定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成23年8月4日(木)

午前10時00分 午後0時05分


第2 出席者 中野委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「8月17日付けを始めとする地方警務官等76名の
人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どお
り決定した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)「東日本大震災からの復興の基本方針」の決定について

官房長から、「東日本大震災からの復興の基本方針」の決定につい
て報告があった。

(3)警察署協議会の活動状況について

官房長から、警察署協議会の活動状況について報告があった。

(4)女性警察官の採用・登用の拡大に向けた計画の策定状況について

官房長から、各都道府県警察における女性警察官の採用・登用の拡
大に向けた計画の策定状況について報告があった。

長谷川委員より、「報告では、女性警察官が組織に占める割合を1
0%まで引き上げることを採用拡大の目標とするとのことであるが、
報告の内容以上に増やしていただきたい。職場に女性がいることによ
り、実際にその職場、組織の雰囲気を変え、力が出せるようになるた
めには、一定の数が必要であり、多少増えたとしても、そこまでの数
にならないならば、大きな力にはならないと思われる。それには25
%は必要だと思うが、一方で、急にはできないであろうから、これか
らも努力していただきたい」旨の発言があり、委員長より、「今回の
積算では、女性警察官の割合を10%としているが、『10%達成を
目標に、女性警察官の増加に努力する』という数字とまで言えるのか、
少し疑問に思う。この目標値ならば、時代のすう勢とともに、自然に
到達していくのではないか」旨の発言があり、官房長から、「御指摘
の点については、今回の調査において、各都道府県警に対して、『女
性警察官数の拡大が前提である』旨を指示した上で試算させており、
これをしなければこの数字にはならなかったと思う。各都道府県警察
においては、警察としての執行力を保持するという側面に影響を及ぼ
さないよう配慮しつつ、例えば、この部門だったら何人女性警察官を
配置できるかということについて細かく分析し、さらに、女性警察官
が勤務するための施設を整備し、働きやすい環境を整えることなどの
積み上げによって、この数字になったものである。この実現には時間
がかかるとは思うが、女性警察官採用拡大の方向に向かっていくこと
は間違いない」旨の説明があった。

髙木委員より、「地方視察などで、県警の職員と話をすると、都道
府県警察でも、規模が大きいところでは、それだけたくさんの人を一
度に採用できるため、様々な対応が相当ドラスティックにできるよう
であるが、小規模のところでは、官房長の説明にもあるとおり、執行
力の確保とのバランスの問題もあるため、実現はやはり大変だと思う。
ただ、女性警察官の採用試験に応募して来られる方は、高い倍率で、
かつ、成績も非常に良いということなので、レベルの高い人をたくさ
ん採用することは可能だろうと思う」旨の発言があった。

(5)平成23年第2四半期における地方警務官に係る贈与等報告書につ
いて

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から
平成23年第2四半期における贈与等報告書が国家公安委員会に対し
て提出され、これを国家公安委員会委員長が専決で受理し、このうち、
指定職以上の職員に係るものについては、その写しを国家公務員倫理
審査会へ送付することとしている」旨の報告があった。

(6)オウム真理教犯罪被害者救済法の施行状況等について

官房長から、オウム真理教犯罪被害者救済法の施行状況等について
報告があった。

(7)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「神奈川県警察の巡査が、盗撮行為をしたとして、
7月12日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、8月5日、同
巡査を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長
注意の措置とする予定である」旨及び「千葉県警察の一般職員が、酒
気帯び運転をして人身事故を起こしたとして、7月15日に現行犯逮
捕された事案に関し、同県警察は、8月5日、同一般職員を懲戒免職
処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意の措置とす
る予定である」旨の報告があった。

(8)平成23年上半期の少年非行等の概要について

生活安全局長から、「平成23年上半期の刑法犯少年の検挙人員は、
前年より減少し、9年連続の減少となったが、再犯者率が引き続き増
加した。また、児童ポルノ事件の検挙が過去最多となったほか、児童
虐待事件の検挙も高水準で推移している」旨の報告があり、これに関
連する話題として、現在与野党において児童ポルノ法改正に関する検
討がされていることについて報告があった。

