしないのか」旨の発言があり、刑事局
長から、「逮捕直後に作成する弁解録取書は現時点では対象ではない
が、録音・録画については、自白の任意性を立証するために必要だと
いう考え方の上に立っているので、弁解録取書を作成した直後に行わ
れる被疑者供述調書作成の際に、自白の調書を作成する場面について
は、これからの試行の多様化を行う過程で行ってみることにしている」
旨の説明があった。

(8)大阪府関西空港警察署における取調べの不適正事案について

刑事局長から、本年5月に発生した、大阪府関西空港警察署におけ
る取調べの不適正事案についての事案概要、再発防止策等について報
告があった。

(9)歩車分離式信号の整備推進について

交通局長から、歩車分離式信号の整備推進を図るため、平成23年
度から26年度までの4年間に各都道府県警察が整備する歩車分離式
信号の整備計画について報告があった。

(10)政府における情報保全に関する検討委員会の検討状況について

警備局長から、政府における情報保全に関する検討委員会の検討状
況及び情報保全システムに関する有識者会議の報告書について報告が
あった。

(11)日教組「第99回定期大会」をめぐる動向と警察措置について

警備局長から、7月4日から6日までの3日間、東京都千代田区内
において開催される日教組(日本教職員組合)「第99回定期大会」
をめぐる右翼等の動向と警察措置について報告があった。

(12)東日本大震災に伴う警察措置について

警備局長から、東日本大震災に伴う警察措置に関し、これまでの特
別派遣部隊の数、福島第一原子力発電所周辺における活動等について
報告があり、関連発言として、刑事局長から、主な被災地である岩手、
宮城、福島3県における死体取扱及び身元確認状況等について、生活
安全局長から、避難所において相談受理等に従事する特別派遣の女性
警察官の活動状況及び行方不明者の親族等に対し、死亡届に添付する
書面を交付すること等について、交通局長から、6月20日以降実施
されている東北地方を発着する被災者等に対する高速道路の無料開放
後の交通状況について、情報通信局長から、各種警察通信活動に関し、
通信機能の維持・復旧の状況について、それぞれ報告があった。