(9)平成23年上半期の特殊詐欺等の状況について

刑事局長から、平成23年上半期の特殊詐欺等の状況について報告
があった。

山本委員より、「このような事案については、できるだけ、被害が
広がる前に摘発するべきである。ごく最近、イラクの通貨であるディ
ナールを買わされる詐欺の被害に遭ったという人から相談を受けたと
ころであるが、その人の話によれば、詐欺グループが継続的にイラク
ディナールを買うよう働き掛けをしていたが、あるとき、テレビで、
『イラクディナールというのは、こういうものですよ』ということを
解説する報道が行われたところ、その報道後、ぴたりとそうした連絡
が来なくなったということである。おそらく、この詐欺グループは、
テレビ報道があったことを知って勧誘をやめたのであろうと思う。特
に、新手の詐欺の手口が現れたときに、被害が大きくなる前に、『こ
ういう手口での詐欺が行われ始めている』ということが報道されるよ
うになると、被害が拡大する前に止めることが可能になるのではない
かと思う。それにはマスコミの協力が必要だと思うし、警察側でも、
様々な工夫をしているのだろうが、是非、マスコミを使った効果的な
広報啓発活動についても、工夫の一つとしていただきたい」旨の発言
があり、刑事局長から、「委員御指摘のとおりである。振り込め詐欺
全体の広報についてはかなりやっているが、最近はなかなか大きく取
り上げられない。警察官もチラシを入れるなど地道に努力しているが、
テレビや新聞の報道効果は大変大きいので、警察庁においても、新し
い手口にスポットを当てるなどして、効果的に報道してもらえるよう、
努力をしてまいりたい」旨の説明があった。

(10)平成23年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状
況について

交通局長から、平成23年上半期の交通事故の状況について、交通
事故死者数は2,112人であり、11年連続で減少したことなどに
ついて報告があった。

(11)平成23年上半期における暴走族の動向及び検挙状況等について

交通局長から、「平成23年上半期の暴走族のい集・走行回数、参
加人員、参加車両台数、110番通報件数は、いずれも前年同期と比
べて減少した。また、総検挙人員についても減少したが、騒音関係違
反の検挙人員は増加した」旨の報告があった。

(12)平成23年全国戦没者追悼式(終戦記念日)に伴う警察措置につい

警備局長から、「8月15日、政府主催の『全国戦没者追悼式』が
日本武道館において、天皇皇后両陛下御臨席の下、内閣総理大臣等の
警護対象者及び遺族等が出席して開催されるほか、全国各地で各種取
組が予定されていることから、警視庁を始めとする関係都道府県警察
は、所要の警衛警護警備等を実施する」旨の報告があった。

(13)菅内閣総理大臣の「平和記念(祈念)式典」出席等に伴う警護警備
について

警備局長から、「菅内閣総理大臣は、8月5日から6日までの間、
広島平和記念式典『広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式』出席
等のため広島県を、また、8月9日に長崎平和祈念式典『長崎原爆犠
牲者慰霊平和祈念式典』出席等のため長崎県を、それぞれ訪問する予
定であり、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

(14)サイバーインテリジェンス対策に係る警察の取組について

警備局長から、サイバーインテリジェンスによる被害の未然防止の
ため、警察が民間事業者等と連携した取組を推進することについて報
告があった。

(15)国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案に関す
る国賠訴訟の提起について

警備局長から、国際テロ対策に係るデータのインターネット上への
掲出事案に関する国賠訴訟の提起について報告があった。

(16)東日本大震災に伴う警察措置について

警備局長から、東日本大震災に伴う警察措置に関し、これまでの特
別派遣部隊の数、行方不明者の捜索活動等について報告があり、関連
発言として、刑事局長から、主な被災地である岩手、宮城、福島3県
における機動捜査部隊の増強及び死体取扱及び身元確認状況等につい
て、生活安全局長から、避難所において相談受理等に従事する特別派
遣の女性警察官の活動状況及び行方不明者の親族等に対し、死亡届に
添付する書面を交付すること等について、情報通信局長から、各種警
察通信活動に関し、通信機能の維持・復旧の状況について、それぞれ
報告があった。

3 その他

(1)交通局長から、東京都内における大震災発生時の交通規制の計画及
び警視庁が9月1日に実施を予定している交通規制の実施訓練につい
て報告があった。

山本委員より、「都内において、大規模な訓練を実施すれば、おそ
らく都民の関心が高まるだろうと思うので、現実に地震が起きたとき
に、車を離れて避難する際にはどのようにしておけばいいのか、例え
ば、車両を離れる際に、当該車両の鍵は付けておくのかとか、道路に
駐車する際には幹線道路の路側でよいのか、あるいはむしろそれは避
けて側道の方へ駐車しておくべきなのか等について広報し、周知徹底
をしておくことが重要だと思う」旨の発言があり、交通局長から、
「広報の徹底については、委員御指摘のとおりである。まず、御質問
のあった緊急時に車両を離れる場合の駐車要領については、車両には
鍵を付けたまま、幹線道路であっても、そのまま路側に置いていただ
くということになっている。運転免許の更新の際に行う更新時講習で
配布している資料の中に、『大震災が起きたときの交通規制』という
項目があり、その中に記載がしてあるほか、交通規制のチラシも合わ
せて配布したりして、できるだけそのときに承知してもらえるように
している。しかし、優良運転者講習の場合には、講習時間が30分し
かないため、詳しく説明することができず、講師が『後で資料をよく
読んでおいてください』と言うのが現状であると思う。御指摘を踏ま
え、分かりやすく広報してまいりたい」旨の説明があった。

(2)首席監察官から、警視庁捜査第一課警部による捜査情報漏えい事案
の発生について報告があった。